大学生のアルバイト事情をグラフ化してみる(2014年)

2014/03/11 08:00

大学生の本業は学習であるが、同時に社会環境に慣れ社会人として大人の世界に足を踏み入れた際のトレーニングも欠かせない。その最たるものがアルバイト。これは就業実地訓練のようなもので、企業内のルールを守り上役の指図に従い労働に従事し、対価の受け取りを実体験することになる。今回は独立行政法人日本学生支援機構が2014年2月26日に発表した【「平成24年度学生生活調査」】を基に、その大学生のアルバイト事情を確認していくことにする。

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増える生活苦によるアルバイト率


今調査結果は2012年11月に大学院、大学学部及び短期大学本科の学生(休学者及び外国人留学生は除く)の中から無作為抽出方法によって抽出された学生に対して調査票方式で調査されたもの。また調査そのものは2年おきに行われており、現時点では2012年実施の結果が最新データである。

経年データのうち、アルバイト従業者率が調査項目に挙がっている2002年度以降について、状況の確認をしていく。まずは「大学学部・昼間部の学生で、アルバイトをしている人の割合」をグラフ化したのが次の図。アルバイト従事者については「仕送りだけで学生生活は可能だが、生活に余裕が欲しいのでしている」との人と「仕送りだけでは学生生活の継続は無理。アルバイトで不足分を補てんしないと(、あるいは仕送りが無い)」との人の区分もしてある。

↑ アルバイト従事者率(大学学部・昼間部)
↑ アルバイト従事者率(大学学部・昼間部)

アルバイトをしていない大学生の比率は、少なくとも今世紀に入ってからはほとんど変化が無「かった」。また、仕送りだけでは生活が出来ないのでアルバイトをしている学生の比率は減少傾向にあり、生活上のゆとりを求めてアルバイトに従事する学生が増加する傾向を見せてい「た」。

ところが2008年度では「生活苦によるバイト従事者が増加し」たのをはじめ、トレンドの転換を予想させる動きがあり、2010年度ではその予見通り「生活苦のバイト」が大きく増え、「余裕を求めてアルバイトをする人」の割合が減り、大学生の金銭面で苦境化がうかがえる動きを示している。しかし一方で「アルバイト非従事者」率も2010年度では大きな増加を示し、大学生の金銭周りにおける二極化が起きている感はある(クロス結果が無いので分析は出来ないが、自宅通学者率が増えているのも一因だろう)。この動きは2007年夏から始まる金融危機・経済不況に、大学生のアルバイト事情も大きく影響を受けたと考えざるを得ない。

アルバイトの職種を探る


上記グラフでは「アルバイト従事者」とひとくくりにしているが、そのアルバイトの内容を大別すると、また違った「世情」が見えてくる。

↑ アルバイト従事者の職種別学生数の割合(大学昼間部)
↑ アルバイト従事者の職種別学生数の割合(大学昼間部)

・家庭教師の比率は年々減少中
・軽労働の比率は年々確実に増加
・事務の比率も少しずつだが減少していたが2010年度で増加、しかし2012年度では大幅に減少
・重労働や特殊技能などの職種も漸減

ファストフードやコンビニなど小売業での作業に代表される「軽労働」は増加の一途をたどる状況に変わりはない。2002年度時点では64.2%だったものが2012年度では77.7%にまで増加している。「頭をよく使うタイプのアルバイトが敬遠され、作業上のリスクも低く身体的な負担も少ない軽労働が好かれている」ようにも見える。無論、「軽労働」の供給が増えているのも一因だろう。

他方、大学生のアルバイトの定番職種の一つであり花形だった「家庭教師」は、2010年度に多少の持ち直しを見せた以外は、押しなべて減少傾向を続けている。2010年度ではリーマンショックに代表される経済不況を受け、アルバイト事情に変化が生じたからか、「家庭教師」「事務」「重労働・危険作業」などでトレンドの転換を予見させる動きがあった。しかし2012年度は再びここ数年来の傾向に戻り、それらの職種は再びシェアを減らす方向に転じている。今後この動きはさらに推し進められていくのは、容易に想像できよう。



ちなみに昼間部の大学生全体における週あたりの平均アルバイト時間は約10時間という結果が出ている。アルバイトをしていない学生も含めて均したことを考えれば、実際にはバイト就労時間は週12時間くらいと考えれば良いだろう(※前回2010年度調査から「就職活動」「睡眠」の項目が追加されていることに注意)。

↑ 週間平均生活時間(大学学部・昼間部)(2012年11月における不特定な一週間を調査)
↑ 週間平均生活時間(大学学部・昼間部)(2012年11月における不特定な一週間を調査)

↑ 週間平均生活時間(大学学部・昼間部)(アルバイト等の就労活動、時間)
↑ 週間平均生活時間(大学学部・昼間部)(アルバイト等の就労活動、時間)

国立大学生の方がバイト時間が短く睡眠や娯楽・交友の時間が長いなど、生活上でゆとりがあるように見受けられる。またバイト時間そのものは経年でほとんど変化は無く、2012年度ではわずかに増加した雰囲気が見られる程度。ちなみに大学生の平均睡眠時間は6.5時間/日になる。案外短い。

学生時代、特に大学生においては勉学そのもの以外の日常・社会生活も重要な「学びの場」であることに違いは無い。だが、アルバイトにかまけて授業を軽視するようなことは無いように気を付けてほしいものだ。


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