国語算数理科社会、子供が得意な教科はどれだろう? (2015年)

2015/02/04 08:00

学校では多種多様な教科を学ぶことになる。内容への興味関心や元々の好き嫌い、相性、さらには学校側の教育方針や教鞭を取る教師側の質などさまざまな条件の結果として、子供達は得意な教科、不得意な教科を有するようになる。今回は少年教育振興機構が2014年6月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書の結果から、子供達が得意とする教科の実態を確認していくことにする(【「青少年の体験活動等に関する実態調査」 (平成24年度調査)報告書】)。

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一番得意とされる教科は保健体育


今調査の調査要項については先行記事【果物の皮を包丁でむいたり、ぞうきんを絞ったり……いまどきの子供事情を探る】を参考のこと。

次に示すのは回答者自身の認識として、得意とする教科を複数回答で答えてもらった結果。成績が優秀、学ぶのが楽しい、自分の趣味趣向と合うなど実状的には色々な内容が考えられるが、ともあれ「得意」という表現に合致した教科となる。場合によっては成績はあまり良くないものの、積極的に行動できる、楽しく学べる、満足のいく成果が出せるものを「得意」と判断していることもあるだろう。

なお学校種類別で教科構成が異なるため、小学生・中学生・高校生で別々のグラフを構成している。

↑ 得意教科は?(複数回答、2012年度、小学生)
↑ 得意教科は?(複数回答、2012年度、小学生)

まず小学生。どの学年でも最も得意とされている教科は保健体育で、図画工作が続く。小学4年生までは続いて理科が、小学5年生以降になると家庭が顔を見せる。いずれも実務系の色合いが強いことが特徴で、小学5年になると家庭と理科の立場が入れ替わるのも、理科で筆記面が多くなるからかもしれない。

国語や社会、外国語など文系色の強い筆記強化は概して低め。昨今では理数系を嫌う子供が多い話が持ち上がり、問題視されているが、少なくとも今件調査の限りでは、小学生の時点では心配はいらないようだ。

↑ 得意教科は?(複数回答、2012年度、中学2年生)
↑ 得意教科は?(複数回答、2012年度、中学2年生)

中学生でも保健体育の人気は抜群で、言葉通り群を抜いている。興味深いのは次点についた社会。小学生では不人気教科だった社会も、中学生になると得意教科の上位陣入り。次いで音楽、数学、理科と並ぶ。図画工作の系列ともいえる美術や技術・家庭はなぜか不人気。そして国語は相変わらず得意とする子供は少ない。

↑ 得意教科は?(複数回答、2012年度、高校2年生)
↑ 得意教科は?(複数回答、2012年度、高校2年生)

最後は高校。美術からの系列となる芸術が最上位。中学生との違いには驚かされるばかり。次いでお馴染みの保健体育、さらには小中学生では得意とする人が少なかった国語が入っている。
「その他」は具体的に農業・工業・商業などが元データでは列挙されているためこのような扱いでグラフに掲載しているが、それらよりも公民を得意とする子供は少ない。また情報教科を得意とする人も少ないのが目に留まる。

さらに全グラフを見返すと、小学・中学、高校と学校種類が上になるに連れて、全体的な値が小さくなっているのが分かる。これは上の学校種類になるほど、得意と回答できる教科が減っている事を意味する。学校の勉強そのものに難儀している、得意と言えるほど満足できる理解や成果を出すことが出来ない実情が透けて見える。

得意教科と他の事象との相関関係を見ていこう


良い機会でもあるので、教科の得意度合いと関係がありそうな項目との間の、相関関係を確認していく。あくまでも相関関係で、因果関係までは立証しえないが、大いに参考になる。なお教科は小中高で出来るだけ揃え、さらに煩雑さを防ぐために、一部を省略している。

↑ 1か月に読む本の冊数と得意教科の関係(複数回答、2012年度)
↑ 1か月に読む本の冊数と得意教科の関係(複数回答、2012年度)

まずは1か月に読む本(雑誌や漫画は含まず)の冊数との関係。読む冊数が多いほど、得意とする教科も増える。「本を読むから勉強が得意になる」よりは「勉強が得意だから本を読むのも好きで積極的に読んでいる」と見た方が、道理は通りやすい。もちろん、たくさんの本を読むことで各教科への理解感心も深まり、結果として得意教科となることもあるだろう。

↑ 勉強が好きか否かと得意教科の関係(複数回答、2012年度)
↑ 勉強が好きか否かと得意教科の関係(複数回答、2012年度)

続いて勉強そのものが好きか否かとの意識との関係。これもはっきりとした形で、勉強が好きな子供ほど、得意教科も多くなる傾向にある。勉強が好きだから積極的に励み、結果として得意と自称出来るほどの成果を出せるのか、得意と言えるほどの面白さを感じ成果を出せるので、勉強が好きになるのか。双方とも十分に考えられるし、互いの相乗効果もあるかもしれない。

↑ 1日あたりのゲーム時間と得意教科の関係(複数回答、2012年度)
↑ 1日あたりのゲーム時間と得意教科の関係(複数回答、2012年度)

最近何かと話題に登っている、ゲームと得意教科の関係。高校生になるとゲームよりもむしろソーシャルメディアをはじめとしたネット上のコミュニケーションへの注力の強さが問題視されているが、保護者視線ではゲームもまだまだ敵対しうる、勉強の妨げになりうる大きな存在に違いない。

あくまでも「得意」であり「好成績」では無いことに注意が必要だが、ゲーム時間が長いほど、国語や算数/数学、音楽、外国語、保健体育は得意との回答率は減少する。ところが社会、理科は増加する動きを示している。たとえ相関関係であっても、一概にゲーム時間の長さと得意であると子供側が主張できる教科動向との関係は、一様では無いことが確認できる。

↑ 自分には自分らしさがあるとの認識と得意教科の関係(複数回答、2012年度)
↑ 自分には自分らしさがあるとの認識と得意教科の関係(複数回答、2012年度)

多数の中の一人では無く、他の誰でもない自分であることを自覚し、自分への自信を有する、保護者から見れば大人へと一歩進んだような状態。その意識がある子供ほど、得意教科も多く持つようになる。あるいは逆に、得意教科が多いからこそ自信を持ち、結果として自意識を有するようになるのかもしれない。

繰り返しになるがこれらは相関関係であり、因果関係を示すまでには至らない。しかし多くは因果関係までには至らないまでも、連動性を容易に想像できる関係が表れている。それぞれの項目に関する考察が必要な際には、チェックするだけの価値はある結果に違いない。


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