大学生における学生生活費を大学種類や居住形態別にグラフ化してみる(最新)

2018/05/09 05:14

2018-0506先行記事【大学生の学生生活費をグラフ化してみる】において、独立行政法人日本学生支援機構が2018年4月3日に発表した【「平成28年度学生生活調査」】をもとに、大学生の生活における学生生活費(学費と生活費の合算)の実情を確認した。今回はその学生生活費について、いくつかの条件にて仕切り分けした上で、もう少し詳しい実情を見ていくことにする。

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大学種類別と居住形態別と


今調査の調査要項は先行記事【大学生のアルバイト事情をグラフ化してみる】を参照のこと。また学生生活費とは大学生における収支状況のうち支出面から見た金額のことで、具体的には学費と生活費の合算となる。

・学生生活費=学費+生活費

・学費……授業料、その他学校納付金、修学費、課外活動費、通学費

・生活費……食費、住居・光熱費、保健衛生費、娯楽・嗜好費、その他日常費(通信費含む)

先行記事「大学生の学生生活費をグラフ化してみる」では大学種類も居住形態もすべて合わせた平均値による動向を確認したが、当然環境で支出額は大きな変化を見せる。そこでまずは大学の種類別に仕切り分けし、細かい項目まで踏み込んだ上での学生生活費の現状を確認する。なお青系統は学費、赤系統は生活費となる。先行記事で指摘の通り、大よそ学費が非消費支出、生活費が消費支出と見れば理解はしやすくなる。

↑ 平均学生生活費(大学種類別、大学昼間部、年間、円)(2016年度)
↑ 平均学生生活費(大学種類別、大学昼間部、年間、円)(2016年度)

国立と公立はあまり大きな違いが無い。両者で公立の方が生活費の中でも食費や住居・光熱費が安めなのは、自宅通いが多いから(国立と比べて公立は多い)。中にはバイト代の一部を自宅に食費や家賃代わりとして渡している人もいるだろうが、今調査では自宅通いの場合は原則住居・光熱費はゼロ計上で、食費も随分と少なくなる。

他方私立は授業料がほぼ2倍。これが全体額を押し上げている。さらに学校への納付金も桁違いに大きく、これが学生生活費を圧迫している。食費は少なめ、住居・光熱費も随分と少ないのも、自宅通いが多いのが一因。

大学生自身の居住形態別に見ると、下宿などでの一人暮らしにおける金銭的負担の大きさが改めて確認できる。

↑ 平均学生生活費(居住形態別、大学昼間部、年間、円)(2016年度)
↑ 平均学生生活費(居住形態別、大学昼間部、年間、円)(2016年度)

自宅で授業料などの学費が高めに出るのは、上記の通り私立大学通いの人が多いから。自宅の方が学費が高くなるのでは無く、学費が高い人ほど自宅通いをするケースが多い次第である。他方、住居・光熱費は計上されないこと、食費も大いに浮くため、全体額は下宿の8割足らずで済む。

学寮、そして下宿は食費や住居・光熱費が大きく生活費を底上げする形となり、学生生活そのものも大きな額となる。娯楽・し好品の額が下宿で一番大きくなるのは、やはり一人暮らしの方が趣味を手掛けやすいからだろう。

居住形態を限定すると


自宅通いの仕切り分けで学費が高く計上されるのは、私立大学生が多いため。自宅通いとの理由で学費を余計に徴収されるわけでは無い。それでは居住スタイルを揃えた場合、大学種類によってどのような違いを見せるのか。すべてのケースを検証するのは雑多に過ぎるので、自宅と下宿・アパートに限って検証する。

まずは自宅通い。私立大学生が一番多いケースである。

↑ 平均学生生活費(大学種類別、大学昼間部、年間、自宅限定、円)(2016年度)
↑ 平均学生生活費(大学種類別、大学昼間部、年間、自宅限定、円)(2016年度)

自宅通いなので住居・光熱費は無し。公立の方がいくぶん授業料は高いものの、学費の上ではほとんど変わりは無く、生活費にも違いは無いに等しい。一方で私立の場合は授業料だけでもほぼ国公立の約2倍で、学校納付金も10倍前後。生活費にはさほど違いは無いが、学費で大きく底上げされ、学生生活費では6割ほど高い結果が出てしまっている。

これが下宿やアパートになると、それぞれ60-70万円ほどの上乗せがされる。

↑ 平均学生生活費(大学種類別、大学昼間部、年間、下宿・アパートなど限定、円)(2016年度)
↑ 平均学生生活費(大学種類別、大学昼間部、年間、下宿・アパートなど限定、円)(2016年度)

自宅通いと比べて大学種類別で学費に違いはほとんど無いが、当然食費や住居・光熱費が大きく計上される。学生生活費の総額を少しでも抑える思惑なのか、私立では食費や住居・光熱費の面において国立と比べると低めの値が出ている。しかしそれでも学生生活費は国公立と比べ、私立では4割ほどの積み増しが成されている。

この違いは実質的に授業料と学校納付金による底上げで、自宅同様この差異が、大学生における支出の上での負担の増減に大きな影響を与えていると見てよいだろう。



今件各値は年ベースでの平均値で、落第などを想定しなければ各値を4倍することで、大学修学時の支出を試算できる。無論実際には入学金をはじめ、その他多様な経費が計上されるため、さらに必要金額は積み増しされる。

他方、たとえば私立の下宿・アパート暮らしの学生の場合、平均的な住居・光熱費は年45万5000円、月ベースでは3万8000円足らずとなる。家賃だけで無く光熱費も合わせた額であることから、厳しい値には違いない。同様の試算では食費は月2万2000円強。1日750円程度である。「苦学生」との言葉はあるが、意欲と能力のある学生には、もう少し学問への注力がしやすくなるような手立てが必要な感は否めない。


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