低迷続く市場観指標、4か月連続低下…野村證券、2016年5月分の個人投資家動向発表

2016/05/20 04:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2016年5月20日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2016年5月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から続く形で下落し、31.2を示すこととなった。株価の先行きに関しては弱い上昇への見込みが増えたものの、中程度・強い上昇見込みが減り、下落見込みは一様に増加、回答当時における今後の株価予想が弱気感の中にある状況を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2016年5月9日から5月10日に行われたもので、男女比は83.5対16.5。年齢層は50代以上がもっとも多く33.7%、次いで60代が31.1%、40代が26.4%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く30.4%、500-1000万円未満が17.7%、3000万円-5000万円未満が13.3%、5000万円以上が11.4%と続いている。回答者の投資経験年数は10-20年未満が最高比率で32.8%、次いで20年以上が28.9%。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で46.5%と4割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が26.9%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は31.2ポイント。前回から4.2ポイントの下落で先月から続く流れ。この時期、日経平均株価は前月比で90円強の上昇を示していたが、その時点において今後は下落を予想する人が増えた形となる。市場の低迷感はぬぐえない、再び失速するのでは認識だったのだろう。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で65.6%。前月分の67.7%からは2.1%ポイント下落。こちらも投資指数同様の動きを示している。「2000円以上上昇」「2000円程度上昇」の回答率が前月から減り、「1000円程度上昇」と「1000円程度下落」「2000円程度下落」「2000円以上下落」が増加し、市場観が弱気な様子がうかがえる。

・市場に影響を与え得る要因としては「為替動向」が大きく伸びて最大要因に。「国際情勢」は大きく減って第2位に後退。

・魅力的な業種は「医薬品」「資本財・その他」「通信」「運輸・公共」「消費」の順で、ここまでがDIではプラス。そして「素材」「電気機器・精密機器」「自動車」「金融」はマイナス圏。為替レートの変動を受けてか「自動車」は大きく減退。「金融」は大規模なマイナス圏内のポジションを維持。金利政策の影響が「金融」カテゴリ銘柄に関する限りでは、投資家心理にはマイナスとなったのが良くわかる状態ではある。

・ドル円相場に対する見通しは円高を予想する声が増加。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、「イギリスポンド」がわずかにマイナス、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はマイナス44.5をつけている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」、そして「金」。先月「金」と「国内投資信託」の順位が入れ替わったが、今回もその状態を維持。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ANAホールディングス(9202)
3位……イオン(8267)
4位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
5位……武田薬品工業(4502)

鉄板のトヨタ自動車はいつも通りの順位だが、円高を受けてかいくぶんいつもより得票数が少なく100を割っている。またANAホールディングスが第2位に躍進しているが、これはアンケートの回答日の少し前にあたる4月28日に発表された決算が堅調(1円増配、次期通期の見通しは横ばいだが直近四半期は経常損益、売上営業利益率共に改善)だったことによるものだろう。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月ではその姿は確認できない(7票未満の得票しかない)。安定感の強さが株価にも連動しうる要因ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。

なお前回月まで2か月連続で続いていた「元資料には上位32銘柄・7票以上の得票を得た銘柄が記載される枠が用意されているが、その枠が余る事態」は生じなかった。割安感を覚える銘柄が増えてきたのかもしれない。



今年に入ってから中国市場の急落、原油市場の低迷、さらに為替市場の急激な円高化と欧州における金融危機の再燃リスクの露呈など、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も軟調状況が続いている。昨今では原油価格と為替動向が東京市場の大きな変動要因と見て良いほど。

次回の調査時期までに市場動向が持ち直しの機運を持つにいたるのか、それともなお低迷が続くのか。無論前者であることが望ましいのだが。


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