自動車の国内需要をグラフ化してみる(2015年)

2015/03/20 08:00

日本自動車工業会は2015年3月19日、2014年における新車の販売台数と2015年の見通しを発表した。それによると2014年の自動車(四輪車)の需要は556.3万台・前年比プラス3.5%の実績を示した一方、2015年には504.2万台・前年比マイナス9.4%の落ち込みを見せる予想を算出したことが明らかになった。2015年における減少理由は主に軽自動車税増税に伴う駆け込み需要の反動と説明している(【発表リリース:2014暦年(平成26暦年)自動車国内需要見通し】)。

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リリースなどによると2014年の需要結果、そして2015年の需要予想の概要は次の通りとなる。景気動向全般では、緩やかな回復感に伴う需要の拡大や経済対策による公共投資の下支えがある一方、一部車種では主要ユーザーの構造的・継続的減退による減少が生じている。またトラックなどの商用車は震災に伴う短期的な需要増加はほぼ終焉を迎えたものの、建設業の状況改善に伴い、引き続き堅調な推移を示している。

各種制度変更による影響を見ると、2014年4月に実施された消費税率の引き上げに伴い、それ以前の駆け込み需要による特需とそれ以降の反動による需要の冷え込みが発生し、需要は頭を抑えられる形となった。他方、2015年4月以降に購入した新車の軽自動車に対する軽自動車税が5割増し(同じ軽自動車でも業務用や自家用貨物車は1.25倍ほど)に増税されるのに伴い、軽自動車に対する特需が発生。大きく需要を底上げしている。

2015年の予想については、引き続き景況感の回復による底上げがある一方、軽自動車税増税の反動が大きく足を引っ張り、また公共投資の下支えの減衰、輸送需要の継続的・構造的な減少の影響を受け、自動車全体では9%強ほどのマイナスが予想される。

↑ 2014-2015年自動車国内需要実績・見通し(前年比)
↑ 2014-2015年自動車国内需要実績・見通し(前年比)

今回のリリースには1989年以降の各種データが公開されている。そこでそのうち自動車について、グラフ化を行い需要動向を確認する。まずは全体の単純推移。

↑ 自動車国内需要(台)(-2014年)
↑ 自動車国内需要(台)(-2014年)

この後の各種グラフにもいえることだが、2003年に計測方法の変更(登録車の分類基準を、シャシーベースからナンバーベースに変えた)が行われており、データの完全な連続性はない。特にトラックで差異が大きく生じているので注意が必要となる。しかしその非連続性を考慮しても、日本国内における新規自動車の需要は漸減していたことが把握できる。

とりわけ2011年は震災の影響が大きく、400万台の割り込みすら懸念された。しかしその翌年の2012年では需要は反転する形で盛り上がりを見せる。水準としては2007年のそれに近い値にまで戻しており、特異な動きだった。直近の2014年は2013年に続き景況感の回復などを受け、前年の値をいくぶんながらも上回る形を示すこととなった。もっとも次年は複数のマイナス要因が足を引っ張ることから、工業会の予想通り、落ち込みを見せることになるだろう。

続いてこれを主要車種別に分けたもの、さらに車種別の需要推移、そして2014年における自動車需要の各車種別割合を前年比でグラフ化する。

↑ 自動車需要台数推移(台)(-2014年)
↑ 自動車需要台数推移(台)(-2014年)

↑ 自動車国内需要前年比
↑ 自動車国内需要前年比

↑ 自動車需要(車種別比)(2014年)
↑ 自動車需要(車種別比)(2014年)

昨今の燃料費高騰のあおり(もっともこの半年ほどの間は値下がりを見せているが)、さらには経費の削減(要求)、自動車利用状況における利用人数の減少(≒少子化・核家族化)などもあり、燃料コストを低く抑えられるコンパクトな軽自動車が、他車種と比べて高い伸び率を示している。特に2014年は上記の通り、2015年4月からの増税をひかえて駆け込み需要が発生しており、前年比で8.8%もの伸びを示す形となった。

現在進行年である2015年分は自動車総計で約52万台ほどの販売数減退が予想されている。特に乗用車の軽四輪車(軽自動車)の落ち込みは大きく、全減退数のほぼ半分となる約27万台もの減少が見込まれている。



やや余談となるが、各年の自動車需要全体に占める、普通・小型四輪車と軽四輪車、つまり普通・小型自動車と軽自動車の比率の推移をグラフ化すると次の通りとなる。

↑ 自動車の国内需要全体に占める普通・小型自動車と軽自動車の比率推移
↑ 自動車の国内需要全体に占める普通・小型自動車と軽自動車の比率推移

↑ 自動車の国内需要全体に占める普通・小型自動車と軽自動車の比率推移(2001年-)
↑ 自動車の国内需要全体に占める普通・小型自動車と軽自動車の比率推移(2001年-)

多少の凸凹はあるが、普通・小型がほぼ横ばいなのに対し、軽は一様に上昇を続けている。そして2010年以降は普通・小型が漸減、軽が漸増という、相反する形での流れにあるのが印象的。仮にこのままの状況が続いても、年間の両者需要が逆転するのには10年単位の年月が必要になるが、自動車へのトレンドが確実に変化していることを再確認できる流れではある。


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