小中高校生の電子書籍利用状況をグラフ化してみる(2015年)

2015/04/12 09:00

紙媒体による出版業界を大きく揺るがしているのがインターネットの存在だが、同時にそれを紙代わりのインフラとして用い、デジタルによる書籍の提供・販売を行うことで、時代の流れに乗る動きもある。スマートフォンをはじめとするインターネットの窓口となる端末が急速に普及する昨今、子供達の間に電子書籍はどこまで浸透しているのか。今回は内閣府が2015年3月30日付で確定報を発表した、【平成26年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の報告書データから、小中高校生における主要インターネット接続端末を用いた、電子書籍の利用状況を確認していくことにする。

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今調査に関する調査要項は先行記事の【高校生はスマホ9割、ノーパソ3割…小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参考のこと。

次に示すのは主要なインターネットへの接続媒体でインターネットを利用している人における、電子書籍の利用状況。設問表では「何をしているか」の対象として「電子書籍」とのみ記述され、具体的な説明は無い。厳密には電子書籍と電子雑誌は別物扱いされることが多いが、今件状況では「インターネット上で読める本や漫画、雑誌など」すべてを対象としていると判断し、回答したものと見た方が間違いはない。また有料・無料の別の設定も無いため、単純に閲読しているか否かを答えてもらったものと判断する。

↑ 電子書籍利用者比率(2014年、該当機種でインターネットを利用している人限定)
↑ 電子書籍利用者比率(2014年、該当機種でインターネットを利用している人限定)

パソコンではデスクトップもノートも大きな違いは無く、小学生ではほとんど読まれておらず、中高生では大よそ4%。25人に1人の割合。タブレット型端末は小学生ではやはりゼロに等しいが、中学生以上になると大よそ10%ほどの閲読率を見せることになる。学習用タブレットは利用者そのものが多い小中学生で、閲読率が普通のタブレット並、あるいはそれ以上を示しているのが興味深い(高校生は学習用タブレット自身がほとんど使われておらず、閲読者が登場するほどの数が集まっていない)。

スマートフォンでは中学生で10%強、女子の方が積極的に電子書籍を利用している。高校生になると男女の差はほぼ無くなり、16%強。スマートフォンを使ってインターネットを利用している高校生のおよそ1/6は、電子書籍を利用している計算になる。

インターネット利用端末の利用者における電子書籍の利用状況としては、スマホが一番、タブレットが2番、パソコンはひかえめという形。また中学生から積極的に読み進められ、高校生ではスマホとタブレット型端末で1割以上の閲読率を示している……

……が、これは端末利用者限定。電子書籍の現状を把握するためには、むしろ各属性毎の利用状況を知りたいところ。そこで各端末のインターネット利用者における属性比率を用いて合算し、各属性における電子書籍利用率を算出した結果が次のグラフ。例えば総数のスマートフォンは6.3%の値が出ているので、小中高校生合わせた全体のうち6.3%、およそ16人に1人はスマートフォンで電子書籍を利用していることになる。

↑ 電子書籍利用者比率(2014年、各属性全体比)
↑ 電子書籍利用者比率(2014年、各属性全体比)

元々該当端末によるインターネット利用率が低い小学生は、誤差の範囲に収まる利用率しかない。実質的に「読んでいる人はナシ」と見ても構わないレベル。中学生になるとスマートフォンの利用率の高さが後押しする形でそれなりな利用者率を示す。スマートフォンが一番高いが、次いでタブレット型端末が入っているのが興味深い。

そして高校生。タブレット型端末自身の利用率が落ち込むのに加え、スマートフォンの利用率が圧倒的な値を示していることから、それを用いた電子書籍の利用者率もグンと跳ね上がる。高校生全体の14.3%、およそ7人に1人はスマートフォンで電子書籍を閲読している。



今件調査は小中高校生を対象としたものであるため、当然大学生以上の大人の動向は把握できない。ただ、例えば総務省の通信利用動向調査によれば2013年末時点でインターネット利用者に限定した場合、男性30代でも6.1%に過ぎないとの結果が出ている。

↑ 電子書籍の購入者比率(2013年末、インターネット利用者限定、比重調整・無回答調整なし)(再録)
↑ 電子書籍の購入者比率(2013年末、インターネット利用者限定、比重調整・無回答調整なし)(再録)

調査様式が異なるため単純比較は出来ないが、高校生のスマートフォンによる電子書籍の閲読機運は相当高いと見て良いかもしれない。


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