新入社員ですら「定年まで勤めたい」は3割強、1年経過すると…!?(2015年)

2015/05/06 14:00

日本の終身雇用制度的慣習も薄れつつあるとはいえ、正規・非正規雇用問題や社会保障の観点も合わせると、多くの就業者は自ら門戸を叩いた企業に長年勤めたいと考えている。一方、就業してからの企業の実態を知るに及び、長期間の就業は難しい、転職や転業を考えたいとする人も多い。今回はソニー生命保険が2015年4月15日に公開した、新社会人に対する意識調査結果を基に、新社会人と、就業してから1年が経過した準新社会人における、就業企業への就業希望年数を確認していくことにする(【発表リリース:社会人1年目と2年目の意識調査2015】)。

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今調査の調査用件は先行記事【新社会人への「つうこんのいちげき」となる言葉とは!?】を参考のこと。

それこそ腰掛け的に転職を前提として入社をした人なら別だが、多くの人は新社会人として企業などに入社を果たし、長きに渡り就業を続けたいと考えている、はず。今調査対象母集団のうち社会人1年生に、最初に就職した会社でどれくらいの期間働きたいかを聞いた結果が次のグラフ。意外にも定年まで・定年後も働きたいとする人は3割程度に留まっていた。

↑ 最初に就職した会社でどのぐらいの期間働きたいと思うか(単一回答)(社会人1年生)(2015年)
↑ 最初に就職した会社でどのぐらいの期間働きたいと思うか(単一回答)(社会人1年生)(2015年)

ボリュームゾーンは5年前後で、2年から10年位の間に4割強が収まっている。回答者は20代前半のはずだから、定年退職までの期間が間近にひかえているので継続就業希望期間が短くなるとの話でもない。企業に対する忠誠心、就業し続けたい想いはさほど強くは無いようだ。さらに入社直前・直後(質問をしたのは3月中旬)の時点で、すでに7.8%の人が「既に辞めたいと考えている」と答えている。何か色々と複雑な事情があるのだろうが、就業を果たせない人から見れば「もったいない」という言葉しか浮かんでこないに違いない。

これが就業してから1年が経過した、社会人2年生となると、大きく心境は変化する。

↑ 最初に就職した会社でどのぐらいの期間働きたいと思うか(単一回答)(社会人2年生)(2015年)
↑ 最初に就職した会社でどのぐらいの期間働きたいと思うか(単一回答)(社会人2年生)(2015年)

まず「定年(後)まで働きたい」とする意見が約2割にまで減少する。そして「すでに辞めたいと考えている」との意見が20.0%と大きく上昇、「2-3年位」との意見も増え、辞めたい意向の増加だけでなく、辞めたい時期が前倒しとなっているのが分かる。最初の「1年生」と同一人物による回答では無いので誤差が生じている可能性はあるが、リリースにある「入社前は定年まで勤め上げるつもりでも、入社すると気持ちに変化が生じてしまうことが少なくない」との解説の通り、まさに1年間の就業の中で、転職(少なくとも現在勤めている企業からの離職)の想いをより強く抱かせる事柄が少なからず生じたのだろう。とりわけ、どこまで本気なのか否かはともかく、1年の就業で「この会社は辞めたい」と考えている人が5人に1人はいる実態に、驚く人もいるに違いない。

ちなみに上記2つのグラフの値を比較することで、1年の就業期間に生じた継続就業意欲の変化が分かる。

↑ 最初に就職した会社でどのぐらいの期間働きたいと思うか(単一回答)(社会人1年生から社会人2年生への変移)(2015年)
↑ 最初に就職した会社でどのぐらいの期間働きたいと思うか(単一回答)(社会人1年生から社会人2年生への変移)(2015年)

一部イレギュラーな動きはあるが、概して辞めるまでの期間が短いほど回答値が増え、長くなるほど減る傾向がある。1年の就業の間に、辞めたい気持ちが増幅されていく様子がよく分かる。

今件は新社会人にスポットライトをあてた調査で、社会人1年生と2年生に限定されているが、仮に3年生、4年生……と就業継続年数を重ねて再調査をした場合、どのような値の変動を示すのだろうか。結婚やマイホーム購入など就業継続に関わる要素が加わるため、一概に比較することは難しいが、興味深いテーマではある。

他方、今調査はほぼ同じ条件で1年前にも実施されており、それと比較すると注目すべき動きも見られる。「定年まで働きたい」と「定年後も働きたい」を足した、つまり会社への高い傾注心の度合いを推し量れる値を算出したものだが、社会人1年生・2年生共に、前年よりも高い値が出ている。

↑ 社会人1・2年生の会社定着率(定年まで働きたい+定年後も働きたい)
↑ 社会人1・2年生の会社定着率(定年まで働きたい+定年後も働きたい)

経年調査はまだ2年分のみなので単なる数理的なぶれの可能性もあるが、注目すべき動きには違いない。


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