豆乳の生産量動向をグラフ化してみる(2016年)

2016/05/30 05:00

以前姉妹サイトで【豆乳の売れ行き結構伸びてるらしい、マジで】などで取り上げたように、昨今豆乳市場が堅調な状況にあるとの話を見聞きするようになった。スーパーの飲料・乳製品コーナーでも豆乳飲料を配する場所の面積は増え、続々と新商品が登場し、その活性ぶりをうかがうことができる。自炊の素材としても良く使われるようになったとの話もあり、実際に各レシピサイトでも多様なメニューを目にする機会が増えている。今回はその動向に合わせ、日本国内の豆乳の生産量動向に関して、日本豆乳協会が定期的に情報を更新・公開している【豆乳の生産量・出荷量・大豆使用量調査】を元に、その現状を確認していくことにする。

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年ベースでの動向


日本豆乳協会の公開データベースでは1983年(昭和58年)以降年次、及び四半期単位での豆乳関連商品の生産量・出荷量・大豆使用量の状況が確認できる。そこでまずは年次(現時点では1年分全体が計上されている値としては2015年分が最新)の動向を確認する。

なお豆乳の種類についてだが、【豆乳について | 豆乳の作り方と商品の分類】の説明にある通り、日本農林規格(JAS規格)による厳密な分類がなされている。

・豆乳…大豆固形分8%以上(大豆たんぱく質換算3.8%以上)

・調整豆乳…大豆固形分6%以上(大豆たんぱく質換算3.0%以上)

・豆乳飲料…
  果汁入り:大豆固形分2%以上(大豆たんぱく質換算0.9%以上)
  その他:大豆固形分4%以上(大豆たんぱく質換算1.8%以上)

「大豆固形分」とは製品から水分を除いた残りの成分。各製品パッケージに明記されている。

また同ページに歴史も記載されているが、豆乳は1970年代に入って初めて近代的な脱臭方法が確立され、その後独立した商品として登場するようになった。それ以前にも豆乳は栄養価が高い製品として存在していたものの、青臭さやえぐみのある味であまり飲まれていなかったそうである。

まずは直近となる2015年の年間豆乳生産量。

↑ 豆乳などの生産量(2015年、万kl)
↑ 豆乳などの生産量(2015年、万kl)

店頭では(無調整)豆乳と調整豆乳が並べて販売されている場面をよく見かけるが、生産量は調整豆乳が豆乳の2倍強。詳しい検証は省略するが、当然出荷量≒消費量もほぼ同率の状況にある。多種多様でユニークな味わいのものも多い豆乳飲料の類は、果汁入りが1.73万キロリットル、その他諸々の豆乳飲料が5.46万キロリットル。

続いてこれを経年変化の動きで見たのが次以降のグラフ。豆乳全体と、各種類別の動向を確認する。当然最新値は2015年分。

↑ 豆乳などの生産量(全体、年ベース、万kl)
↑ 豆乳などの生産量(全体、年ベース、万kl)

↑ 豆乳などの生産量(年ベース、万kl)(主要種類別)
↑ 豆乳などの生産量(年ベース、万kl)(主要種類別)

バブル時代からするりと落ち(この減退傾向はそれ以前に生じていた豆乳ブームに関して、粗悪品が市場に出回り、豆乳全体のイメージが落ちたことが原因とされている)、その後は低迷していた総量だが、前世紀末から漸増。ITバブル前後までには健康志向への対応や調整豆乳の堅調ぶりを受けて大きく飛躍したが、大豆イソフラボンの過剰摂取問題が話題に登るに連れて需要が冷え込み、特に調整豆乳の分野で減退著しく、数年間は低迷を続ける形となった。

2008年を底とし、調整豆乳の復調と共に総量も増加に転じ、以降は他の種類も合わせ順調な伸びを示している。特に(無調整)豆乳はそのまま飲用するだけでなく、冒頭で触れたように料理の素材としての用いられ方が浸透しはじめ、生産量が大きく伸びている。2015年では豆乳飲料(その他)を大きく突き放すほどの増量を示した。

↑ 豆乳などの生産量(年ベース、万kl)(主要種類別)(対総量比率)
↑ 豆乳などの生産量(年ベース、万kl)(主要種類別)(対総量比率)

総生産量に占める比率では、(無調整)豆乳の伸び具合、果汁入り豆乳飲料がじわりと値を伸ばしていることなどがうかがい知れる(もっとも直近では果汁入りはやや値を落としているが)。料理の素材として、ジュース感覚で飲める飲料としてなど、これまであまり無かった切り口での需要拡大に成功した証と評価できよう。

四半期単位の動向


続いて四半期単位の動向。現時点では2016年第1四半期(1-3月、Q1)までの動向が確認できる。そこで直近1年分の具体的生産量、及び前年同期比を算出し、グラフにしたのが次の図。

↑ 豆乳などの生産量(四半期ベース、万kl)(主要種類別)(直近1年)
↑ 豆乳などの生産量(四半期ベース、万kl)(主要種類別)(直近1年)

↑ 豆乳などの生産量(四半期ベース、前年同期比)(主要種類別)(直近1年)
↑ 豆乳などの生産量(四半期ベース、前年同期比)(主要種類別)(直近1年)

年ベースでも堅調な伸びを示していた各豆乳だが、四半期ベースで直近動向を見ても、勢いよく生産量が伸びていることが分かる。特に(無調整)豆乳の伸びぶりが著しい。他方、豆乳飲料(その他)(果汁入り)はやや足踏み、後退しているようにも見える。

最後はこの四半期動向に関して、値が取得可能な2009年以降のものを算出する。当然前年同期比は2010年分以降となる。

↑ 豆乳などの生産量(四半期ベース、万kl)(主要種類別)
↑ 豆乳などの生産量(四半期ベース、万kl)(主要種類別)

↑ 豆乳などの生産量(四半期ベース、前年同期比)(主要種類別)
↑ 豆乳などの生産量(四半期ベース、前年同期比)(主要種類別)

四半期単位の生産量も中長期的には大よそ右肩上がり。特に(無調整)豆乳は上昇ぶりが著しく、豆乳飲料(その他)に追いつき追い越せ追い越した状態であるのが分かる。また調整豆乳で顕著だが、毎年第3四半期(7-9月期)には大いに生産量≒消費量が伸びる。これは清涼飲料水的な飲み方をして涼を取るスタイルが浸透しつつあるからだろう。

前年同期比動向では豆乳飲料(果汁入り)の動きがやや大きいが、大よそプラスマイナスゼロのラインより上にある。つまりそれだけ生産量が増加傾向にあることを示している。特に青線=(無調整)豆乳の動きが好調なのが改めて把握できよう。


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