花見需要で食料品はそこそこ、衣料品は気温低下で鈍く、住関品もイマイチ…2016年4月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス0.7%

2016/05/23 15:00

早くも夏の暑さを覚えさせるような天候が続く今日この頃。チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2016年5月23日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2016年4月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2016年4月は食料品ではお花見の需要などを受けてそれなりに良い動きを示したものの、衣料品が中旬以降の気温低下に従い軟調さを示すようになり、住関品は月を通してイマイチな動きを示したことから、結果として売上総額の前年同月比はマイナス0.7%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の57社・9404店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で4店舗減、前年同月比で42店舗増加している。売り場面積は前年同月比96.8%となり、3.2%ポイントの減少。売り場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス1.2%を示す形となった。販売金額には消費税額は含まれていないため、それだけ面積当たりの業績が向上していることになる。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0602億0960万円(前年同月比99.3%、▲0.7%)

・食料品部門……構成比:64.2%(前年同月比101.2%、△1.2%)

・衣料品部門……構成比:8.7%(前年同月比95.5%、▲4.5%)

・住関品部門……構成比:21.3%(前年同月比97.1%、▲2.9%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比95.3%、▲4.7%)

・その他…………構成比:5.5%(前年同月比93.9%、▲6.1%)

※販売金額には消費税額は含まず

中旬以降に気温低下で
衣料品が伸び悩み。
食料品は大よそ堅調だが、
住関品の不調も相まって
補完しきるまでには
至らず。
食料品では農産品は果物もあわせ大よそ堅調。不調なのはたまねぎ、きゅうり、にんじんなどごく一部だった。先月不調だったキャベツも今月は好調。畜産品は加工肉や鶏卵以外は大よそ堅調。精肉の好調さはここ数か月変わらない動きだが、これまで堅調だった鶏卵が今月では「鈍かった」の評価を下されている。水産品はカツオやいか、塩鮭、ちりめん、魚卵などが軟調。

惣菜は中華や洋惣菜は不調だったもののそれ以外は大よそ堅調。これで過去6か月連続していた「リリース上に記載されたすべての品目が堅調で、軟調なものは特に掲示されない」との惣菜の好調連続記録が断たれることとなった。とはいえスナックや揚げ物、焼き物などフライヤー商品は概ねよく動いている。コンビニ業界の月次報告でもここしばらくは惣菜の堅調さが特記事項として記されており、中食需要が喚起されている感は強い。その他の食品では乳製品や水物、冷凍食品は不調だが、乳酸発酵飲料や飲料、アイスクリーム、米などが好調。

衣料品では中旬以降に気温が低下したことを受けて春物が鈍い動き(月ベースでの平均気温は全国各地で平年差と比べて高かったが、降水量は多めで、下旬の低下は春物のセールスには大きな痛手となったようだ)。個別項目の列挙の限りでは、紳士衣料では好調な種類の方が多かったが、婦人衣料やその他医療では同等、むしろ鈍い動きをした種類の方が多く見受けられる。例えば婦人衣料ではシャツ、ロングスカート、アンクルパンツ、カットソーが堅調とされる一方で、フォーマル、ジャケット、ブラウス、ジーンズ、Tシャツなどが鈍い動きだったと説明されている。

住関品ではテレビゲームや文具類などが好調。他に九州・熊本の地震を受けてか、ステンレスボトルや防災関連商品が順調。他方、男子玩具や弁当箱などは鈍い。医療・化粧品ではマスクや殺虫剤などが順調だが、掃除・洗濯用品、ヘアケア、芳香剤などが鈍い。家具・インテリアではリビング家具や収納家具が好調。家電製品では電池などが良く売れたが、テレビなどが鈍い。また電動アシスト自転車やフィットネスなどは良く動いた。

「その他」項目は前月から続き軟調さを示し、マイナス6.1%。サービスは4.7%と大きなマイナスで、旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われ、回復が難しい状態にあることがうかがえる。中期的な軟調さが見て取れる。

今回計測月では九州・熊本地震の影響に伴う需要の増加が随所で見られたが、全体の値を底上げするには至らなかった。逆に自粛ムードに伴う消費減退が見られなかっただけ良しとすべきかもしれない。一方で今後、九州地域を産地とする一部農産物における需給の変動の可能性は否定できない。今後どこまで影響が生じるか、注意深く見守りたいところではある。


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