中高生はインターネットで何をしているのか、どれだけお金をかけているのか(2016年)(最新)

2016/07/12 11:24

パソコンの世帯ベースでの普及率の向上、スマートフォンの爆発的な浸透に伴い、子供でも気軽にインターネットへのアクセスが可能となった昨今。当然インターネットを介して多種多様なサービス・機能を利用することになる。しかし収入源が限られている子供達にとって、有料のウェブサービスは利用に難儀することもある。今回は金融広報中央委員会「知るぽると」が5年おきに実施している、小学生から高校生を対象にした金銭に係わる様々な問題を対象にした調査「子どものくらしとお金に関する調査」の調査公開結果をもとに、中高生のインターネットの利用実情や、そのサービスを使う場合における有料・無料の使い分けの実情を確認していく(【知るぽると:子どものくらしとお金に関する調査】)。

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トップは調べもの、次いで動画を見たり情報交換


今調査の調査要項は先行記事【中学生・高校生のおこづかい額をグラフ化してみる(2016年)(最新)】を参考のこと。

冒頭の通りパソコンやスマートフォンの環境整備に伴い、インターネットを介した多様なサービスを容易に利用できるようになった昨今。具体的には子供達はいかなるサービスを使っているのか。設問が用意されていた中高生のみではあるが、インターネット利用者(中学生は全体の88.7%、高校生は94.2%。無回答除いて再計算、利用機種は問わず)に複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。

↑ インターネットの利用目的(中学生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)
↑ インターネットの利用目的(中学生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)

↑ インターネットの利用目的(高校生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)
↑ インターネットの利用目的(高校生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)

中高生共にトップの利用目的は「調べもの」でほぼ全員。調べる理由は多種多様(勉強、趣味、テレビを観ている際の疑問解消など)だが、調査ツールとしてインターネットが欠かせない存在となっていることが分かる。次いで中学生では「動画閲覧」「ゲーム」「友達との情報交換(LINEなどの利用)」「音楽をダウンロードする」が続くが、高校生では「友達との情報交換」が上位に入り、「動画閲覧」が続く。中学生では動画やゲームなどのエンタメツールとしての利用が多く、高校生になると友達との情報交換のための活用が増えることが分かる(通話による電話利用も高校生では2/3に近しいが、中学生では5割に届かない)。

「ネットショッピングの利用」は中学生で2割強、高校生では4割近く。少なからぬ子供達がすでにネットショッピングを活用している実態が把握できる。「ツイートする」とはツイッターの利用のうち自分のアカウントを持ち、そのアカウントで発言する積極利用を意味するが、中学生では1/4、高校生では5割強に登る。

興味深いのは「メールをする」の項目。要は電子メールの活用だが、中学生ですでに4割強でしかなく、「友達との情報交換」よりも低い値に留まっている。高校生になると「友達との情報交換」「ツイートする」さらには「電話をする」よりも低い。電子メールの利用が、中高生の間でも優先順位が低くなっている実態が把握できる。

利用は有料か無料か


昨今ではデジタルコンテンツを中心に、無料で利用できるスタイルのものが増えたため、その環境に慣れてしまい、特に若年層において物理的存在で無いもの、目に見えないものに対価を支払うことをとりわけ嫌う、無料が当たり前であるとし、創り手の労力を無視する、ないがしろにする傾向が強くなっているとの指摘がある。その実情が分かるのが次以降のグラフ。

インターネットで利用できる各サービスに関して、無料で使っているか有料で利用しているかを聞いた結果。該当サービスを利用していない人は当然無料・有料の区別のしようがないため、利用率が把握できるグラフと、有料・無料の仕切り分けを認識できている人に限定した利用実態を再計算したグラフを併記する。

まずは中学生。

↑ インターネットの利用目的(中学生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)(利用料金別)
↑ インターネットの利用目的(中学生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)(利用料金別)

↑ インターネットの利用目的(中学生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)(利用料金別)(各サービス利用者限定、「分からない」を除いて再計算)
↑ インターネットの利用目的(中学生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)(利用料金別)(各サービス利用者限定、「分からない」を除いて再計算)

留意点としては、これらの回答はあくまでも回答者の認識によるもので、中には思い違いによるものと見られる回答もある。例えば「調べものをする」は検索エンジンの利用ならば原則無料であるが、何か勘違いして有料と回答した人も少数確認できる。「ツイートする」も明確回答者内で3.7%が有料のみ利用、21.6%が無料・有料双方との結果が出ているが、ツイッターの利用は無料で行えるため、首を傾げてしまう。一部有料のクライアントアプリが出ているのでそれを使っており、その点で有料と判断したのか、あるいは広告が出ているのを覚えておりそれで有料と考えたのかもしれない。

ともあれ、サービス利用者の大部分は無料で利用していることに違いは無い。課金をしないと閲覧できないものもある映画や動画、音楽、小説などの芸術系コンテンツ、有料サービスや課金によるアイテム取得のケースがあるゲーム、恐らくは購入時の支払いを有料利用と認識して回答したオークションの参加では有料のみ・無料と有料双方の回答率がそれなりにあるが、それでも5割を超えることがない。

高校生でも状況はさほど変わらない。

↑ インターネットの利用目的(高校生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)(利用料金別)
↑ インターネットの利用目的(高校生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)(利用料金別)

↑ インターネットの利用目的(高校生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)(利用料金別)(各サービス利用者限定、「分からない」を除いて再計算)
↑ インターネットの利用目的(高校生)(インターネット利用者限定、複数回答、2015年)(利用料金別)(各サービス利用者限定、「分からない」を除いて再計算)

コミュニケーションを多用するため「電話をする」はやや有料利用が多くなるが、それ以外は大よそ無料の利用率が中学生よりも高くなる。誤認回答が少なくなっているのだろう。また、数少ない例外として「ネットショッピング」では有料利用率が中学生よりも高いが、これは閲覧のみで終えたり冷やかしの利用では無く、実際に商品のやりとりをするケースが高校生では多いと見れば納得はできる。



本文中でも触れた通り、インターネットでは多彩な機能を無料で取り扱えることから、サービスは無料が当たり前で自分達の権利であり、有料は許し難い暴挙であるとの刷りこみが経験の積み重ねでなされてしまう事例が増えている。インターネットの普及浸透は間違いなく創作者にとってはプラスではあるが、対価の点ではある意味マイナスに働いているのかもしれない。

たとえ物理的なモノが目の前に無くとも、デジタルによる情報の集合体であっても、それを創るのには多くの人の労力が注ぎ込まれており、空から降ってきたものでは無く、相応の対価が必要になることを、改めて啓蒙する必要性があるのかもしれない。


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