テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)…テレビ・パソコン・ファックスなど(2015年)

2015/04/24 08:00

テレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機など日常生活を支えるさまざまな家電商品の普及・利用状況について、先に掲載した【エアコン普及率をグラフ化してみる】を皮切りに、内閣府が2015年4月17日に発表した【消費動向調査】の最新版の公開値を基に、多種多様な方面からその現状・動向を精査している。今回はパソコンやファックスをはじめとした家電製品全般について大まかな形で、その普及率などの推移を確認していくことにする。

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薄型テレビは頭打ち? そしてブラウン管テレビ除外の影響が


「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

まず最初には「カラーテレビ」について。相変わらずテレビ全体としての普及率は100%に近い。

↑ カラーテレビ普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(-2015年)(2015年からブラウン管テレビは除外)
↑ カラーテレビ普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(-2015年)(2015年からブラウン管テレビは除外)

↑ カラーテレビ普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(2001年-)(2015年からブラウン管テレビは除外)
↑ カラーテレビ普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(2001年-)(2015年からブラウン管テレビは除外)

有意値の確認ができるもっとも古い年、1966年にはわずか0.3%だったカラーテレビ「普及率」も急カーブを描いて伸び、1972年には61.1%と半数を突破(その前年1971年は42.3%)。1975年には90.3%と「10世帯のうち9世帯までがカラーテレビを保有」の状態になった。以降、99.0%付近を中心に、誤差でゼロカンマ数%の値を上下しながら現在に至る。

なおグラフタイトルにもある通り、2014年分からはブラウン管テレビは回答項目から除外されている。2014年においてわずかに有意な形で下落を示したのは、これが原因と考えられる。実際、直近となる2015年には再び上昇を再開している。この分ならあと数年もすれば、再び99%台に手が届くはずだ。

また「保有世帯における保有台数」も順調な伸びを示していたが、2005年-2007年の2.5台を天上に、昨今ではむしろ減少している。2015年では2.2台/保有世帯(全世帯比ではないことに注意)。少子化による世帯構成人数の減少が影響を与え始めたこと(一人で何台もテレビを有する人など滅多にいない)、そして何より地デジ化への切り替えでテレビの買い替えが一斉に進んだ際、各保有世帯での整理統合が行われた結果と考えられる。

「カラーテレビ」をもう少し詳しく探ってみる。公開データ上では「ブラウン管カラーテレビ」と「薄型(液晶、プラズマなど)カラーテレビ」の2区分について、それぞれ普及率が掲載されていた。2005年以降しか調査されておらず、やや雑なグラフになるが、薄型テレビの急速な普及率の高まり、ブラウン管テレビの処分による低下が確認できる。なお直上にある通り、2014年分からは「ブラウン管カラーテレビ」が回答項目から除外されているため、グラフも薄型は2014年分が記載されているが、ブラウン管は2013年で更新が終了されている。

↑ カラーテレビ普及率(種類別)(一般世帯)(各年3月末時点)(-2015年)
↑ カラーテレビ普及率(種類別)(一般世帯)(各年3月末時点)(-2015年)

↑ カラーテレビ保有台数率(種類別、保有世帯当たり)(一般世帯)(各年3月末時点)(-2015年)
↑ カラーテレビ保有台数率(種類別、保有世帯当たり)(一般世帯)(各年3月末時点)(-2015年)

2010年には「ブラウン管テレビ」と「薄型テレビ」はほぼ同率(それぞれ71.6%・69.2%)となり、以後両者は加速度的に普及率をそれぞれ減退・増加していく。2014年時点では薄型テレビの普及率は9割5分をも超え、ブラウン管テレビはその前年時点で1/5以下にまで低下している。また、保有世帯あたりの台数推移を見ても、2010-2011年に両者の立ち位置の転換が起きた事が分かる。

一方、直近数年間に限れば、「ブラウン管」の減少、「薄型」の増加はそれぞれ穏やかな変移に移行しつつあった。特に「薄型」は保有台数も普及率もほぼ横ばい。現在の平均世帯人数を考慮すると、そろそろピークに達したのかもしれない。

パソコンとファックスの普及率


次に「パソコン」の普及率。このデータはあくまでもパソコン本体(もちろんディスプレイなど、稼動させるために必要な周辺機器を含む)そのものの普及率であり、インターネットに接続している・アクセスできるパソコンの普及率ではない。インターネットの普及率については別の記事を参考のこと。

