アメリカにおける日曜版の新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2011年分まで対応版)

2012/09/26 12:00

先に【アメリカの新聞発行部数などをグラフ化してみる(2011年分まで対応版)】で示したように、アメリカの新聞協会「Newspaper Association of America(NAA)」の年ベースでの新聞周りのデータの更新がようやく行われた。そこで今回は以前【アメリカにおける日曜版の新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2009年分)】で記事にした、アメリカの日曜版に関するデータを更新し、状況の変化などを確認していくことにする。

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データ取得元はアメリカの新聞協会「Newspaper Association of America(NAA)」のサイト内にある、【Trends & Numbers】のコーナー。ここから「Circulation」、そして「Newspaper Circulation Volume」を選べば1940年以降の(年単位は1945年以降)発行部数や発行紙数などが確認できる。今回データを抽出するのは「Sunday」、つまり日曜版の部分。

クーポン日曜版をわざわざ別途取り上げた・あるいは元データでも別途区分してあるのは、立ち位置や読者にとっての「価値」の判断材料が多分に異なるため。以前【貯蓄を大いに盛り上げる6つのクーポンなコツ】で解説したが、アメリカでは日本をはるかに上回る利用度で、折り込みチラシのクーポンが活用されている。そしてそれらのクーポンは通常版(平日版)ではなく、日曜版にまとめて挿入される。株主総会時期になると各社の決算報告書を別紙にまとめた分厚い新聞が投函され、驚いた経験を持つ人も多いだろうが、まさにあの厚みが毎週日曜日に届けられる雰囲気(あるいは広告だらけの元旦号がイメージとしては近いかもしれない)。

この日曜版の状況を伝える記事【アメリカの新聞の日曜版は楽しい】【アメリカの新聞】でも語られているが、簡単にまとめると、

・割引クーポンの割引率は日本と比べ物にならないくらい大きいものがある。
・平日版はほとんどチラシが無い。日曜版にまとめてクーポン付のチラシが大量に折り込まれる。
・日曜版だけの購読も可能。平日版と比べると一部あたりの価格が高い事も。
・チラシはパンフレット形式になっていることが多い(日本のフリーペーパースタイルなクーポン小冊子みたいなもの)
・本文記事内容もクーポンを活用する消費者(主婦層)向けとしてエンタメ要素が強い。また、地域色も豊か。

などの傾向がある。日本の地方紙と全国紙を足して2で割り、クーポン小冊子を挟みこんで週刊発行にしたようなイメージ。

さてその日曜版だが、発行部数は朝刊・夕刊同様にメディアの激変にさらされる形で漸減。しかし発行紙数はほとんど変化が無い。地域密着型であることから(リアルな店舗向けのクーポンが魅力のメイン、のようなものだから)、部数そのものは減らしていてもニーズの問題で上手くバランスをとっているのかもしれない。あるいはより密着化するために、群雄割拠状態の可能性もある。

↑ アメリカの新聞紙数(日曜版)(-2011年)
↑ アメリカの新聞紙数(日曜版)(-2011年)

↑ アメリカの新聞発行部数(日曜版)(千部)(-2011年)
↑ アメリカの新聞発行部数(日曜版)(千部)(-2011年)

今回更新した2011年分に限ってみると、紙数はわずかに減ったが、部数は逆に微増している。これは平日朝刊紙にも見られた傾向で、注目に値する。平日朝刊版では言及はしなかったが、これは電子版(登録会員版のみで、不特定多数がアクセスできるウェブ版の読者は該当しない)の利用者増加によるものと推測できる。

↑ アメリカの新聞発行部数(前年比)(日曜版を追加)(-2011年)
↑ アメリカの新聞発行部数(前年比)(日曜版を追加)(-2011年)

↑ アメリカの新聞発行部数(前年比)(長期データ)
↑ アメリカの新聞発行部数(前年比)(長期データ)

クーポンやはり記事(エンタメ色が強い)部分においてインターネットにその座を奪われつつあるのと同時に、以前【アメリカで 大いに流行る クーポンは 紙ではなくて デジタル形式】でも触れたように、デジタル形式のクーポン「も」盛況になりつつあるのが要因と見てよいだろう。

2011年はクーポンがメインコンテンツともいえる日曜版でも、恐らくは電子版の展開により、発行部数が増加する動きを見せた。クーポンの利用比率までは今資料からはつかみ取れないが、多分にクーポンの利用もまた、デジタル派が増加しているものと思われる。

とはいえチラシによるクーポンのニーズが無くなるわけでは無いのもまた事実。特に中高齢者は紙媒体としての新聞(、そしてクーポン)を好むことも、日曜版を支える要因となる。今後ニーズがますます増加する、そして表現力に長けたデジタル形式の配信と(クーポンの面でも、特にモバイルとの間で)うまく連動するような仕組みを構築できれば、日曜版は朝刊よりも高い安定度を維持しつづけるに違いない。

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