首都圏、中型物件人気高か?…賃貸住宅の成約家賃動向をグラフ化してみる(2015年12月発表分)

2015/12/19 13:00

賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」では半年ごとに同協会公式サイトにて、【賃貸住宅景況感調査日管協短観】を更新・公開している。その最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2015年度上期(2015年4月から2015年9月)」が2015年12月15日付で公開された。今回はこの公開値などを基に、賃貸住宅管理会社が管理する物件で賃貸契約が成約した際の、家賃の動向について状況の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

賃貸物件を間取りで「1R(ワンルーム)-1DK(1部屋+ダイニング+台所)」「1L(リビング)DK-2DK」「2LDK-」の3タイプ、要は小型・中型・大型に区分。それぞれの物件で個々の管理会社における成約時の家賃が「前年同期」(今回ならば2014年上期)と比べてどのように変化したかを尋ねた結果が次のグラフ。全体的には「増加」よりも「減少」回答者が多く、3割近い値を示している。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2015年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2015年度上期、前年同期比)

個々の管理会社で賃料が増加、つまり上がった状態で契約した事例が前年同期と比べて多数を占めたとの回答は16.7%。減少回答は28.3%を占め、流れとしては家賃の下落現象が見受けられる。「変化なしが約5割」と安定感があるとの解釈もできるが、後述するDI値はマイナス圏にあることも合わせ、需給の観点では賃貸住宅の供給過多による値下げ傾向が続いていることが分かる。見方を変えれば「借り手優勢市場」。

間取り別では中型がいくぶん大人しく、むしろ「増加」の方が多い。需給関係を勘案すれば、中型物件に人気が集まり、高めの物件でも成約する事例が多かったことになる。他方、小型・大型の間取りではやや大きな減少ぶりが見られる。

これを首都圏・関西圏・その他地域に対象領域を区分し、それぞれの圏限定で値を確認したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2015年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2015年度上期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2015年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2015年度上期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(その他)(2015年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(その他)(2015年度上期、前年同期比)

緑よりもオレンジ部分の面積が大きい、つまり「家賃増加」よりも「家賃減少」とする回答が多く、家賃の下落が起きていることには違いない。

部屋の間取り別では首都圏では一様に増加、つまり貸し手市場化が進んでいる、関西圏では大型物件ほど需要が高まり、小型は敬遠される(≒借り手市場になる≒賃貸料金が下がる)動き、その他地域では中堅物件に人気が集まっている状況がうかがえる。それぞれの地域で賃貸住宅需要の差異が生じており、それが賃料の動向にも表れているようで興味深い。

これらの動きを分かりやすくするため、DI値(「増加」から「減少」を差し引いた値)を算出したのが次のグラフ。参考までに前半期で算出した値も同時に掲載しておく。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2015年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2015年度上期、前年同期比)

↑ (参考)賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2014年度下期、前年同期比)
↑ (参考)賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2014年度下期、前年同期比)

前半年期では関西圏で1LDK-2DKが大きくプラスを示したのみで、それ以外はすべてマイナス。それと比べて今期ではいくつかの属性でプラスを示し、賃料状況に変化が生じていることが分かる。また、全体でこそマイナスだが首都圏は個別ではマイナス値は無く貸し手優勢市場の機運があること、中堅物件が比較的引き合いが強いことなどが見て取れる。前半年期で「家賃下落の動きの収束化の動きが起きている」とコメントしたが、その通りの動きが継続しているようだ。

需給変化は物件の規模、地域によって差異が生じているものの、確実に起きている。次半年期もこの傾向は続きそうだ。


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