利用者19.6%、利用本数62.0本、金額は1万4000円近く…有料動画配信の実情をグラフ化してみる(最新)

2020/06/14 05:29

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2020-0607映像や音楽の市場を大きく変質させ、エンタメ部門に新たな旋風を巻き起こす技術・サービスとして、急速に浸透しつつあるのが有料動画配信。個別の作品をデータ単位で買い取る、あるいはレンタルソフトのように短期間視聴できるスタイルだけでなく、クラウドサービスのように特定作品を視聴する権利を得られる「半永久視聴権」の販売や、一定期間は特定の枠組み内で好きな映像が観放題の定額サービスも展開され、急速にその利用者を積み増ししている。今回は日本映像ソフト協会が2020年5月27日付で発表した、日本の映像ソフト協会そのものやソフト関連の実地調査結果を絡めた白書【映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査】の最新版「概要」をもとに、有料動画配信サービスの周辺状況を確認していくことにする。

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国内市場規模は2404億円、利用者の年間利用本数は62.0本


先行記事【映像ビデオ市場の推移をグラフ化してみる】にもある通り、直近の2019年では有料動画配信サービス市場は2404億円を示している。この市場には「定額見放題サービス」「都度課金サービス」「有料動画購入サービス」などが該当するが、WOWOWやスカパー!のような有料放送局による自社放送番組の再配信、ポータルサイトの有料付随サービス、動画配信サービスの有料プレミアムなどは2014年分までは該当しなかった。しかし2015年分以降は情勢の変化を鑑み、含むように計算方法を変更している。

↑ 映像ソフト市場規模(億円)(再録)
↑ 映像ソフト市場規模(億円)(再録)

この有料動画配信の利用状況を確認したところ、2019年では調査対象母集団(16-69歳。一般調査は1500人、有料動画配信の内情調査は1300人。いずれも男女・年齢・インターネットの利用状況に関するウェイトバックがかけられており、調査対象母集団の属性に関する偏りは最小限に抑えられている)の19.6%が利用していることが分かった。おおよそ5人に1人。また、利用者における平均利用本数は62.0本。

↑ 有料動画配信利用率
↑ 有料動画配信利用率

↑ 有料動画配信利用者の平均利用傾向
↑ 有料動画配信利用者の平均利用傾向

調査開始からまだ7年分しか経年データがなく、しかも2015年から計測対象範囲を大きく拡大していることもあり、経年傾向を推し量ることは難しいものの、2019年は前年比で利用率が大きく増え、1人あたりの利用本数も大幅に増加、しかし利用金額は減少してしまっている。報告書ではこの現象について「ケーブルテレビ経由でのVODの利用率の低減が進んでおり、単価が高いサービスの利用者が減少している」と説明している。

もっとも業界から見れば、利用者平均利用金額が減っていても利用率が増え、そして市場そのものが拡大しているのだから、悪い話ではない。実際、業界全体の統計結果からも2018年が1980億円、2019年が2404億円で424億円も拡大している)。

サービス利用者の利用スタイル


それでは有料動画配信サービスの利用者は、どのような種類のサービスを利用しているのだろうか。大きく3種類、具体的にはSVOD(定額見放題)、TVOD(都度課金)、EST(有料動画購入)に区分して、そのサービスを利用したか否かを尋ねた結果が次のグラフ。なお2019年分については設問が変更されているため、一部の種類でイレギュラー的な値が出てしまっている。

↑ 有料動画配信サービス種類別利用率(有料動画配信サービス利用者限定、複数回答)
↑ 有料動画配信サービス種類別利用率(有料動画配信サービス利用者限定、複数回答)

定額見放題サービスを利用している人が圧倒的に多く、直近では8割台後半。他方、都度課金サービスの利用者は半分強。有料動画の購入者は4割足らずでしかない。

無論、定額見放題の公開作品には話題作や最新作は盛り込まれていないことが多いため、都度課金や有料動画購入の需要が無くなることはない。実際、今調査結果における定額見放題サービス利用者86.6%のうち、そのサービスのみを利用している人は40.8%。残りの45.8%の人は都度課金や有料動画購入のいずれか、あるいは双方を利用している。

とはいえ、特定の作品ではなく何かよさそうな作品で映像視聴欲求を満たしたい、時間を費やしたいとの需要には、都度課金や有料動画購入よりも定額見放題サービスがコストパフォーマンス的に優れているのもまた事実ではある。音楽ソフト同様、今後も定額見放題の利用率は高い値を示し続けることだろう。


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