年齢階層別・自動車乗用中の交通事故死者数推移をグラフ化してみる(2015年)

2015/02/27 12:00

高齢化社会の到来と共に、高齢者の自動車運転で無謀な、あるいは通常では考えられない行為・判断による結果がもたらした死亡事故の話を見聞きする機会が増えている。人口構成比の変化を考えれば数が増えるのは避けようがないのだが、実態として高齢者の死者数は交通事故全体のうちどれほどの割合を示しているのか。今回は2015年2月20日付で警察庁が公式サイト上で公開した、2014年中の交通事故の状況をまとめた報告書「平成26年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について」の掲載データを基に、年齢階層別の自動車乗用中における交通事故死者数の動向を精査していくことにする(【警察庁リリース発表ページ】)。

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まず最初に確認するのは、自動車乗車中の年齢階層別、死者数推移の積み上げグラフ。公開されている元データから年齢階層区分を仕切り直し、若年層(16-24歳)、高齢層(65歳以上)、その他(25-64歳、15歳以下)の3区分に再構築を行う。免許取得は日本の法令上16歳以上でないと出来ないため、15歳以下は原則的に「自ら運転している」状況は有りえないことに注意。

↑ 自動車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:16-24歳と、高齢層:65歳以上)(積上げ)(-2014年)
↑ 自動車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:16-24歳と、高齢層:65歳以上)(積上げ)(-2014年)

自動車乗用中の死者数は漸減の動きを継続中。2009年から2010年にかけてはわずかに増加したが、2011年には再び大きく減少し、そして2012年以降もその傾向は継続中。15年間近くで約1/3に減少とは、多種多様な努力に対し、相当な成果があったと見て良い(無論人口数の漸減もあるが、減少具合は比べものにならない)。

また世代別の人数では、中堅層が減少傾向にある中で、若年層もそれに続いていたが2013年は増加。しかし2014年は再び減少に転じており、人数そのものが少なくなる中での「ぶれ」が出やすい結果によるものと考えられる。他方、高齢層はあまり大きな変化は無く、2007年以降は600人前後を維持している。これは高齢層の人口そのものの増加による上乗せと、安全対策の強化や医療技術の発達による減少作用が均衡しているものと考えられる。

続いてこれを主要年齢階層別に区分し、各年毎に「全体数に占める比率」を算出したのが次のグラフ。高齢者の比率が漸増し、他の層が少しずつ減っている様子が見て取れる。

↑ 自動車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:16-24歳と、高齢層:65歳以上)(比率)(-2014年)
↑ 自動車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:16-24歳と、高齢層:65歳以上)(比率)(-2014年)

最初のグラフを見直してみれば分かるように、高齢層も2007年までは減少、2008年以降は横ばいを推移している。他方それより下の層は(人口そのものの漸減も一因だが)確実にその数を減らしており、結果として全体に占める高齢層の比率は少しずつ上乗せされる形となる。14年の経過で2.5倍近くの比率増加は、看過できない状況に違いない。現在では自動車乗車中の事故死亡者のうち4割強が高齢者という結果が出てしまっている。



高齢者数そのものの増加や、自動車保有率の変化(ライフスタイルや可処分所得の多い少ない、居住地域の便宜性の問題から、若年層は自動車の利用が減り、高齢者が増える)を鑑みると、高齢者の自動車乗用中による死者「数」は現時点のようなもみ合い状態が継続、あるいはさらに増加トレンドに転じる可能性も否定できない。要は該当層人口の増加率が、取り締まりや技術進化による減少率を上回ってしまうリスクがある。【高齢者運転の「もみじマーク」、今日から「四つ葉マーク」が仲間入り】の話でも触れているが、片意地を張らずに現状を認識した上で運転する・しないの判断をしてほしいものである。無論それに合わせて地域社会における居住環境の整備問題、特にインフラ周りについては、さらなる検証と対策が求められる。

なお余談ではあるが、自動車だけでなくバイクなども含めた「原付以上の運転者」における死亡事件数を、「各年齢階層の免許保有者数」を考慮してグラフ化すると次の図になる。この図なら、「年齢によって人口数に対する免許取得者比率が異なる」状況を考慮しなくても済む。

↑ 原付以上運転者(第1当事者)の年齢階層別免許保有者10万人あたり死亡事件数の推移(各年12月末)(-2014年)
↑ 原付以上運転者(第1当事者)の年齢階層別免許保有者10万人あたり死亡事件数の推移(各年12月末)(-2014年)

未成年者の事故死亡率は一番高いものの、他の世代同様大きな減少傾向にある。もっともこの数年は大きな起伏の中でボックス圏を形成しているような動きを見せ、これ以上の減少を示すか否かは判断が微妙なところ。他年齢階層は元々値が低いことも合わせ、ここ数年はいずれも減少幅を縮小し、あるいは横ばいに移行するそぶりを見せる層もある。

今後未成年の動きが横ばいのボックス圏では無く再び下方に向きを変えることになれば、75歳以上の高齢層にさらに近づくかもしれない。両年齢階層の人口動向から察するに、そのような状況はこの数年のうちに現実のものとなって表れる可能性は否定できまい。


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