高齢者はインターネットやスマホをどの程度活用したいと考えているのだろうか(2015年)

2015/06/18 08:00

情報通信技術をIT(Information Technology)と呼ぶが、利用目的の多くがコミュニケーションにあることから、最近ではインターネットそのものやスマートフォンなどの端末まで含めてICT(Information and Communication Technology)と呼ぶことが増えている。それでは時代の先端をひた走るICT(技術)を、高齢者はどの程度活用したいと考えているのだろうか。今回は「高齢社会白書」が多数の引用元として用いている、内閣府が2015年3月に発表した「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査」の結果を元に、高齢者におけるICTの活用意向について確認していくことにする(【高齢社会対策に関する調査結果一覧】)。

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歳を経るに連れてICT離れが進む


今調査は2014年12月4日から26日にかけて層化二段無作為抽出法によって選ばれた国内に住む60歳以上の男女に対し、郵送配布・郵送回収形式で行われたもので、有効回答数は3893件。

次に示すのはICT……では分かりにくいことも予想されるためか、インターネットやスマートフォンなどの情報端末について、買い物や仕事、学習などの日常生活のツールとして使いたいか否か、利用意向を尋ねた結果。全体では4割近くが利用を希望し、5割近くは望んでいない。判断の留保も2割近く確認できる。

↑ ICTの活用意向(2014年)
↑ ICTの活用意向(2014年)

利用意向を持つ人は少数派で、必要性を覚えない人の方が多い。概論的な話で具体的な個別項目を挙げれば賛同する人も増えてくるかもしれないが、全般的にはこのような意識であると見れば良いだろう。

男女別では男性の方が高い。これはかつて使っていた人が多かったからだと思われる。そして年齢別ではきれいな形で、歳を経るほど意向保有者が減る傾向を示している。意向を持たない人も歳と共に増加するが、一方で「分からない」とする評価も増えていくのは興味深い。判断ができるだけの情報そのものを取得できない、理解していない可能性は多分にある。

同居人や就業形態でICT利用意向は変わるのか


続いて複数の仕切り分けで意向の変化を確認していく。まずは回答者世帯の同居人別。

↑ ICTの活用意向(2014年)(同居形態別)
↑ ICTの活用意向(2014年)(同居形態別)

単身世帯よりは複数人世帯の方が利用意向は強い。特に本人と親の世帯では高い値を示している。これについては理由がいくつか考えられるが(なぜ利用したいかの具体的理由は今件では問われていない)、一つは具体的移動をせずに物事が行えるICT技術を用い、回答者自身だけでなく親のあれこれの負担を少しでも和らげたいとするもの。

そしてもう一つは、調査対象母集団が60歳以上であることから、親と同居しているとなれば、当然回答者自身は60歳以上の仕切りの中でも比較的若い世代であることは容易に想起でき、世帯構成そのものが原因では無く、回答者の年齢が多分に影響しているのではとするもの。恐らくは後者によるところが大きいのだろうか。

最後は就業形態別。

↑ ICTの活用意向(2014年)(現在の就業形態別)
↑ ICTの活用意向(2014年)(現在の就業形態別)

農林漁業、非正規、在宅就労、無職では意向が低く、正社員と役員では高め。個人事業や在宅就労で低い値が出るのはやや意外な気がする。もっとも、詳しい解説は別の機会に譲るが、利用意向はほぼ現在の利用状況と連動しており、現在の労働環境下におけるICTの利用実態が、そのまま意向にも反映されたものと思われる。



先行するいくつかの記事でも言及しているが、身体の衰えや社会環境の地域における過疎化に対し、問題解消の一つの手立てがICTであることに違いは無い。より多くの人に活用を願いたいが、現状はなかなか難しそうだ。

いかに使いやすく、分かりやすく、手軽に常用できるかを、関連サービスの開発・提供サイドは真剣に考察する必要があるのだろう。


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