40年に渡る学校給食費の推移をグラフ化してみる(2015年)

2015/05/12 08:00

運動会や文化祭、遠足のような非日常的イベントはもちろんだが、ほぼ毎日行われる学校行事においても、子供達にとって楽しみなことは多い。その一つが「学校給食」。毎日配膳される給食はバラエティ豊かで栄養にも配慮がなされたもの。毎月配られる献立表を見て、その内容を想像し、胸踊る気持ちになった経験を持つ人も多いはず。一方、その学校給食を利用している子供達自身はもちろん、その保護者にも、学校給食の費用(給食費)は気になる出費の一つではある。今回はその給食費について、過去からの価格推移を見ていくことにする。

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40年で2倍強に上昇


給食費といえば上記にある通り、子供の食生活における「気にかかる負担」であると共に、昨今では【公立学校の給食費未納状況をグラフ化してみる】などで解説しているように、未払い・不払い問題が話題として持ちあがっている。その観点からも、今後何らかの形で学校給食に関して検証が必要な際、具体的な額面を認識しておいた方が理解がしやすくなる。

主要データは【50年前の商品の価格を今の価格と比較してみる】同様に、総務省統計局の【小売物価統計調査 調査結果】から取得したもの。1975年以降の値が確認できるので、それ以降、年次ベースで数字を取得できる2014年分までのもの(東京都区部小売価格)を逐次抽出していく。さらに2015年分は月次で4月分まで確認できるので、その4か月分で平均値を算出し、暫定的に2015年分として取り扱う。

↑ 公立小中学校の給食費推移(月額、円)(1975-2015年)
↑ 公立小中学校の給食費推移(月額、円)(1975-2015年)

学校給食が戦後再開されたのは1946年であるとされている。しかし法律で正式に制定された(学校給食法)のは1954年。小売物価統計調査の公開値として取得できるのは、給食開始(再開)から20年あまり後をスタートとしているため、給食費の全ぼうを確認するのには、不完全な感は否めない。しかし今回取得出来た範囲内で見ても、急激な変化は無く、緩やかな上昇に留まっているようだ。

一番古い値の1975年当時は、小学校低学年で約1800円、高学年で約2000円強、中学校で2300円近く。これが直近の2015年ではそれぞれ3700円強・約4400円近く・4800円強。2倍強に留まっている。消費者物価の動向もこれに近い動きであることを考えると、それなりに健闘しているといえよう。

消費者物価指数の動向を反映させてみる


さて学校給食の場合、単純に額面の移り変わりだけでなく、当時の物価を考慮して考えた場合が良い、とする意見もある。各家計への負担を考えると、単純な価格変動だけでは比較が難しいからだ(40年前の1000円と今の1000円とでは、家計の負担が違うのは言うまでも無い)。

そこで各年の給食費に、それぞれの年の消費者物価指数を考慮した値を反映させることにした。具体的には【過去60年余にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる】で取得したデータを基に、直近の2015年における消費者物価指数をベースとし、過去の各額面を修正していくことになる(いわゆるウェイトバックというもの)。

その計算の上で生成したのが次のグラフ。良い機会でもあり、最古のデータ1975年から直近の2015年に至る変化率も算出し、合わせてグラフにした。

↑ 公立小中学校の給食費推移(月額、円)(1975-2015年)(2015年の値を基に、消費者物価指数を考慮)
↑ 公立小中学校の給食費推移(月額、円)(1975-2015年)(2015年の値を基に、消費者物価指数を考慮)

↑ 公立小中学校の給食費上昇率(1975年→2015年)
↑ 公立小中学校の給食費上昇率(1975年→2015年)

消費者物価指数を考慮すると給食費は1975年以降むしろ漸減、1990年前後からようやく上昇しはじめるも、その上昇幅はゆるやかであることが分かる。1975年からの上昇率は、わずか15%程度でしかない(小学校低学年15%、高学年17%、中学校16%)。給食の内容まで精査すれば、実質的に値上げなどないも同然といえる。金額の上でも実質的には400円から600円台(物価指数反映後における比較)。給食費がいかに「物価の優等生」であるのがうかがいしれよう。


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