たばこ税の推移をグラフ化してみる(2015年)

2015/07/30 13:00

2014年4月からの消費税率の引き上げに伴い、たばこの販売価格が最大で20円ほど値上げされた。この引上げは各たばこの種類単体での算出ではなく、「ひと箱あたりの値上げを10円あるいは20円区切りとすることで、事業全体での加重平均の小売定価に対し転嫁させ、同時に自販機上の設定変更の手間を最小限に留めさせる」スタイルをとっている(【メビウスは20円プラス…日本たばこ産業、消費税率アップで4月1日からたばこ値上げへ】)。これに伴いたばこ代金における税負担の内情も、小さからぬ変化が生じている。そこで今回は【JTの「アニュアルレポート」】を元に、過去から現在におけるたばこ税の推移を確認し現状を整理しておくことにした。

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たばこ税については以前【値上げによる家計のたばこ支出金額推移への影響を過去二回分と合わせてグラフ化してみる】において、2010年、2003年、2006年の税率アップ=たばこの値上げについて解説している。これらも含め1985年以降のたばこ税の推移が、最新のアニュアルレポート(ファクトシート部分)には記載されている。そこでたばこ1本当たりの従量税推移データをレポートから抽出し、まとめたのが次のグラフ。今件グラフは時期(横軸)の区分については、等期間の間隔では無く、何らかの事象に合わせての区分(税率の変更など)となっていることに留意する必要がある。

↑ たばこ税推移(円)(1本当たり)(従量税)(消費税含まず)
↑ たばこ税推移(円)(1本当たり)(従量税)(消費税含まず)

現時点では2014年4月の消費税率引き上げが最後の税率改正のため、それが最新のデータとしてグラフに収まっている。今グラフでは消費税は計上されていないため、2014年4月とその前の仕切りである2010年10月(たばこ税大幅引上げ)との間には、変化は生じていない。

また1989年3月までは別途従価税が併課されており、今グラフでは反映されていないため、大きく税額がアップしたように見える(うまく調整が成されており、実際にはたばこ1箱単位での税負担率に変化は無い)。

それではこの税負担で、購入者はたばこ1箱でどの程度の税額を納めていることになるのか。それを算出したのが次のグラフ。オーソドックスな銘柄のマイルドセブン(メビウス)(【JTの「マイルドセブン」、「メビウス」に名称変更へ】の通り、マイルドセブンは2013年2月以降メビウスに名称が変更されている)を例に挙げ、一つ目は「販売価格の何%が税金に該当するのか」、二つ目は「販売価格と、税負担部分・それ以外の部分の金額」の図になる。

↑ マイルドセブンの税負担率(消費税含む)
↑ マイルドセブンの税負担率(消費税含む)

↑ マイルドセブンの価格と税負担部分推移(円)
↑ マイルドセブンの価格と税負担部分推移(円)

1989年4月に消費税が導入、1997年4月・2014年4月に消費税の増税があったことをのぞけば、いずれもたばこに直結する税率・税制の変更に伴う負担率の変移が示されている。一時期をのぞけば税負担率は漸増、そしてそれに伴い税負担額・価格も増加している。現在ではメビウス1箱を吸うと、そのうち約277円は税金な次第である。ひと箱20本入りならば13本近くは丸ごと税金。

なお二つ目のグラフの緑色、「税以外の部分」がすべてJT側の利益では無いので注意してほしい。販売店のマージンがあり(10.00%)、残りがJTの売上となる。

↑ たばこ1箱あたりの定価の構成(メビウス・430円の場合、円)
↑ たばこ1箱あたりの定価の構成(メビウス・430円の場合、円)

そして「JTの手取分」から人件費、材料費など多種多様な経費がのぞかれ、はじめて利益(場合によっては損失)が計上される。今件のようなグラフを挙げると、「税金が取られるとの話だが、それでもメビウス1箱で110円もの”利益”があがるのではないか」とする誤解釈による意見がしばしば寄せられる。そこであらかじめ言及しておくことにした。「売上」と「利益」は別物であることに、十分注意してほしい。


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