小中高校生のコミュニケーションツールの利用状況をグラフ化してみる(2015年)

2015/04/07 14:00

不特定多数と容易にやり取りが出来るインフラとなるインターネットと、そのインターネットにいつでもどこからでもアクセス可能な携帯電話、中でも機能が充実したスマートフォンの浸透により、未成年者の間でもインターネットによるコミュニケーションは急速に普及しつつある。その利用状況について、今回は内閣府が2015年3月30日付で確定報を発表した、【平成26年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の報告書データから、現状を確認していくことにする。

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今調査に関する調査要項は先行記事の【高校生はスマホ9割、ノーパソ3割…小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参考のこと。また本来今記事は昨年の「青少年のインターネット利用環境実態調査」を元にした電子メールを中心に利用状況を確認する【やりとりは携帯電話メインで…小中高校生のメール利用状況をグラフ化してみる(2014年)】の更新版となるはずであった。しかし2014年分の調査から各ツール、端末の利用状況に合わせて調査様式が大きく変更され、コミュニケーション系サービスの詳細区分が無くなり、電子メールやメッセンジャー、チャット、ソーシャルメディアなどを合わせた意志疎通サービスをすべて合わせて「コミュニケーション」との区分で取り扱う形となった。そこで今回はその「コミュニケーション」ツールの利用状況を見ていくことにする。

次に示すのは小中高校生が主に使っている、インターネットへのアクセス機器となるデスクトップパソコン(PC)、ノートパソコン、従来型携帯電話、スマートフォンそれぞれでインターネットを利用している人における、コミュニケーションツールを利用している人の割合。例えば全体でデスクトップPCの値は17.6%とあるので、小中高校生あわせデスクトップパソコンでインターネットを使っている人の17.6%は、その端末でメールやソーシャルメディアなどを使っていると回答したことになる。頻度は問われておらず、回答者の認識で「使っている」と判断したものであることに注意。

↑ コミュニケーションツールの利用状況(2014年、各端末でインターネット利用者限定)
↑ コミュニケーションツールの利用状況(2014年、各端末でインターネット利用者限定)

その端末利用者におけるツール利用率であることから端末そのものの利用率は影響を与えないものの、デスクトップよりもノートの方が値が高く、さらに高学年の方が高い。パソコン、特にデスクトップパソコンは保護者の監視の下で使われているか、保護者と共有のものを利用しており、コミュニケーション系のツールは使いにくい実態が表れている。

携帯電話系では従来型携帯電話は学校種類を問わずにほぼ9割前後と高い値を示している。これは元々従来型がスマートフォンと比べて機能が限られており、コミュニケーションツール利用の専用機的な使われ方をされているのに加え、防犯用として保護者との連絡ツールとして用いられ、電子メールなどを使っているからだと考えられる。

他方スマートフォンは小学生では保護者から利用を差し止められている場合もあってか、利用率は低め。しかし中学生となると8割超に跳ね上がり、高校生では9割を超える。具体的にどのようなツールが使われているか確認したいところだが、2013年分までのような電子メール、ソーシャルメディア、チャット系サービスとの仕切り分けは無く、確認は出来ない。

これについて各端末そのものの利用率を考慮し、各属性全体に占める比率を算出したのが次のグラフ。例えば小学生全体のスマートフォンは5.7%とあるので、小学生全体において5.7%はスマートフォンでコミュニケーションツールを利用していることになる。

↑ コミュニケーションツールの利用状況(2014年、各属性全体比)
↑ コミュニケーションツールの利用状況(2014年、各属性全体比)

元々パソコンはネット利用者内でも利用率が低かったが、加えて端末そのものの利用率が低いので、全体に占める利用状況はさらに低いものとなる。高校生でもノートパソコンでコミュニケーションをしている人は1割に満たない。デスクトップだと3%台。

一方携帯電話となると、従来型携帯電話は小学生で1割前後、中学生で1割強となる。高校生で大きく値を減らすのは、端末そのものの利用者が減るのに加え、ツールの利用がスマートフォンにシフトするから。そのスマートフォンは中学生ですでに約3割、高校生になると8割前後に達する。スマートフォン利用者限定では無く、高校生全体で82.7%、女子高生に限れば85.5%が、スマートフォンでコミュニケーションをしている現状は、ほんの2、3年前まではとても考えられなかった図式に違いない(無論、従来型携帯電話による電子メールからのシフトとの形になるが)。



やはり気になるのは「コミュニケーションツール」の具体的なサービス毎の利用状況だが、残念ながら「青少年のインターネット利用環境実態調査」ではその詳細を確認できない。同じような特性を持つ調査としては総務省情報通信政策研究所が毎年実施している複数の調査において、比較的利用されているサービスを具体的に挙げてチェックを実施している。

今件は「各端末で小中高校生がどの程度意思疎通をしているのか」の状況把握が出来れば良しとし、具体的なサービス利用状況は他の調査に任せるのがよさそうだ。


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