サラリーマンのゆとり感をおこづかい面から眺めてみる(2015年)

2015/07/02 08:00

心理的な状態の一形態を表す「ゆとり」との言葉は、それに付随する文言により多種多様な意味合いを持つ。物事の考え方、他人とのやりとりにおける精神面、そして金銭勘定の上での余裕のあるなし。今回は新生銀行が毎年定点観測的に調査発表している「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版(2015年6月29日発表)をもとに、「おこづかい」の観点からサラリーマン諸氏のゆとり感を確認していくことにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣いは過去2番目に低い金額-「2015年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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こづかい面からの生活ゆとり感、若年層がやや余裕あり


今調査の調査要件などは先行解説記事【2015年のサラリーマンこづかい事情】にあるので、そちらを確認のこと。

さて男性サラリーマンの2015年における平均月額こづかい額は3万7642円となり、前年比で2000円近い下落を示したのは、先の記事でお伝えした通り。

↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2015年)(再録)
↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2015年)(再録)

それではそのおこづかい額で、サラリーマン諸氏は「生活のゆとり感」をどの程度感じているのだろうか。「大いにゆとりあり」「まあまあゆとりあり」「やや苦しい」「大変苦しい」の4選択肢から一つ選んでもらい、前者二つを「ゆとり派」、後者二つを「苦しい派」として集計した結果が次のグラフ。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2015年)(「大いにゆとり」「まあまあゆとり」を「ゆとり派」、「やや苦しい」「大変苦しい」を苦しい派)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2015年)(「大いにゆとり」「まあまあゆとり」を「ゆとり派」、「やや苦しい」「大変苦しい」を苦しい派)

おこづかいの額面の上では前年から大きく減退した40代と50代、特に額面そのものでも各世代中一番低くなった40代が、ゆとり面でも一番厳しい状況となり、心理状況がストレートに反映された結果となっている。

特に40代はこの数年に渡り、一連の調査ではこづかい額は一番低い額にある。前年2014年では大幅増額がなされ、50代に続き高い額面を見せる結果が出たものの、「ゆとり感」は最低ラインだった。それが今年は大幅に減ってしまったのだから、苦しいとの回答率も大きくなるのは当然の話ではある(前年は苦しい派は63.7%だった)。

40代では消費しなければならない対象は多く、さらに子供が相応な年頃のため、自分の懐から出費しなければならない事案も増え、精神面でのプレッシャーも大きいのだろう。そして見方を変えれば20代・30代は未婚者が比較論として40代以降と比べれば多く、また住宅を購入していない事例も多々あるため、これも心理的な支え、余裕感の創出に結びついていると考えられる。

一方で見方を変えれば、どの世代でも押し並べて5割から6割は「おこづかいが苦しい」との感想を抱いている。上を見渡せばきりがないが、昼食代や遊興費など日々の消費の中で、お財布事情の厳しさを覚え、多分にストレスを感じている人が多数いることになる。

前年は大きく減った「ゆとり派」だが…


サラリーマンのこづかいは額面上は横ばい、あるいは漸減しているが、そのこづかい額で生活上のゆとりを感じる人は「中期的には」増えているように見える。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2015年)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2015年)

こづかいの使い道のトップを行く「昼食代」は「ワンコインランチ」時代が続き、雑誌や新聞などもあまり買わなくなり、ニュースなどの情報取得もスマートフォンなどのモバイル端末で済ますようになる。低消費生活に慣れ、少ないおこづかいの中でもやりくりをしてゆとりを覚えるようになっているのかもしれない。

前年の2014年はおこづかい額は増えたにも関わらず、ゆとり派が大きく減った。これは当時の調査期間が消費税率引上げ直後であったことから、心理的なプレッシャーを多分に感じさせた結果と判断できる。今回の2015年ではおこづかい額の大幅減少などもあったが、ゆとり派は幾分増加している。もっとも上記の通り中堅層以降の苦しい派が大きな影響を与えており、ゆとり派の増加は最小限に留まっている。

2012年に発表された、過去30年分のデータを収録した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」で確認すると、中期的には「大変苦しい」「大いにゆとり」が漸減し、「まあまあゆとり」が漸増、「やや苦しい」が横ばいの動きを示している。サラリーマンが購入する物品の価格変動ややりくり、ライフスタイルの変化が、「まあまあゆとり」派を増やし、結果としてゆとり派増加の動きを見せているのだろう。

とはいえ全体では未だに「苦しい派」が過半数にあることに違いはない。特に40代以上や既婚者の圧迫感が大きいのが気になる。

↑ 2015年におけるゆとりがある層と無い層の世代構成比
↑ 2015年におけるゆとりがある層と無い層の世代構成比

各世代で均等にゆとりのあるなしが分散しているのなら、双方ですべて25.0%ずつの区分になるはずだが、ゆとり派では30代までで56.2%なのに対し、苦しい派では45.6%しかいない。それだけ中堅層以降に苦しい派が多いことが改めて確認できる。

またゆとり派のうち未婚者は46.1%、苦しい派は42.5%。全体では44.0%であることから、いくぶん未婚者の方がゆとりを感じている人の割合が多いことになる。

中堅層以降、既婚者はおこづかい以外でもストレスの多い属性であるのを考えると、せめて金銭面でもう少し状況の改善を願いたいところではある。


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