やや値を落とし、販売量は増加…田中貴金属、2018年通期における投資用金地金などの取引量を発表

2019/01/23 11:28

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2019-0123田中貴金属は2019年1月22日、同社における2018年通期(1月から12月)の投資用金地金、プラチナ地金の販売量と買取量の数値などを発表した。その内容によれば金価格はドル高の進行とともに下落を続け、年平均の日本国内小売価格は前年比で33円安の4543円/グラムとなった。また(田中貴金属側による)金の販売量は増加し前年比で35.7%の増となった。金の買取量は20.7%減少している(【田中貴金属公式サイト】)。


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リリースによれば2018年通期における金の平均価格は1グラムあたり4543円(税別、以下同)。昨年の平均価格4576円/グラムを33円ほど(マイナス0.7%)下回ることとなった。

↑ 田中貴金属における金(Gold)の販売・買取量指数と金価格(指数は2001年の販売量を100とした時の値)(-2018年)
↑ 田中貴金属における金(Gold)の販売・買取量指数と金価格(指数は2001年の販売量を100とした時の値)(-2018年)

2018年通期の金価格動向は次の通り。夏頃まではアメリカ合衆国の景気の堅調さや金利上昇に伴いドル高が進み、トルコ関連の報道などを受けて新興国通貨が大幅に下落したことからドル高が加速し、その結果、8月17日には年間最安値の1176.70ドル/oz までドル建て金価格が大きく下落。それを受けて日本国内金価格も8月16日に2018年最安値となる4207円/グラムにまで下落した。

9月には連邦公開市場委員会(FOMC)においてアメリカ合衆国が2018年では3度目の利上げを実施したことで一時ドル高となるが、その後は不安視されてきた米中貿易摩擦の加熱や、それに伴うアメリカ合衆国経済の減速懸念が台頭しドルは下落。その影響からドル建て金価格は上昇に転じるも、10月以降は欧州経済・政情の先行き不透明感や英EU離脱問題などでユーロが対ドルで弱く推移すると、金価格は上値の重い展開となっている。

金地金の売買動向だが、前年と比べ、田中貴金属側から見た販売量、つまり一般客の購入量は35.7%増。田中貴金属側から見た買取量、すなわち一般客による販売量は20.7%の減少を示している。金価格が低下したことも要因だが、世界情勢の不安定感が実物資産としてゆるぎない金(きん)への注目を高めた結果と考えられる。

今後の金価格だが、日米欧など主要国の金融政策や株式市場の好調を受けて生まれる余剰資金の動き、世界的な地政学リスクに対する警戒感・不安感の状況に影響を受けると考えられる。

↑ 金税込小売価格(田中貴金属、グラムあたり円、月次平均)
↑ 金税込小売価格(田中貴金属、グラムあたり円、月次平均)

今世紀に入ってから上昇が続く金価格。安全資産との認識がますます強くなっているようだが、国際情勢に大きな影響を受けやすいのもまた事実(為替にも影響を受けるが、為替もまた国際情勢の影響で大きく動く)。見方を変えれば、金価格の動向から各種情勢の気配を感じ取ることもできよう。その観点でも、金価格の値の動きには注目したいところだ。


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