携帯電話の普及率現状をグラフ化してみる(2015年)

2015/04/26 10:00

自動車搭載用の電話をベースに単純な持ち運びができる通話用電話機として始まり、ポケットに入るサイズにまで小型化すると共に、インターネットへのアクセスを可能とすることで、機動性の高い情報端末としての役割も果たすようになった携帯電話。昨今では従来型携帯電話に加え、タッチパネル方式で画面も大型化し、アプリケーションの活用によりパソコンに近い機能を有するスマートフォンの浸透普及ぶりが著しい。今回は従来型とスマートフォンそれぞれにおける携帯電話の普及状況について、内閣府が定期的に公開している調査結果【消費動向調査】を基に確認していくことにする。

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単身と一般世帯それぞれ、そして男女別の世帯携帯電話普及率


「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認のこと。また同調査に関する携帯電話関連の精査記事では、以前は【携帯電話普及率の現状(2013年)】の通り「携帯電話」全般での精査を行っていた。しかし2014年調査分から調査項目において「スマートフォン」「スマートフォン以外(=従来型携帯電話)」に細分化したものが追加されたため、今件記事では「スマートフォン」「従来型携帯電話」それぞれを見ていくことにする(全体的な「携帯電話」としての普及率の現状及びその推移は後日、他調査機関の調査結果と共に【複数データを基にした携帯電話の普及率推移】の内容を更新する予定)。

まずは全般的な世帯普及率。単身世帯はスマートフォン29.2%、従来型57.5%。一般世帯はスマートフォン60.6%、従来型69.8%。案外単身世帯のスマートフォン普及率が低いように思えるが、これはシニア層まで勘案対象のため。

↑ スマートフォン世帯主性別普及率(2015年3月末)
↑ スマートフォン世帯主性別普及率(2015年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主性別普及率(2015年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主性別普及率(2015年3月末)

スマートフォンは単身世帯では男性の方が、一般世帯では女性の方が保有率が高い。一方従来型は単身世帯では女性、一般世帯では男性の方が保有率が高い結果が出ている。世帯ベースの話ではあるが、二人身以上の世帯では過半数がスマートフォン持ちで、従来型携帯電話の普及率に近づきつつある状況が確認できる(女性に限ればすでに超えている)。

続いて「保有世帯あたりの」平均保有台数。「保有の有無を問わず全世帯に対する保有台数」では無いので注意が必要。保有実態を把握するには、この値の方が理解しやすい。

↑ スマートフォン世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2015年3月末)
↑ スマートフォン世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2015年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2015年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2015年3月末)

「単身世帯」はスマートフォンも従来型携帯電話もほぼ1台。本人自身しか世帯におらず、同居人の分をカウントすることもない。

一方「一般世帯」ではそれぞれの機種毎に1.5台から2台近い保有状況にある。回答者(世帯主)に加えて配偶者、さらには子供の保有もあるため、その分がカウントされる事例が多い。当然、本人などが複数台保有の場合もあるだろう。

性別、世代別で細分化をしてみる


続いて世代別保有率。さらに世代構成は大まかなまとめになるが男女別の値も用意されているので、それぞれを確認していく。まずは単純な世代別保有率。

↑ スマートフォン世帯主年齢階層別普及率(2015年3月末)
↑ スマートフォン世帯主年齢階層別普及率(2015年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主年齢階層別普及率(2015年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主年齢階層別普及率(2015年3月末)

双方機種で一般世帯の方が保有率が高いのは上記で説明した通り、世帯構成人数の問題。またスマートフォンは若年層、従来型は高齢層の方が保有率が高い。ただし単身世帯では従来型の保有率は60代で頭打ちとなり、70代はやや低い値を示す。これは携帯電話そのものの所有を求めない、利用できない人が増えていることを意味する。

30歳未満でも単身世帯では2割、一般世帯でも3割強は今なお従来型を保有しているが、スマートフォンはそれぞれ8割・9割強の普及率に達している。全体におけるスマートフォンの普及率は単身で29.2%、一般世帯で60.6%であることは上記で記した通りだが、多分に中堅層以降の普及率の低さが全体値を押し下げていることが分かる。

続いて男女別に区分した場合。

↑ スマートフォン世帯主性別・年齢階層別普及率(2015年3月末)
↑ スマートフォン世帯主性別・年齢階層別普及率(2015年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主性別・年齢階層別普及率(2015年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主性別・年齢階層別普及率(2015年3月末)

一般世帯における女性29歳以下が空欄なのは、該当世帯数が4世帯のみで統計的に有効値が取れなかったため。スマートフォンでは単身・一般双方世帯で男性より女性の方が高齢層で高い値を示している。女性が特に好むソーシャルメディア利用のスマートフォンの有用性は良く知られたところであり、またデジカメなど映像機能も充実している。それが影響しているのかもしれない。

スマホは年収で大きく変わる


最後に世帯主年収別普及率。携帯電話の種類別で大きな違いが確認できる。

↑ スマートフォン世帯主年収別普及率数(2015年3月末)
↑ スマートフォン世帯主年収別普及率数(2015年3月末)

↑ 従来型携帯電話世帯主年収別普及率数(2015年3月末)
↑ 従来型携帯電話世帯主年収別普及率数(2015年3月末)

従来型携帯電話は単身世帯でややぶれが生じているものの、概して年収による差異、規則性は見られない。中堅部分でやや低めなのは、スマートフォンへの乗り換えを果たし、従来型は所有しないようになったことが考えられる。

一方でスマートフォンでは単身・一般共に550-750万円までは一様に普及率の上昇が確認できる。金銭的な余裕が生じるに連れて、世帯主自身、あるいは配偶者や子供にスマートフォンを持たせようという気概、あるいは要望を叶えられる余裕が出てくるのだろう。見方を変えれば、スマートフォンは従来型と比べてコストが多分にかかるため、金銭的な余裕が無いと保有が難しいとの推論が導き出される。

なお単身世帯の高年収部分でいくぶんイレギュラーな値……というより750万円以上の区分では漸減する動きが見られる。これは2つの理由があり、一つは対象母体数の少なさから生じたぶれ。右側3区分は左からそれぞれ28世帯・12世帯・8世帯しか回答世帯がいない。さらに単身世帯では多分に高年収=高齢者の事例が多く、結果としてスマートフォンを好まない人が多くなることから、低い値が出たと考えられる。



他の多種多様な調査や保有実態から、さらには携帯電話事業者各社の新作ラインアップからも分かる通り、携帯電話は猛烈な勢いで従来型からスマートフォンへのシフトが進んでいる。しかし単純な通話やシンプルなインターネットアクセス機能で十分とする使い方、需要(コストパフォーマンス的な意味合いも含め)ならば、従来型携帯電話は今なおベストな端末に違いは無い。また子供の防犯用携帯電話としても、従来型携帯電話は重宝されている。

今後もスマートフォンへのシフトは進み、普及率も年々底上げされていく。一方で従来型携帯電話の普及率は漸減を示すことになるが、一定数は維持されるに違いない。


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