2016年6月の熱中症での病院搬送者は3558人、前年同月比では526人多い値に

2016/07/21 05:00

総務省消防庁は2016年7月15日付で、同年6月の熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによれば同年6月における熱中症による救急搬送者は3558人となった。前年の同月の値である3032人と比較すると、526人の増加となる。一方、搬送者の年齢階層別では同一条件下で比率算出が可能な2010年以降で比較すると、高齢者(65歳以上)の全体比は中期的に増加しているが、前年比では2.2%ポイント減の48.1%を計上する形となった(【消防庁:発表リリース一覧ページ】)。

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今年の6月は沖縄・奄美から東・西日本にかけて平均気温が高く、中旬に限れば北日本も高い形となった。また沖縄・奄美では下旬は太平洋高気圧に覆われる機会が多く、日照時間も多く、さらに南から暖かい空気が流れ込みやすい環境となったことから、統計取得開始以降ではもっとも高い気温を記録している。実際、沖縄県の搬送者数も6月限りでは249人となり、都道府県別では第2位の大阪府の209人を40人も上回る形でトップとなっている。

今回の発表によれば、2016年6月の全国における熱中症による救急搬送人員は3558人。昨年2015年は3032人、よって約17%の増加となる。

↑ 熱中症搬送人員(2010-2016年、各6月、人)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2016年、各6月、人)

↑ 熱中症搬送人員(2010-2016年、各6月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2016年、各6月、人数比)

過去の同月と比べると新生児・乳幼児、少年、成人は多少のぶれを見せながらも全体としては減少傾向にある。高齢者も数は減っているものの、減少度合いは中堅層までと比べるとやや穏やかで、全体比率を算出すると逆に増えている結果となっている。これは高齢者の人数そのものが増加の一途をたどっており、気候状況などで熱中症リスクの軽減が生じても、母数が増えていることで人数の減少度合いがおとなしめになってしまった結果による。

もっとも直近年では前年比で成人の搬送者数が大幅に増加。結果として比率も増加し、高齢者比率は再び5割を割る形となった。

搬送時の初診傷病程度は次の通り。人数は毎年の搬送者数全体に寄るところが大きくまちまちだが、比率で見ると大よそ継承が2/3前後、中等症が3割で推移している。2011年以前と比べると軽症者比率がやや増加し、その分中等症以上の重傷患者比率が減っているのが見受けられる。軽症の時点で搬送の判断ができたと解釈すれば、状況の改善が成されたと見て良いだろう。患者の発生数そのものの減少だけでなく、発生・状況確認時の症状の軽減もまた、熱中症対策の上では求められる要素であるからだ。現在ではこの比率から動きを見せる様子はないが、今後も中長期的な視点から、油断することなく早期発見・早期対策を果たし、さらなる軽症者比率の増加が求められよう。

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2016年、各6月、人)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2016年、各6月、人)

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2016年、各6月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2016年、各6月、人数比)

ちなみに各症状の具体的内容は次の通りとなる。

軽症:入院を必要としない程度

中等症:重症または軽症以外の病状

重症:3週間の入院加療を必要とするもの以上

死亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「軽症」と「重症」の容体を比較した上で勘案すると、「中等症」とは「3週間未満の入院を必要とするもの」と判断できる。つまり「重症ほどではないが、搬送時には相当状態が悪化しており、入院措置が必要な状況」。本人の無理がたたった、または他に誰もいない環境下で気を失い、第三者による発見が遅れたことが想定できる。見方を変えると2016年6月の該当期日においては、ほぼ2/3の熱中症による救急搬送者は入院をせずに済んだことになる。

自分自身への注意を怠りなくするのと共に、異常を感じたらすぐに水分補給、涼しい場所への移動、楽になる姿勢を保つなど各種対応を行うのは常識論のレベル。それと同時に身の回りに体力の不安な人(療養中や病症で通院中の人)、身体の衰え(老化)などの理由から適切な反応が期待できない人が居る時には、積極的に声をかけるなどして、熱中症の発生を極力防ぐ姿勢を望みたい。

なお今回の確定報により、2010年分以降で比較が可能な6月分以降の累積搬送者数に付き、2016年6月1日から6月31日における搬送者数総計は3558人となった(当然月次と同じ)。

↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2010-2016年)(各年6月の累計)
↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2010-2016年)(各年6月の累計)

報告書では注意事項として「今後、梅雨明けとともに、気温が上昇してくる可能性が高いため、「こまめに水分補給をする」「暑さを避ける」「暑さに負けない体力をつける」など、引き続き十分な熱中症予防対策が必要です」とし、今後気温の上昇に伴う熱中症発症への注意喚起を行っている。

熱中症への対策は、多分に身体の健康管理そのものにもつながる話。これまでの経験、情報を有効に活かし、体調全般を管理する視線で自分の、そして周囲の体を気遣い、その中で熱中症に対する注意と配慮をしてほしいものである。


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