日本や諸外国の高齢者における結婚状況をグラフ化してみる(最新)
2019/08/24 05:30


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今調査は5年毎に行われているもので、最新分は2015年9月から12月にかけて日本、アメリカ合衆国、ドイツ、スウェーデンにおいて、60歳以上の男女(老人ホームなどの施設入所者は除く)に対して調査員による個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は各国とも1000件強。それぞれ男女別・年齢階層別・地域・都市規模などを元にウェイトバックが行われている。
まずはストレートに、調査対象国における男女別の、質問時の結婚の状態。相方(配偶者やパートナー)と同居状態にあるか、健康や介護の事情で別居状態にあるか、仲違いなどの理由で別居したり離婚しているか、相方はすでに亡くなっているか、そして結婚経験がまだ無い人か、おおよそこれらの状況のいずれかであることから、現状について択一回答で答えてもらっている。

↑ 結婚の状況(60歳以上、国別・男女別)(2015年)
注意しなければならないのは、今調査は当然回答者が生存しているのが前提で、しかも老人ホームなどに入居していない人であるため、健康寿命が長い女性の方が男性よりも一層高齢者率が高いこと。例えば日本の場合、85歳以上は男性37.6%、女性62.4%の比率となっている。元々男女比率は成人以降では女性の方が多いのだが、年を取るに連れ差は開いていく。
従って、どの国でも男性より女性の方が「相方は死去」の回答率が高い。他方、「別居・離婚」の率も男性より女性の方が高い値を示しているが、男性の定年退職とともに女性側から離婚をする「定年離婚」的なケースが、どの国でも一定率存在するということだろうか。あるいはセカンドライフにおいては、互いに縛られない自由な生活を過ごしたいとの思惑もあるのかもしれない。
国別では男女ともに日本の同居率の高さが目に留まる。男性に限れば8割以上が相方と同居している。ドイツがやや近い値だが、それでも7割に届かないと比べると大きな違いではある。日本の平均寿命が長いことと合わせ考えると、国による高齢層におけるライフスタイルの違いが透けて見えてくる。日本の高齢男性は相方の女性に頼りがちとの話もあるが、数字の上ではそれは確かなようだ。
日本において男女合わせた値ではあるが、年齢階層別に見ると次の通りとなる。

↑ 結婚の状況(日本、60歳以上、年齢階層別)(2015年)
当たり前の話ではあるが、回答者は生存している以上、相方が亡くなっている可能性は回答者の年齢が上になるほど増加する。60代前半では7.5%のみだった「相方は死去」も85歳以上では半数を超える。見方を変えれば、子供や孫、サポーターがいない限り、この半数以上の人は一人暮らしをしていることになる。
余談ではあるが、国別・年齢階層別に見た、「結婚経験無し」の人の割合。現在結婚状態に無く、離婚した人では無いことに注意。

↑ 結婚の状況(60歳以上、「結婚経験無し」の割合、国別・年齢階層別)(2015年)
中には異性と同居・同棲などの経験がある人もいることが予想されるが、結婚状態になった経験が無く60歳以上の人は、これだけ存在することになる。60代前半でもアメリカ合衆国とスウェーデンでは1割を超え、日本でも7.5%確認できる。年を取るに連れて回答率が低下するのは、今は昔と比べて結婚にこだわる人が減っているからなのか(≒今後継続調査をすれば各年齢階層の値は漸次増加していく)、結婚経験が無く同居人がいない可能性が高い人は死亡リスクが高く、回答に加わることができなくなるのか(≒今後継続調査をしても各年齢階層の値は変わらない)、今件調査結果からのみでは推測すら難しい。
少なくとも現状で分かるのは、より年上ほど、結婚未経験の人の割合は少ない事実のみである。
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