低迷継続中…野村證券、2016年4月分の個人投資家動向発表

2016/04/15 05:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2016年4月14日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2016年4月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から続く形で下落し、35.4を示すこととなった。株価の先行きに関しては強弱を問わずに上昇を見込むが減り、下落を見込む意見が増加しており、回答当時における今後の株価予想が弱気感の中にある状況を示している。

スポンサードリンク


今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2016年4月4日から4月5日に行われたもので、男女比は84.1対15.9。年齢層は60代以上がもっとも多く36.6%、次いで50代が32.4%、40代が22.8%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く30.1%、5000万円以上が15.7%、500-1000万円が15.6%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が最高比率で35.6%、次いで10-20年が35.4%。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で42.4%と4割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が28.7%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は35.4ポイント。前回から10.2ポイントの大幅な下落で先月から続く流れ。この時期、日経平均株価は前月比で800円近い下落を示していたが、その時点においてさらなる下落を予想する人が増えた形となる。軟調さが継続するとの認識だったのだろう。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で67.7%。前月分の72.8%からは5.1%ポイントと大きく下落。こちらも投資指数同様の動きを示している。「2000円以上上昇」「2000円程度上昇」「1000円程度上昇」の回答率が前月から減り、「1000円程度下落」と「2000円程度下落」「2000円以上下落」が増加し、市場観が完全に弱気へとシフトしている様子がうかがえる。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示したものの値は減っている。また「国内政治情勢」の値が大きく伸びている。

・魅力的な業種は「医薬品」「資本財・その他」「通信」「運輸・公共」「自動車」「消費」の順で、ここまでがDIではプラス。そして「素材」「電気機器・精密機器」「金融」はマイナス圏。「医薬品」は先月から続き大きく増加したが、為替レートの変動を受けてか「自動車」は大きく減退。一方で「金融」は大規模なマイナス圏内のポジションを維持。金利政策の影響が「金融」カテゴリ銘柄に関する限りでは、投資家心理にはマイナスとなったのが良くわかる動きではある。

・ドル円相場に対する見通しには大きな変化はなし。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、「イギリスポンド」がプラスマイナスゼロ、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はマイナス46.3をつけている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」、そして「金」。先月からは「金」と「国内投資信託」の順位が入れ替わった。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……武田薬品工業(4502)
3位……ソフトバンクグループ(9984)
4位……アステラス製薬(4503)
5位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

鉄板のトヨタ自動車はいつも通りの順位だが、円高を受けてかいくぶんいつもより得票数が少ない。一方4位にアステラス製薬が入っているが、これはアンケートの回答日直前に産業技術総合研究所と抗寄生原虫創薬に関する新たな共同研究契約を締結したことやマレーシアに販社を設立したこと、一部レーティング会社による格付けの引き上げなど、プラスとなるニュースが相次いで報じられたことが要因だろう。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月ではその姿は確認できない(7票未満の得票しかない)。安定感の強さが株価にも連動しうる要因ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。

また、元資料には上位32銘柄・7票以上の得票を得た銘柄が記載される枠が用意されているが、今回月では先月に続き、その枠が余る事態が生じている。つまり7票未満の銘柄が多数登場しているか、あるいは「特に無し」回答が増加したものと考えられる。これまでにはあまり見受けられなかった現象であり、それが2か月も続くとなると、注目せざるを得ない。投資家心理に変化が生じた可能性がある傾向の一つとして、注目しておきたい。



今年に入ってから中国市場の急落、原油市場の低迷、さらに為替市場の急激な円高化と欧州における金融危機の再燃リスクの露呈など、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も軟調状況が続いている。昨今では原油価格と為替動向が東京市場の大きな変動要因と見て良いほど。

次回の調査時期までに市場動向が持ち直しの機運を持つにいたるのか、それともなお低迷が続くのか。無論前者であることが望ましいのだが。


■関連記事:
【定期更新記事:ノムラ個人投資家サーベイ(野村證券投資調査部発表)】(過去記事一覧まとめ)
【原油先物(WTI)価格の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)】
【景気ウォッチャーの指標動向から消費税率改定後の景気行き先を推し量ってみる】
【原油安とロシア、キューバ・アメリカの関係改善のつながり】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー