日雇い、短期、そして自営業…雇用期間や形態別の平均世帯所得金額をグラフ化してみる(2015年)

2015/07/09 08:00

厚生労働省が2015年7月2日に発表した平成26年版(2014年版)の「国民生活基礎調査の概況」では、多くの視点から国民生活の基本事項を確認することができる。今回はその公開資料を元に、雇用期間や形態別の平均世帯所得の動向を確認していくことにする。雇用契約期間による所得の違いは、実態としてどの程度生じているのだろうか(【発表ページ:平成26年 国民生活基礎調査の概況】)。

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今調査の調査要件及び注意事項は、先行記事の【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる】で解説しているので、そちらを参照のこと。

次に示すのは、直近2013年分(今調査最新分は2014年に実施されているため、1年を通した所得=年収が確認できるのは2013年分となる)における、雇用期間や形態別の平均世帯年収。全世帯とは【世帯当たりの平均所得金額推移をグラフ化してみる】でも精査している、今調査の調査対象母集団全世帯における平均。雇用者世帯は給料や賃金を受けている世帯(自営業者や年金生活者のみの世帯は該当しない)。常雇用者世帯は契約期間の定めが無いか一年以上の雇用者世帯となる。

↑ 雇用期間・形態別平均世帯所得(万円)(2013年)
↑ 雇用期間・形態別平均世帯所得(万円)(2013年)

全世帯が528.9万円なのに対し、雇用者世帯はそれよりも高く、それぞれ650.9万円となる。これは全世帯では年金生活者や仕送りによる生活者も含まれるため。特に昨今では年金を主な所得とする高齢者世帯が増加しているため、全世帯平均値は減少する傾向にある。

また雇用期間別で見ると、常雇用者世帯が680.2万円なのに対し、1か月以上1年未満契約は426.0万万円、日々・1か月未満では303.4万円と明らかな差異が生じる。これは短期間契約による雇用が1年を通して行われている=就業できる=所得が発生するわけではないことを意味する。

自営業はその内容によって所得の額もケースバイケースとなることは容易に想像できるが、少なくとも今調査の限りでは、平均値として算出されているのは574.9万円。全世帯よりは多いが、常雇用者世帯よりは少ない。

これをデータが取得可能な1985年分以降について、その変化を見たのが次のグラフ。

↑ 雇用期間・形態別平均世帯所得(万円)
↑ 雇用期間・形態別平均世帯所得(万円)

一部イレギュラーが生じている年もあるが、今回精査した仕切り分けにおいては、大よそ所得の順位に違いは無い。日々・1か月未満契約雇用者世帯がもっとも低く、次いで1か月以上1年未満契約、自営業者、そして常雇用者世帯の順。雇用者世帯の値が常雇用者世帯に近しいのは、世帯数において日々・1か月未満契約雇用者世帯や1か月以上1年未満契約が少なく、常雇用者世帯が多分を占めるため。

他方、経年変化で見ると、常雇用世帯や自営業は前世紀末あたりまでは順調な伸びを示していたが、それ以降は漸減。今世紀に入ってから100万円前後のダウンが確認できる。常雇用者は正規・非正規共に該当するため、非正規雇用者の増加が平均額を押し下げたと考えれば道理は通る。

常雇用でない雇用者は意外にも所得額の減退は見られない。やや上下に振れている面もあるが、むしろ漸増しているとも受け止められる。とはいえ、常雇用者世帯と比べれば額面的には低いことに違いは無い。生活の上での苦境さは否定できまい。


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