公衆電話総数は約18.4万台…公衆電話の設置数推移をグラフ化してみる(2015年)

2015/08/04 08:00

総務省は2015年7月28日、2015年版の【情報通信白書】を公開した(【発表リリース:平成27年「情報通信に関する現状報告」(平成27年版情報通信白書)の公表】)。構成要素の一部は「通信利用動向調査」の結果を元にしているが、他にも色々な資料や調査を元にしており、有意義な内容となっている。今回はその掲載データの中から、携帯電話に押される形で数を減らしつつある公衆電話の台数の変移について、最新の値をも合わせてグラフ化し、現状の確認を行うこととする。

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「公衆電話」は言葉通り「公衆」の「電話」であり、少なからずの数が電話ボックスに収められる形で随所に配され、誰もが有料で利用できるインフラとして提供されている。また最近では公共の場にまとまった形で配され、身近な情報交換手段として用意されている(役場や医療機関などの公的機関ではよく見かけるはずだ)。他には緊急時に救急車や警察を呼ぶための拠点としての意味合いもある。

電気通信事業法施行規則によれば、公衆電話は社会生活上の安全及び戸外での最低限の通信手段を確保する観点により、市街地(国政調査結果による人口集中地区)では500メートル四方に1台、それ以外の地域(世帯や事業所が存在する地域)では1キロ四方に1台は設置することが求められている(【電気通信事業法施行規則:第十四条のニ】)。

しかし「いつでもどこでも電話が使える」公衆電話の役割は、携帯電話の普及と共にその立場を奪われる形となり、需要・利用率も漸減。利用率の低下は売上の低下につながり、採算が合わなくなる対象も増加。結果として設置台数も減らされつつある。また、1999年に変造テレホンカード対策として登場したICカード型の公衆電話も、公衆電話そのものの利用率の低下でICカードの普及も進まず、結局2006年3月末で廃止されてしまう。

2015年3月末時点における日本国内の公衆電話総数は18万3655台。去年の19万5514台からさらに約1.2万台・6.1%の減少である。

↑ NTT東・西日本における公衆電話設置構成比推移(-2015年3月末)
↑ NTT東・西日本における公衆電話設置構成比推移(-2015年3月末)

上記の解説に加え白書側でも「携帯電話の急速な普及により、公衆電話の利用が減少していることが背景にある」と解説されている通り、この減少は携帯電話の普及に伴うもの。今後携帯電話の普及率がさらに上昇し、幅広い世代に浸透するにつれ、公衆電話の必要性はますます低くなり、採算性の問題もあり、台数が減っていくことは容易に想像ができる。

この状況について【総務省の「国内における公衆電話の利用動向に関する調査結果」(PDF)】などによれば「高齢者の利用度が高い」「緊急時において必要となる」「ユニバーサルサービス制度によって(赤字でも)維持が義務付けられている」などの理由もあり、「減少傾向は避けられないが、最低限必要数は維持される」ことが確約されていると説明されている(上の「電気通信事業法施行規則」もその裏付け)。

このうち「緊急時において必要となる」に関しては、2011年の東日本大地震・震災の際に、他の通信インフラが途絶した状態の中、公的機関などに設置・開放された公衆電話を使い身内や知り合いと連絡を取り、肌身を持って実感した人も少なくない。これはNTTが設置する公衆電話は、発信規制や接続規制が行われた際にも優先して通信が行なえる「優先電話」と同様の扱いを受けているためである(【災害時優先通信(総務省)】)。

↑ 優先電話の仕組み(総務省解説ページから抜粋)
↑ 優先電話の仕組み(総務省解説ページから抜粋)

今後は「インフラとして必要な公衆電話数の適切数」の検討、さらには「緊急時の保険的通信手段としての役割」が再確認された上で、公衆電話の管理維持が求められよう。同時にこれまで以上に、代替手段としてますます重要視される携帯電話のインフラとしての脆弱性について、さらなる努力による状況改善が要求されるのは言うまでもない。


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