低迷続く市場観指標、5か月連続低下…野村證券、2016年6月分の個人投資家動向発表

2016/06/16 14:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2016年6月16日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2016年6月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から続く形で下落し、26.4を示すこととなった。株価の先行きに関しては弱い上昇への見込みが少々増えたものの、中程度・強い上昇見込みが減り、下落見込みは弱い下落が大幅に増加、回答当時における今後の株価予想が弱気感の中にある状況を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2016年6月6日から6月7日に行われたもので、男女比は82.5対17.5。年齢層は60代以上がもっとも多く35.0%、次いで50代が30.2%、40代が25.3%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く29.5%、500-1000万円未満が16.8%、5000万円以上が14.5%と続いている。回答者の投資経験年数は10-20年未満が最高比率で30.6%、次いで20年以上が30.0%。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で45.7%と4割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が27.7%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は26.4ポイント。前回から4.8ポイントの下落で先月から続く流れ。この時期、日経平均株価は前月比で360円強の上昇を示していたが、その時点において今後は下落を予想する人が増えた形となる。市場の低迷感はぬぐえない、再び失速するのでは認識だったのだろう。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で63.2%。前月分の65.6%からは2.4%ポイント下落。こちらも投資指数同様の動きを示している。「2000円以上上昇」「2000円程度上昇」「2000円程度下落」「2000円以上下落」の回答率が前月から減り、「1000円程度上昇」と「1000円程度下落」が増加し、特に「1000円程度下落」は大きく上昇。市場観が弱気な様子がうかがえる。

・市場に影響を与え得る要因としては「為替動向」が最大要因だが回答率は低下。「国内政治情勢」が大きく増加したが順位は前月から変わらず「国勢情勢」に続く第3位。

・魅力的な業種は「医薬品」「通信」「資本財・その他」「消費」の順で、ここまでがDIではプラス。そして「素材」「運輸・公共」「自動車」「電気機器・精密機器」「金融」はマイナス圏。「金融」は大規模なマイナス圏内のポジションを維持。金利政策の影響が「金融」カテゴリ銘柄に関する限りでは、投資家心理にはマイナスとなったのが良くわかる状態ではある。

・ドル円相場に対する見通しはやや円高を予想する声が増加。他方、大きく円安への動きを見通す意見も増加。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」の値が大きく減り、「日本円」と入れ替わる形となった。そして「オーストラリアドル」が続く。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、「イギリスポンド」がわずかにマイナス、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はマイナス43.9をつけている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「海外株式」、そして「金」。「国内投資信託」はこの数か月の間、大きく値を落としている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンクグループ(9984)
3位……イオン(8267)
4位……武田薬品工業(4502)
5位……ソニー(6758)

鉄板のトヨタ自動車はいつも通りの順位だが、円高を受けてかいくぶんいつもより得票数が少なく100を割っている。またソフトバンクグループが第2位に入っているが、これは今回のアンケート調査の直前に、同社が保有しているアリババ・グループ・ホールディングやガンホーの株式を売却するのが伝えられたことを受けてのものだろう。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月ではその姿は確認できない(7票未満の得票しかない)。安定感の強さが株価にも連動しうる要因ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。



今年に入ってから中国市場の急落、原油市場の低迷、さらに為替市場の急激な円高化と欧州における金融危機の再燃リスクの露呈など、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も軟調状況が続いている。昨今ではさらにイギリスのEU離脱懸念を受けてポンドが大きく売られる、それを機会にリスク回避の流れが生じており、為替、株式市場共に厳しい状態に陥っている。

次回の調査時期までに市場動向が持ち直しの機運を持つにいたるのか、それともなお低迷が続くのか。無論前者であることが望ましいのだが。


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