日本の防衛費推移をグラフ化してみる(2015年)

2015/05/12 11:00

提供するデータの信頼性などから国際的権威として知られているストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)では定期的に各種レポートなどで、さまざまな観点から各国の軍事費動向などを公開データとして公式ウェブサイトに掲載している。今回はその公開資料を元に、日本の防衛費の動向を確認していくことにする。

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【防衛費の推移を見ると、直近の2014年度分でも2004年度分にすら追いついていない】などでも解説しているが、諸外国における軍事費、日本ならば防衛費に相当する額面に関しては、どこまでを適用するかは見解がいくつかに分かれている。日本の場合、単純に防衛費のみを計上するのか、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)の関係費も含めるべきなのか、基地周辺対策費・施設の借料、提供普通財産借上試算、基地交付金、さらには海上保安庁の予算も含めねばならないのかなど、試算の仕切りは人それぞれ。SIPRIでは各国の基準に合わせる形で、日本の軍事費=防衛費に関しては、防衛費にSACOを加えた額を相当額としている。

次に示すのはSIPRIが把握している1988年以降の日本の防衛費推移。単純な円による計上に加え、当時の為替レートによって換算されたドルベースでの推移も加えておく。海外からの調達品が少なからずあることや、諸国との比較においては統一基準となる米ドルが使われることが多いので、ドル換算の推移は一定の意味を有する。合わせて、先行記事で掲載した、防衛費の対GDP比率も再掲載しておく。

↑ 日本の防衛費推移(SACO含む、暦年)
↑ 日本の防衛費推移(SACO含む、暦年)

↑ 日本の防衛費推移(SACO含む、暦年)(2001年-)
↑ 日本の防衛費推移(SACO含む、暦年)(2001年-)

↑ 軍事費(防衛費)の対GDP比(日本)
↑ 軍事費(防衛費)の対GDP比(日本)

日本円での比較の限りでは20世紀中は漸増、21世紀に入ってからは横ばいから漸増の動きで、実質的には前世紀末で頭打ち状態となっているのが分かる。一方ドルベースでは為替レートが前政権下においてダイナミックなまでに円高へと振れたことから、大きな底上げ感が生じたものの、為替の適正化に伴いその動きは鎮静化している。昨今では円ベースでは値が引き上げられているもののドルベースでは逆に下がる傾向まで生じている。

あくまでもSIPRIが認識した範囲での額面だが、直近の2014年における日本の防衛費は4兆8520億円、米ドル換算では458億ドル。そして対GDP比は0.99%との結果が出ている。

無論SIPRIに関するこれまでの記事で繰り返し言及しているが、国の防衛力、軍事力は予算だけで推し量れるものでなく、物差しの一つに過ぎない。装備品の種類や質、実働力、組織力、さらには軍との認識は成されていないものの、実質的に国家権力によって軍事組織同様に運用され、対外圧力として使用されているものも含めて考察する必要がある。

一方で適正な軍事関連予算は、国際情勢、特に周辺地域の情勢により大きな変化を示す。先行各記事にある他国の動向と見比べながら、色々と考える必要があるのだろう。


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