世代別就業地位区分をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)

2011/07/28 06:00

先に【30代後半男性の1/3強は未婚・世代別未婚率の推移をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)】で示したように、2010年の国勢調査の速報が発表され、【一部のデータが開示されていた】。そこで主に人口絡みの記事で、国勢調査の結果を基に作成されていたものについて、データの更新を先日まで逐次行っていた。今回は【諸外国の老人人口比率の推移をグラフ化してみる(2010年国勢調査反映版)】に続き、関連しそうな事項で参考になるデータとして、「就業者の就業地位区分の比率」のグラフ化と内容の精査を試みることにする。

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2010年における15歳以上の就業者は男性3333万5000人、女性2495万9000人。この就業者という区分には、一般雇用者(雇われている人)以外に役員、雇人のある業主(個人事業主など)、雇人の無い業主(ライターなど一人で活動している個人事業主)、家族従業者などがある。詳しい区分は【解説ページ】にある通りだが、今回の国勢調査から幾分分類が変更されているので、改めて表記する。

・雇用者……会社員・工員・公務員・団体職員・個人商店の従業員・住み込みの家事手伝い・日々雇用されている人・パートタイムやアルバイトなど、会社・団体・個人や官公庁に雇用されている人で、次にいう「役員」でない人

・正規の職員・従業員……勤め先で一般職員又は正社員と呼ばれている人

・労働者派遣事業所の派遣社員……労働者派遣法に基づく労働者派遣事業所に雇用され,そこから派遣されている人

・パート・アルバイト・その他……(1)就業の時間や日数に関係なくも「パートタイマー」,「アルバイト」又はそれらに近い名称で呼ばれている人
(2)専門的職種に従事させることを目的に契約に基づき雇用され、雇用期間の定めのある「契約社員」や、労働条件や雇用期間に関係なく、勤め先で「嘱託職員」又はそれに近い名称で呼ばれている人

・役員……会社の社長・取締役・監査役、団体・公益法人や独立行政法人の理事・監事などの役員

・雇人のある業主……個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護士などで、雇人がいる人

・雇人のない業主……個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護士・著述家・家政婦などで、個人又は家族とだけで事業を営んでいる人

・家族従業者……農家や個人商店などで,農仕事や店の仕事などを手伝っている家族

・家庭内職者……家庭内で賃仕事(家庭内職)をしている人

いわゆる「非正規雇用」は「パート・アルバイト・その他」「労働者派遣事業所の派遣社員」が該当することになる(「契約社員」は「労働者派遣事業所の派遣社員」内に区分されていることに注意)。

それでは早速まずは、世代別・性別で人口比率のグラフを生成する。

↑ 就業上の地位、年齢階層、男女別15歳以上就業者比率(2010年)
↑ 就業上の地位、年齢階層、男女別15歳以上就業者比率(2010年)

ざっと見で確認すると、男性は6割強が正社員、1割強が非正規社員。残りは役員や個人事業主、家族従業者。女性は正社員4割足らず・非正規社員4割強と非正規社員の割合が大きいが、これは30代以降に急増する「パート・アルバイト」が多数を占めている。

男女別に精査すると、

●男性
・働き盛り(30-50代)の正社員率は7-8割、非正規社員は1割足らず。
・40代後半からサムライ業など個人事業、役員の割合が増加する。
・60歳以降は正社員として残っている人はさほど多くなく、嘱託などで在職する人、役員として勤める人、個人で事業をする人など人それぞれの職模様が見て取れる。

●女性
・正社員率は20代後半がピーク。あとは漸減。
・20代後半以降は、いわゆる結婚退職などで派遣社員として勤めたり、パートやアルバイトに就く人が増加する。
・派遣社員率は20代後半-30代前半がピークで、あとは漸減。一方パート・アルバイトは30代前半から増加を続け、60代前半でピークとなる。
・65歳以上は役員が1割足らずの他、個人事業主として活躍するなど、男性同様の職模様がかいまみられる。ただし家族従業者の比率が3割以上ともっとも多く、夫の手伝いをしているものと想定される。

などの特徴が見えてくる。20代前半はともかく、20代後半以降の非正規社員比率が想像以上に低く、やや驚かざるを得ない。世間一般には下にあるような、全体・男性・女性区分のグラフが示され(場合によっては全体のみ)、正社員率の低さが提起されるからだ。

↑ 就業上の地位、男女別15歳以上就業者比率(2010年)
↑ 就業上の地位、男女別15歳以上就業者比率(2010年)

しかし上の図と合わせて見ると、男性は正社員率が2/3近くに違いは無いが、非正社員率は1割強で、残りは役員や自営業。女性は正社員率が4割足らずでしか無いものの、非正規社員のカウントの大部分は中堅以降のパート・アルバイトでなされているのが理解できよう。

最後にオマケ的な図ではあるが、最初のグラフを比率ではなく人口換算で、積上げ式のグラフにしたのが次の図。女性のパート・アルバイト率の高さがあらためて見て取れる。

↑ 就業上の地位、年齢階層、男女別15歳以上就業者数(2010年)(万人)
↑ 就業上の地位、年齢階層、男女別15歳以上就業者数(2010年)(万人)

また、男性シニア層の独立独歩な姿勢(オレンジ色部分の増加)も確認できる。

なお今件は就業者を対象としており、比率計算も就業者がベースとなっている。当然失業者などは含まれていないので、その点を確認した上で見定めていただければ幸いだ。

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