利用者1割強、利用本数40本強、金額は1万2000円強…有料動画配信の実情をグラフ化してみる(2017年)(最新)

2017/04/17 05:17

映像や音楽の市場を大きく変質させ、エンタメ部門に新たな旋風を巻き起こす技術・サービスとして、急速に浸透しつつあるのが有料動画配信。個別の作品をデータ単位で買い取る、あるいはレンタルソフトのように短期間視聴できるスタイルだけでなく、クラウドサービスのように特定作品を視聴する権利を得られる「半永久視聴権」の販売や、一定期間は特定の枠組み内で好きな映像が観放題の定額サービスも展開され、急速にその利用者を積み増ししている。今回は日本映像ソフト協会が2017年4月11日付で発表した、日本の映像ソフト協会そのものやソフト関連の実地調査結果を絡めた白書【映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査】の最新版「概要」をもとに、有料動画配信サービスの周辺状況を確認していくことにする。

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国内市場規模は1256億円、利用者の年間利用本数は45本


先行記事【映像ビデオ市場の推移をグラフ化してみる】にもある通り、直近の2016年では有料動画配信サービス市場は1256億円を計上している。この市場には「定額見放題サービス」「都度課金サービス」「有料動画購入サービス」などが該当するが、WOWOWやスカパー!のような有料放送局による自社放送番組の再配信、ポータルサイトの有料付随サービス、動画配信サービスの有料プレミアムなどは2014年分までは該当しなかったが、2015年分以降は情勢の変化を鑑み、計上するように計算方法を変更している。

↑ 映像ソフト市場規模推移(億円)(-2016年)(再録)
↑ 映像ソフト市場規模推移(億円)(-2016年)(再録)

この有料動画配信サービスの利用状況を確認したところ、2016年では調査対象母集団(16-69歳。一般調査は1500人、有料動画配信の内情調査は300人。いずれも男女・年齢・インターネットの利用状況に関するウェイトバックがかけられており、調査対象母集団の属性に関する偏りは最小限に抑えられている)の12.7%が利用していることが分かった。大よそ8人に1人。また、利用者における平均利用本数は44.9本。

↑ 有料動画配信利用率(2013-2016年)
↑ 有料動画配信利用率(2013-2016年)

↑ 有料動画配信利用者の平均利用傾向
↑ 有料動画配信利用者の平均利用傾向

調査開始からまだ4年分しか経年データが無く、しかも2015年から計測対象範囲を大きく拡大していることもあり、経年傾向を推し量ることは難しいものの、2016年は前年比で利用者率が大きく増えているが、利用本数は減少、結果として利用金額は横ばいとなっているのが分かる。支払いの天井がこの額で、それに合わせて本数が減ったのか、視聴に値するタイトルが減ったが同時に単価が上がり、結果として金額が変わらない結果となったのか、視聴動向の傾向を推し量るのには、まだ調査回数か足りない。

サービス利用者の利用スタイルの中身


それでは有料動画配信サービスの利用者は、どのような種類のサービスを利用しているのだろうか。大きく3種類、具体的にはSVOD(定額見放題)、TVOD(都度課金)、EST(有料動画購入)に仕切り分けして、そのサービスを利用したか否かを尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 有料動画配信サービス種類別利用率推移(有料動画配信サービス利用者限定、複数回答)
↑ 有料動画配信サービス種類別利用率推移(有料動画配信サービス利用者限定、複数回答)

定額見放題サービスを利用している人が圧倒的に多く、直近では9割近く。他方、都度課金サービスの利用者は漸減しており、直近では2割を切っている。それぞれの回答者における利用頻度や視聴時間、支払金額などは明らかにされていないが、利用サービスの変化傾向は、音楽ソフトにおけるサブスクリプション方式(一定の領域・制限内での聞き放題サービス)への利用シフトのそれに近い。

無論、定額見放題の公開作品には話題作や最新作は盛り込まれていないことが多いため、都度課金や有料動画購入の需要が無くなることは無い。実際、今調査結果における定額見放題サービス利用者86.7%のうち、そのサービスのみを利用している人は71.9%。残りの14.8%の人は都度課金や有料動画購入のいずれか、あるいは双方とも利用している。

とはいえ、特定の作品では無く何かよさそうな作品で映像視聴欲求を満たしたい、時間を費やしたいとの需要には、都度課金や有料動画購入よりも定額見放題サービスがコストパフォーマンス的に優れているのもまた事実ではある。音楽ソフト同様、今後も定額見放題の利用者は増加していくことだろう。


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