もちろん現在ではパソコン利用者がほぼインターネット利用者なのは間違いない。しかし一方で、昨今では携帯電話や家庭用ゲーム機でも本格的にネットへの接続ができるため、パソコン利用率=インターネット利用率ではない(普及率から鑑みるに、パソコン利用率<<インターネット利用率)ことも留意しておく必要がある。

↑ パソコン普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(各年3月末時点)(-2014年)
↑ パソコン普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(各年3月末時点)(-2014年)

↑ パソコン普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(各年3月末時点)(2001年-)
↑ パソコン普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(各年3月末時点)(2001年-)

パソコン普及率は1990年後半から急速に上昇しはじめたが、2003年の63.3%で勢いは頭打ち。その後再び上昇を見せるも、70%を超えた付近で再び横ばいの傾向を見せている。昨今では漸増しているが、その伸び方はゆっくりとしたものでしかなかった。携帯電話(従来型、スマートフォン双方合算)の普及率と比べると約20ポイントも低いのが印象的。

またこの数年、保有世帯あたりの保有台数が横ばい、さらには漸減している動きが見られる。これはスマートフォンやタブレット型端末の普及により、インターネットへのアクセス端末をそれらに特化し、パソコンを整備しない世帯事例が増えているのが要因だと推測される。文章の生成をはじめとした業務面をはじめとする各種実務作業にはキーボードを有するパソコンは欠かせないが、ウェブへのアクセスやアプリの利用だけなら、スマートフォンやタブレット型端末で十分代替しうる。さらにタブレット型端末の中にはキーボードを取り付けるなどの仕組みで、ノートパソコンと何ら変わりのない性能を発揮するものもある。

昨今特に若年層におけるキーボード離れ、パソコン離れに関する話題をしばしば見聞きするか、その傾向が消費動向調査にも反映され始まった感はある。普及率の減少は今世紀に入ってからも2005年に一度生じているが、今回の減少が今後継続するものとなるのか否か、来年以降の動きに注目したい。

ちなみにタブレット型端末についてだが、2013年分までは回答者側の判断で、パソコンとして回答している可能性があった。しかし2014年からはタブレット型端末は別途個別項目が用意され、完全に分離しての回答となる。タブレット型端末がパソコンか否かの論議は、少なくとも「消費動向調査」に関してはもはや不要である。

最後に「ファクシミリ」(ファックス)。最近は通信回線の高速化、電子メールの普及に加えて、ソーシャルメディア経由で相手に情報を送る場合も増えている。また、ストレージサービスを活用して大容量ファイルを送ることも珍しくなくなった。ファックスの必要性がこの数年の間に、急速に薄れてきたことは否めない。

↑ ファックス普及率(一般世帯)(3月末時点)(-2015年)
↑ ファックス普及率(一般世帯)(3月末時点)(-2015年)

↑ ファックス普及率(一般世帯)(3月末時点)(2001年-)
↑ ファックス普及率(一般世帯)(3月末時点)(2001年-)

ファックスの普及率は2006年に56.7%に達し「2世帯に1世帯はファックス持ち」を実現。しかしその後は、普及率はほぼ横ばいを継続している。2015年においては56.2%。前年比1.2%ポイントの減。必要性が薄れた状況に違いは無く、新規購入者は減っているだろうが、同時にすでに調達している人がわざわざ廃棄する必要性も無く、普及率は大きな減少も増加もないものと考えられる。



今回更新した諸グラフによる動向からは、特に「カラーテレビ」の普及が他のデジタル系メディアと比べていかに早かったかが改めて確認できる。中でも1960年後半以降の急カーブぶりはほとんど垂直という感すら覚える。また、その「カラーテレビ」ですら、最近は「ブラウン管」から「薄型テレビ」への世代交代が成され、これもまた世間一般の実情を再認識させられる。

ブラウン管テレビの動向を確認できなくなったのは残念だが、地デジ化、さらには消費税率引き上げに伴う駆け込み需要も合わせ、相当数が廃棄されたものと考えられる。ブラウン管テレビには「スマートフォンでなく従来型携帯電話にもメリットがある。だから保有し続ける」のような、携帯電話のような事情も無い。仮に調査項目として存続していたとしても、普及率は良くて1割程度に留まっていたのではないだろうか。


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