9年ぶりに600円台へ手が届く…サラリーマンの昼食代事情(2015年)(最新)

2015/07/02 11:00

多くのサラリーマンにとって「昼食代」は自分のこづかいの出費先として、そして数少ないお楽しみの時間を充足させる重要な要素として、注目に値する金銭的な要素に違いない。ある意味テレビや新聞で見聞きする数々の経済的な指標以上に身近で生活に密着する、ウェイトの大きな金銭面での数字ともいえよう。今回は新生銀行が毎年定点観測的に調査・報告をしている「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版(2015年6月29日発表)などを元に、そのサラリーマンの昼食代事情について、少し掘り下げる形で経年変化や属性別の動向を確認していくことにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣いは過去2番目に低い金額-「2015年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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9年ぶり600円台突入・3年連続上昇


今調査の調査要件などは先行解説記事【2015年のサラリーマンこづかい事情】にある。そちらを確認のこと。

物価がほぼ横ばいで推移する中、サラリーマンの昼食代は今世紀に入ってから漸減。この数年間は500円台前半で横ばいを維持していた。いわゆる「ワンコインランチ」(500円玉一枚で購入できる昼食との意味。実際にはもう数十円必要)状態が継続中だった。しかしここ数年は景況感の回復、そして2014年に入ると消費税率の引き上げや円安基調に伴う物価の上昇を受け、トレンドも上向きに転じる形となっている。

↑ サラリーマンの1回あたりの平均昼食代(弁当持参時をのぞく)(勤務日)(円)(-2015年)
↑ サラリーマンの1回あたりの平均昼食代(弁当持参時をのぞく)(勤務日)(円)(-2015年)

直近の2015年は数年来の上昇機運がさらに加速され、600円台を回復。1コインランチとの表現から脱することとなった(あえていえば2コインランチか)。

この上昇には2014年4月の消費税率引き上げに伴う食品の値上げが影響するとの解説も見受けられるが、税率が5%から8%に引き上げられるのに伴い上昇する税込価格は単純計算でプラス2.86%。【過去60年余にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる】でも解説している消費者物価指数において、食料部門に限って指数を比較すると2014年平均では103.4、2015年(5月時点)は107.2のため、単純計算でもプラス3.68%。前年の541円に消費者物価指数を考慮した金額を算出すると561円となるため(541×1.0368)、やはり物価の上昇以上に昼食への重点投入が成されていることが分かる。

これを属性別に見たのが次のグラフ。

↑ サラリーマンの1回あたりの平均昼食代(弁当持参時をのぞく)(勤務日)(円)(2015年、属性別)
↑ サラリーマンの1回あたりの平均昼食代(弁当持参時をのぞく)(勤務日)(円)(2015年、属性別)

従来属性別では未婚の方が既婚よりも昼食代は上だった。ところがこの数年では逆転現象が起きている。もっとも今年は既婚男性においても内情が詳しく公開されたため、その実情を確認すると、既婚で子供がおらず共働きをしている世帯に限り、既婚者の方が昼食代が高い結果が出る状況であることが分かった。要は収支の上で余裕がありそうな世帯ほど、昼食代にも上乗せが期待できる次第。既婚者で子供が居るが、配偶者が専業主婦の場合は、平均昼食代金は544円となり、各属性別では一番低い金額に留まっている。

世代別では若年層ほど高く、歳を経るに連れて額が下がっている。過去の事例では大よそ年上ほど高額を示していたので、意外な感はある。もっとも今年は40代から50代で大きなこづかいの減額が起きているため、それを受けての昼食代節約の結果が数字となって表れたのかもしれない。

昼食内訳を詳しく見てみる


先日【サラリーマンのこづかいと昼食代の微妙な関係】で、過去における昼食内容の内訳を確認した。持参弁当を食する場合がもっとも多く、購入弁当が続いている。

↑ 平均的な一週間の昼食(勤務日)における昼食回数の内訳(-2015年)(再録)
↑ 平均的な一週間の昼食(勤務日)における昼食回数の内訳(-2015年)(再録)

これを直近2015年分・上位三項目について、主要属性別に見たのが次のグラフ……としたいところだが、今回の発表分にはその部分の開示が無い。世代別は示されているが、特に大きな変化は見られない。そこで参考値の領域に留まるが、前年2014年の値をグラフ化する。

↑ サラリーマンの昼食内訳(2014年、一部)
↑ サラリーマンの昼食内訳(2014年、一部)

未既婚別では未婚者は外食・購入弁当が多く、持参弁当が少なめ。既婚者は持参弁当が未婚者の2倍近くで、外食や購入弁当など費用がかかるものが少なめ。無論持参弁当を利用する理由は「節約」だけでなく、配偶者に愛情を感じてほしいこと、健康志向など他の理由もある。

一方、既婚者で子供のあるなし別では、子供がいる方が持参弁当率がやや高め。子供向けの弁当を作る際に一緒に配偶者用のも作るのが常であることを考えれば、納得のいく結果ではある。



「昼食代は600円台」「持参弁当は既婚者の方が多く4割近く」。現在のサラリーマンの昼食事情はこのようにまとめることができる。物価上昇なども一因だが、昼食代が上昇してきたことは、良い傾向に違いない。今後はさらなる増額を果たし、サラリーマンの昼食にもこれまで以上の選択肢をもたらし、彩りを添えてほしいものだ。


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