アメリカ一番中国二番…各国再生可能エネルギーの発電量動向をグラフ化してみる(2015年)

2015/07/15 11:00

国際石油資本BP社では毎年、公式サイト上にエネルギー関連の動向をまとめた白書「Statistical Review of World Energy」を公開している。そこには主要国の多彩なデータが盛り込まれており、エネルギー関連の状況を把握するのには、大変有意義な資料となる。記事執筆時点では2015年6月10日付で発表された【Statistical Review of World Energy 2015】が最新のものだが、今回はこのデータを用い、各国における太陽光発電や風力発電などで構成される、再生可能エネルギーの発電量動向を見ていくことにする。

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アメリカが断トツ、中国が続く


今資料では最新の2014年分だけでなく1965年以降における、各再生可能エネルギー発電所による発電・消費量推移を、エネルギーとしての石油換算で算出し、計上している。今回は最新値において数字(石油換算100万トンを1.0)が1.0以上のものについて具体的にグラフに反映することにした。なお「再生可能エネルギー」とは風力発電、地熱発電、太陽光発電、バイオマス発電、廃棄物発電などを指す。水力発電は別途計上されており、今件には含まれていない。

さてまずは、最新データの2014年における上位国、そして全世界の再生可能エネルギー発電・消費全量に占めるシェアのグラフを形成する。エネルギー関連では常に上位についているアメリカ合衆国が、今件でもトップ。シェアにして2割強を占めている。

↑ 再生可能エネルギー発電所発電による電力消費量(2014年)(100万トン(石油換算))(1.0以上、国名判別分のみ)
↑ 再生可能エネルギー発電所発電による電力消費量(2014年)(100万トン(石油換算))(1.0以上、国名判別分のみ)

↑ 再生可能エネルギー発電所発電による電力消費量(2014年)(全世界量比)
↑ 再生可能エネルギー発電所発電による電力消費量(2014年)(全世界量比)

アメリカの65.0(×100万トン石油換算)は、同国の原発発電量189.8の約1/3に相当する。内訳としては風力発電の割合が大きく、約2/3を占める(41.6)。

アメリカに続くのは中国。これは後述するが、同国での再生可能エネルギーの加速度的な伸びによるところが大きい。もっとも同国ではそれ以外のエネルギー生成量(、そして当然ながら、あるいはそれらの原因としてエネルギー消費量)も急増しているので、特に珍しいものではない。

第3位はドイツ、そしてスペインが続く。両国が上位についているのは、太陽光発電の国策的な電力買取によるところが大きい。もっともこの国策も【買い取り制度の廃止で大きく揺らぐ、ドイツの太陽光発電市場の現状】などにある通り、国家財政と健全なエネルギーバランスの維持の上ではプラスをもたらさないとの認識が強まり(例えば「国の買い取り制度」も結局は国民の負担が増えるだけ)、大幅な軌道修正を行っているため、今後もこの順位を維持できるかは不確か。

昨今の動向を経年で確認


これを2014年の上位国などから抽出する形で、2001年からの(つまり今世紀の)推移を眺めたのが次のグラフ。

↑ 再生可能エネルギー発電による電力消費量(2001-2014年)(100万トン(石油換算))
↑ 再生可能エネルギー発電による電力消費量(2001-2014年)(100万トン(石油換算))

アメリカでは国策としてエネルギー創出に対する関心が高く、各方面の再生可能エネルギーに対する研究も盛んにおこなわれている(昨今のシェールガス・オイルの開発も良い例)。絶対量はともかく、この成長ぶりが、同国のエネルギーに対する熱意を表している。

他方ドイツやスペインの伸びは直上で示したように、主に太陽光発電エネルギーの固定買取制度によるもの。しかし加速する財政的負担に、技術進歩によるコストダウン・安定性の増大が追い付かず、国の財務状態を悪化させることとなり、制度そのものが行き詰っている。今後において、これまでの伸び率が維持できる可能性は低い。実際、スペインは横ばいにシフトしている。

インドや中国も、ここ数年間で高い伸び率を示している。特に中国は大きな上昇カーブを描いており、2011年にはドイツを抜いて世界第二位に躍り出た。これは両国の経済発展に伴い、エネルギーの必要性が急増したことによるもの。再生可能エネルギーに限らず、他のこれまでの記事にある通り、他の主要エネルギーもまた、続々と生産・消費量を積み増している。

なお、これらの再生可能エネルギーが、各国の発電・消費電力においてどの程度の貢献をしているかについては、以前別資料を基にして展開した記事【主要国の電源別発電電力量の構成をグラフ化してみる(最新)】を参考にしてほしい。


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