年収で食品の摂取量に違いは出るのだろうか(2016年)(最新)

2016/04/26 14:30

健康的な日常生活を維持するために欠かせない生活様式の一つが食事。その食事を確保するためには対価となるお金が必要不可欠。当然お金周りが潤沢なほど選択肢は増え、より贅沢な食生活を楽しめることになる。それでは年収によって食事の内容にはどこまで違いが生じるのだろうか。どのような食品が多く食べられるようになるのだろうか。今回は厚生労働省が2016年4月20日に発表した「平成26年国民健康・栄養調査」の結果に関する詳細な各種データを基に、世帯年収別の食品群別の摂取量の違いを確認し、相関関係ではあるが、その実情をかいま見ることにする(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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今調査に関する調査要項は先行記事【一日の平均歩数は男性7000歩・女性6000歩(2015年)(最新)】を参照のこと。

次に示すのは男女に区分した上で、世帯年収を200万円未満・200万円以上600万円未満・600万円以上に仕切り分け、そして主要な食品群別や栄養素別に1日あたりの摂取量(重量)を尋ねた上で、200万円未満の人を基準値(1.00)とした場合に、他の年収区分に該当する人の相対的分量を示したもの。単純な相対量に加え、基準値と比べてどれだけ多いのかに関する増減度合いを%表記したグラフも併記した。

なお今件の年収別仕切り分けでは年齢階級と世帯員数による多変量解析を行い、各種調整をしてある。つまりそれぞれの年収属性で、年齢階級や世帯構成人数は同率ずつ存在している状況になっている。年収200万円未満の仕切り分け内では高齢者の比率が大きいため摂取量が少なくなるといったアンバランスな状態の統計値では無い。

まずは男性。

↑ 世帯の年間収入別、栄養素摂取量・食品群別摂取量(2014年、20歳以上、男性)(年収200万円以下を1.00とした時の値)
↑ 世帯の年間収入別、栄養素摂取量・食品群別摂取量(2014年、20歳以上、男性)(年収200万円以下を1.00とした時の値)

↑ 世帯の年間収入別、栄養素摂取量・食品群別摂取量(2014年、20歳以上、男性)(年収200万円以下を基準とした時の増減率)
↑ 世帯の年間収入別、栄養素摂取量・食品群別摂取量(2014年、20歳以上、男性)(年収200万円以下を基準とした時の増減率)

大よそ高年収の方が摂取量は多く、潤沢な食生活を過ごしていることが分かる。特に種実類やきのこ類、乳類で量が増えている。他方、穀物や豆類、そして炭水化物の区分では摂取量が減っており、高年収層では主食の量が減り、その分惣菜などの量が増えていることもうかがえる。要は低年収ではご飯やパン、麺類などの主食に重点が置かれているが、年収が多い世帯ではおかずにまで余裕が出てくる次第である。

興味深いのは副食系の分野。嗜好飲料は明らかに高年収ほど量が増えているのに対し、菓子類は600万円以上の世帯では逆に減っている。今件計上値はあくまでも重量であることから、高級品に手を伸ばしているのかもしれない。

女性も男性と基本的には変わらない。

↑ 世帯の年間収入別、栄養素摂取量・食品群別摂取量(2014年、20歳以上、女性)(年収200万円以下を1.00とした時の値)
↑ 世帯の年間収入別、栄養素摂取量・食品群別摂取量(2014年、20歳以上、女性)(年収200万円以下を1.00とした時の値)

↑ 世帯の年間収入別、栄養素摂取量・食品群別摂取量(2014年、20歳以上、女性)(年収200万円以下を基準とした時の増減率)
↑ 世帯の年間収入別、栄養素摂取量・食品群別摂取量(2014年、20歳以上、女性)(年収200万円以下を基準とした時の増減率)

男性では種実類がずば抜けて多かったが、女性ではきのこ類と乳類が大きな増加を見せている。また藻類も大きめ。健康的なイメージの強い食品であることから、年収の上で余裕があると、より健康的な食生活を心がける傾向があるようだ。

また年収が上になるに連れて減少する食品群は、穀類以外にいも類、油脂類、炭水化物。男性では一部減少の動きも示した菓子類も、女性では大きく増加しているのは興味深い。



先行する別途記事でも言及しているが、今件は相関関係の結果を記したものであり、因果関係まで証明できる値では無い。現状における傾向を示したまでの話。とはいえ年収が上の人ほど主食摂取量が減り、副菜やし好品を多く採る傾向は確認できる。かねてから「お金周りが厳しいと、どうしても主食系のもので満腹感を充足させがちになる」との話を見聞きするが、それがある程度正しいことが裏付けられたとも評価できる。

この傾向が各属性の健康状態や行動性向といかなる関係があるのかはまた別の話だが、検証の際には大いに役立つ値には違いない。


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