日本では2050万人が「強い疑い」「可能性否定できず」な糖尿病(2014年)

2014/01/06 07:00

厚生労働省は2013年12月6日、「平成24年国民健康・栄養調査結果の概要」を発表した。それによると2012年時点では推計で糖尿病が強く疑われる人20歳以上の人は950万人、可能性を否定できない人は1100万人いることが分かった。合わせて糖尿病リスク者は2050万人いる計算になる。男女別では男性の方が、世代別では高年齢の方が高い割合を示している(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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糖尿病とは体内の各組織を動かすエネルギー源となるブドウ糖が、細胞内に上手く運ばれず、血液内に留まってしまう症状。ホルモンの一種であるインスリンが不足したり、うまく細胞に作用しないことで起きる。

また糖尿病には大きく4つ「1型」「2型」「遺伝子異常や他の病気が引き金となるもの」「妊娠糖尿病」に分けられるが、多くは「1型」「2型」に該当する。前者は子供のうちに始まることが多く、かつては小児糖尿病などと呼ばれていた。後者は食事や運動などの食生活によって肝臓や筋肉へのインスリンの働きが悪くなったり、インスリンの出る量が少なくなって起きる。日本では95%以上がこの「2型」タイプであり、糖尿病が一般的には「生活習慣病」の代表的な病症の一つとされるのも、これが起因となっている。

今調査では5年おきに糖尿病に関する症状状況を詳しく調べており、今回2012年分がそれに該当する。調査対象母集団のうち血液検査を行った者(20歳以上)を対象とし、その検査から取得した各種パラメータや調査票の関連項目を基に、「糖尿病が強く疑われる者(強度の糖尿病リスク者)」「糖尿病の可能性を否定できない者(弱度のリスク者)」「それ以外」に区分。そのうち前者2つについて、世代別に集計したのが次のグラフ。例えば男性70歳以上は「強く疑われる」が23.2%とあるので、男性70歳以上の人のうち、23.2%は糖尿病の可能性が多分にあることになる。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(2012年)(20歳以上)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(2012年)(20歳以上)

男女別では男性の方が嫌疑率が高い。また世代別では歳を経るほど率が上昇していく。70歳以上では男性で40.9%、女性で37.5%が「強い疑い」「可能性の否定が出来ない」状態にある。「強く疑われる」に限定しても、男性では50代で10%を超え、60代で20%に届いてしまう。女性は60代で10%超なのと比べると、男性の高さには驚かされる。

これを5年毎の経年変化で見たのが次のグラフ。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(経年変化)(20歳以上)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(経年変化)(20歳以上)

2007年までは調査毎に比率が増加する傾向にあったが、2012年では一転して減じる動きを示している。ただし女性の「強嫌疑」者率が増加し、男性もほとんど変わりが無いなど、嫌疑者のうちより高いリスクの者の割合が増加しているのには注意が必要となる。

これらの値に各年の人口推計値を掛け合わせ、推定人数を算出したのが次のグラフ。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移(20歳以上、男女計、万人)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移(20歳以上、男女計、万人)

比率動向同様に、直近の2012年では「強く疑われる」者は増加する一方、「可能性を否定できない」者は減少を示している。



グラフ化は略するが、「糖尿病が強く疑われる者」に該当する人のうち、現在何らかの形で糖尿病の治療を受けている人は65.2%に達している。この値は調査年に連れて増加している、つまり医療機関に足を運ぶ人が増えている。それだけ糖尿病に対する問題意識が高まっていると評価できるが、見方を変えれば29.0%はほとんど治療を受けておらず、高いリスクのまま日々を過ごしていることになる(5.8%は以前治療を受けたことがあるが、現在は受けていない)。

糖尿病は放置しておくと多種多様な合併症を引き起こす。特に「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」から成る3大合併病は高い発症率とリスクで知られている。

厚生労働省でも【糖尿病ホームページ】のように専用ページを創り、分かりやすい形で各種情報を提供している。確率的には自分自身はもちろんだが、身近な人の発症を見聞きすることが多分にありえる病気である以上、一通りの知識と予防策を学んでおくことをお勧めしたい。


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