年収で生活習慣はどこまで変わるのか、相関関係を確認してみる(2016年)(最新)

2016/04/26 05:14

人は刺激のあるイベントが無く平穏な日常生活を過ごす中においても、日々金銭を消費していく。完全な自給自足ができる人はごく少数で、ほとんどの人は資本主義の仕組みの中に取り込まれている。いわば生活の血液的存在がお金であり、その血流としての流れが生産・消費行動の観点としての経済活動であり、生活を支えている。収入が多ければ多いほど選択肢は増え、心身ともに余裕ができていくことを否定する人は少ない。今回は厚生労働省が2016年4月20日に発表した「平成26年国民健康・栄養調査」の結果に関する詳細な各種データを基に、世帯年収別の生活習慣の違いを確認し、相関関係ではあるが、その実情と影響しうる習慣、そうでない習慣の違いを見ていくことにする(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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今調査に関する調査要項は先行記事【一日の平均歩数は男性7000歩・女性6000歩(2015年)(最新)】を参考のこと。

次に示すのは世帯年収別に仕切り分けした上で、主要な生活習慣の項目に関して、該当するか否かを尋ねたもの。詳細の解説は無いが年収には就業収入以外に不動産収入、株式による配当、そして年金なども含まれる。年金生活者の多くは貯蓄の切り崩しで生活費をまかなうため、必然的に収入は低めとなる。

ただし今回の世帯年収別仕切り分けでは、年齢階級と世帯員数による多変量解析を行い、各種調整はしてある。つまりそれぞれの年収属性で、年齢階級や世帯構成人数は同率ずつ存在している状況になっている。年収200万円未満の仕切り分け内では高齢の年金生活者の比率が大きいといったアンバランスな状態の統計値では無い。

まずは男性。

↑ 世帯年収別生活習慣(2014年、20歳以上、男性)
↑ 世帯年収別生活習慣(2014年、20歳以上、男性)

運動習慣のあるなし、睡眠不足の傾向に関しては、年収との相関関係は無いように見える。多飲酒(生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合)は200-600万円未満層が一番高い値が出ているが、法則性は見出しにくい。

他方、習慣的な喫煙や、健康診断を受けていない人の割合、肥満者の多さ、歯の本数が20本未満の人の割合は、明らかに低年収世帯者の方が高い値を示している。あくまでも相関関係であるが、金銭的な余裕が乏しい人ほど、たばこをよく吸い、肥満者が多く、健康診断を敬遠し、歯の治療や管理に疎いからか歯が残っていない人が多いことになる(繰り返しになるが高齢層の比率は各年収階層で同率であり、200万円未満で高齢者の割合が多いわけでは無い)。医者の不養生とはよく聞くことわざではあるが、低年収者の不養生とでも表現すべきだろうか。

女性も男性と基本的には変わらない。

↑ 世帯年収別生活習慣(2014年、20歳以上、女性)
↑ 世帯年収別生活習慣(2014年、20歳以上、女性)

運動習慣や多飲酒に関しては法則性は無い。また男性では低年収層ほど多かった肥満者率も、女性では200-600万円未満層がもっとも少なく、年収との間の相関関係は認められない。

他方、習慣的な喫煙、健康診断の未診、歯の本数が20本未満の人の割合は、明らかに低年収世帯者の方が高い。さらに女性では睡眠不足に関しても、低年収層ほど高い値を示している。年収の低い人ほど、生活習慣の多分において怠惰な状況にある実情を確認することができる。

今件は回答時の状況を確認したものであり、過去の状況までは反映されていない。飲酒の多少、寝不足、喫煙状態などはともかく、肥満であるか否かや歯の本数はこれまでの生活習慣が多分に影響する。とはいえ年収が急激に変化する状況もさほど考えにくいため、現状の年収が継続している状態での結果と見なしても大きなぶれは無いだろう。

繰り返しになるが、今件はあくまでも相関関係の結果を記したもので、因果関係を立証するものではない。低年収者に肥満者が多いのは事実ではあるが、低年収になると肥満になりやすいことを証明するものではない。傾向が確認できること、因果関係がある程度推測できること、そしてその推測を裏付けるための他方面での調査検証のきっかけとなるものと見なせばよいだろう。


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