「学校で教わった」85.9%…小中高校生のネットリスクの学習状況をグラフ化してみる(2015年)

2015/04/04 14:00

パソコンや携帯電話を使ってインターネットのサービスを利用する際には、多種多様な決まり事、トラブルの回避方法、暗黙の了解的な知識・情報を習得しておく必要がある。それらは知っている人、慣れている人には当たり前の内容ではあるが、知識のない、経験の浅い人にはとても重要な事柄に他ならない。それらを知らずにインターネットを利用することは、海図を持たずに大海原へ出航するようなものだ。特に経験が浅い子供達には、それらの情報は必要不可欠に違いない。今回は「インターネットを利用する上での危険性に関する子供の学習経験」について、内閣府が2015年3月30日付で確定報を発表した【平成26年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】から確認していくことにする。

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今調査に関する調査要項は先行記事の【高校生はスマホ9割、ノーパソ3割…小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参考のこと。

携帯電話の普及に伴いインターネットへのアクセスが容易になるに連れ、インターネットを介した子供のリスクも高まりつつある。【無料通話アプリのID交換掲示板起因の被害急増…警察庁、子供のネットトラブル現状報告発表】にもある通り、コミュニティサイト関連の検挙数は過去最悪の値を示す勢いを示している。

↑ 出会い系・コミュニティサイトに関連した被害児童数・検挙数推移(-2014年上半期)(再録)
↑ 出会い系・コミュニティサイトに関連した被害児童数・検挙数推移(-2014年上半期)(再録)

被害を少しでも減らすには、該当者となりうる子供達への教育・啓蒙が欠かせない。そこで子供達に、これまで有害サイトやネットいじめの問題など、インターネット上で発生しうる危険について、説明を受けたり学んだりしたことがあるかを聞いた結果が次のグラフ。「学校から教えてもらった」との事例がもっとも多く、8割強を占めている。学校が教育機関としての面目を保った形である。

↑ 有害サイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだりしたことがあるか(複数回答)(-2014年)
↑ 有害サイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだりしたことがあるか(複数回答)(-2014年)

次いで多いのは親などの保護者から教えてもらった事例で、これが4割近く。テレビや本などの媒体経由、友達経由が続く。一方で「特に無し」、つまり教えてもらったり自ら学んだ経験が無い人も1割近く確認できる。調査母体には小学生も含まれることから「パソコンや携帯電話を使い始めたばかり。教わる機会をこれから設けてもらう」などのパターンもあるだろうが(実際、詳細データの限りでは小学生が15.6%、中学生が3.7%、高校生が4.6%を示している)、1割近くは無視できる値では無い。

経年変化を見ると、携帯電話契約時の説明(特にフィルタリング回り)の促進が行われていることもあり、「機器購入時に店員に教えてもらった」とする回答率が少しずつ増えていた。しかし直近の2014年では0.9%ポイントの減退を示しており、残念な形となっている。他方、「特になし」は少しずつ減り、「学校で教えてもらった」「保護者から教えてもらった」は増加を示しており、とりわけ「保護者から教えてもらった」の伸びは注目に値する急上昇ぶりなのが目に留まる。スマートフォンの普及に留まらず、携帯ゲーム機など多種多様な機器でインターネットへのアクセスが容易になったことから、子供を見守る立場の大人たちが一体となって鋭意努力を重ねていることがうかがえる結果が出ている。

「保護者から教えてもらった」は2014年では4割近くに及んでいる。とはいえ、見方を変えれば6割強は保護者からネットマナー・リスクについて教えてもらっていないことになる。詳細データを確認すると、照れなどもあるのだろうが、子供の年齢が高くなるほど保護者から教わる率は低下する傾向がある。もう少し、保護者側の積極的な教育啓蒙姿勢をお願いしたいところだ。

もっとも小学校はともかく、中高生を子供に持つ保護者の場合、それも難しい。教え諭す場合には、まず保護者自身が十分な情報知識を得る必要があるからだ。

↑ 保護者自身は青少年に不適切なサイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだ事があるか(複数回答)(2012-2014年)
↑ 保護者自身は青少年に不適切なサイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだ事があるか(複数回答)(2012-2014年)

あくまでもこれは学んだ経験があるか否かであり、最初から不足なく知識を持ち合わせていれば問題は無いが、すべての保護者がそのような技術を持ち合わせているとは考えにくい。その上で、この学習・説明経験率は(状況は改善されているとはいえ)まだ不足しているように見える。

保護者も子供と共に学ぶ姿勢こそ、求められているのかもしれない。



海外の事例だが、【米社会の子供達のネットとの付き合い方を箇条書きにしてみる】などで解説しているように、インターネットを介した子供のトラブルが社会問題化している。日本でも携帯電話へのフィルタリングを中心に、子供のネットリスクへの問題が「子育て」の観点でも重要課題の一つとなりつつある。またスマートフォンでより一層インターネットへのアクセスが可能になったことから、大人の悪しき策謀にとらわれる子供の事例も増えている。

保護者の立場にある人は、インターネット利用時の注意について放置したり学校に任せきりにすることなく、積極的に啓蒙していくべきだろう。もし自分の知識が足りないと自覚するのなら、自らも共に学ぶ姿勢で望むことをお勧めした。

さらに言えばこれらの啓蒙はされた・されないの二択で事が済むのではなく、どこまで実践的・有効的な内容か、そして教わった子供達がそれを知識として身に着け、行動に反映させるかが肝心である。教育、教示情報の質的向上への模索や、反復性のある周知も求められよう。


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