40年近くのサラリーマンおこづかい推移をグラフ化してみる(2015年)

2015/07/16 10:00

【前年比で2000円近い下げ…2015年のサラリーマンこづかい事情(2015年)(最新)】などにある通り、新生銀行は2015年6月29日付でサラリーマンのこづかい事情などを解説する定点観測調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版を発表した。一方同社では2012年に同調査の長期間に渡る動向を確認可能な白書を公開しており、昔からの調査結果を知ることができる。そこで今回はそれらの値を用い、長期的な視野で見たサラリーマンのおこづかいの推移を精査していくことにする(【新生銀行・おこづかい調査一覧】)。

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1979年当時の水準には届かないおこづかい


次に示すのは、「サラリーマンこづかい事情」で公開されている限りのサラリーマン(正規社員としての就業男性)における月額のおこづかい推移。さらには公開値としてはもっとも古い1979年のこづかい額を基準値の1.00とし、その額と比較した指標としての推移もグラフ化した。グラフの形状は同じになるが、変移の観点では後者の方が分かりやすい。

↑ サラリーマンおこづかい動向(円)(-2015年)
↑ サラリーマンおこづかい動向(円)(-2015年)

↑ サラリーマンおこづかい動向(-2015年)(1979年の額を1.00とした場合)
↑ サラリーマンおこづかい動向(-2015年)(1979年の額を1.00とした場合)

最高値は1990年の7万7725円。1979年比で6割強のプラス。一方最低額は1982年の3万4100円。

30年間の推移を記した白書では、今動向について

・2001年までは収入と相関

・前年の日経平均株価に相関

・2000年以降は消費者物価指数に相関

との傾向分析を行っている。今世紀に入ってから収入との相関関係が見られなくなったのは、こづかいが収入の減収幅よりも大きな下げ幅を示しているからとのこと。また数年前まではデフレが継続していたので、こづかいが減額されてもかろうじて耐えられていたとの言及もある。

もっとも直近の2015年の報告書に関する分析記事でも触れている通り、こづかいが足りなくなった時の対応方法として「我慢する」との回答率がもっとも高い状況が続いており、精神面で留意する必要があることに変わりはない(【サラリーマンのこづかい防衛作戦】)。

↑ こづかい不足の際のねん出方法(サラリーマン、上位5位変移、複数回答)(-2015年)(再録)
↑ こづかい不足の際のねん出方法(サラリーマン、上位5位変移、複数回答)(-2015年)(再録)

消費者物価の変動を考慮してみる


以上は単純な金額ベースでの比較。そこで今度は実質購買力の変化を見るため、消費者物価指数を考慮に入れる。【過去60年余にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる】で用いた値をベースとし、1979年の数値を基準に、各年のお小遣い額を実質購買力で修正する。例えば同じ金額1万円がおこづかい額だったとしても、1979年から2015年の間に物価が2倍に跳ね上がっていれば、実質的な2015年のおこづかいの購買力は(1979年ベースで)5000円分でしかなくなってしまうといった理屈。

20世紀末以降は消費者物価指数の動きに大きな変動は無く、むしろ直近ではやや減少する動きすら見せている。それでも1979年の値と比べると色々な流れが見えてくる。

↑ サラリーマンおこづかい動向(-2015年)(1979年の額を1.00とした場合)(消費者物価指数考慮)
↑ サラリーマンおこづかい動向(-2015年)(1979年の額を1.00とした場合)(消費者物価指数考慮)

額面ベースでは1979年の6割強増しだった1990年も、実は消費者物価指数の上昇に伴うものであり、実質的には2割強の増加でしかなかったことが分かる。それと共に今世紀に入ってからはしばしば、金額ベースでは最低額だった1982年をさらに下回る実質購買力でしかない値をつけていることも把握できる。「デフレが継続しているのでこづかいが少なくなっても何とかなっている」のは事実だが、元々の実質購買力が低いため、その下げ幅が小さい程度の慰めにしかならない。またここ一、二年はデフレ脱却の施策が効き始めており、物価も上昇する気配を見せているが、こづかいはそれに追いついていない感は否めない。

さらに昨今では各自が痛いほど実体験している通り、おこづかいの内訳として飲み代や昼食代以外に、携帯電話代の存在が無視できないもの、圧迫感を増すものとなりつつある。自らのおこづかいに関してサラリーマンは、より一層の工夫が求められそうだ。


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