コンサートやライブなどへの参加状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/04/09 05:37

物理媒体のCDだけでなくデジタルによる音源データで音楽を取得・聴取する環境が整い、言葉通り「音を楽しむ」様式が大きく変化したことを受け、音楽に対する人々の機運にも大きな変化が表れている。音楽を聴取することそのもののハードルが下がり、満足感が容易に得られなくなった、他人との差別化が難しくなったため、より刺激を受けることができる、五感をふるわせる、他人との時間共有を肌身で感じ取れる、そして非日常的な時間を過ごせる「音楽」が楽しめる、ライブやコンサートに注目が集まっている。またソーシャルメディアの普及に伴い、実体験を容易に公知し、特別感を他人にシェアできるようになったのも、リアル体験が可能なライブなどへの需要を底上げしている。今回は日本レコード協会が2016年3月に発表した最新調査の結果「音楽メディアユーザー実態調査 2015年版(公表版)」をもとに、その実状を確認していく(【発表リリース:2015年度「音楽メディアユーザー実態調査」報告書公表】)。

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調査対象母集団の要項は今調査に関して先行する記事【「有料音楽離れ」も「音楽離れも」…世代別の「音楽との付き合い方」をグラフ化してみる(2016年)(最新)】を参照のこと。

冒頭で解説の通り、音楽の聴取スタイルの変化やソーシャルメディアの普及浸透に伴い、コンサートやライブの需要が大きく増大している。これは【CDの売上落ちてるけどコンサートはバリバリ人気なんだってさ、いやマジで】で言及しているが、関連団体による統計値からも明らかにされている。とりわけ2011年以降は公演数も入場者数も急増し、明確な上昇トレンドに入ったことが分かる。

今回の報告書でも、コンサートやライブなどのリアル参加型のイベントに関する利用性向が調査項目として挙げられている。次に示すのは主要な種類別のライブやコンサートへの利用参加状況。過去一年間にどれだけ足を運んだのかについて答えてもらっている。また回答回数範囲の中央値を元に、平均値を概算ながらも算出したので、それを併記しておく。

なお「ライブビューイング」とあるが、これはライブやコンサートなどをリアルタイムで、別の会場(多くは映画館)で観るイベントのこと。企業の発表会や株主総会で会場に入りきれないお客のために、別会場から中継映像を出力して疑似参加させることがあるが、仕組みはそれと同じ。ライブやコンサートは同一のコンテンツを体感したい人の集まりであることから、生でリアルの対象を観ることはできないものの、同じ志を持つ人との一体感を堪能できることで、十分な満足感を得ることができる。また映画館は集客機会を得られ、コンテンツ提供側はより多くのファンのハートをつかみ、関連アイテムの販売機会を確保できる。

↑ コンサート・ライブなどへの参加回数(過去一年、2015年)
↑ コンサート・ライブなどへの参加回数(過去一年、2015年)

↑ コンサート・ライブなどへの参加回数(過去一年、2015年)(概算平均値、回数)
↑ コンサート・ライブなどへの参加回数(過去一年、2015年)(概算平均値、回数)

日本人のコンサートなどへの参加者は回数を問わなければ2割強。5人に1人以上はコンサートに足を運んでいる。来日した海外のアーティストのならば5.9%とやや少なめだが、それでも17人に1人。大型ライブならば4.1%。ライブビューイングは2.4%とまだ少なめ。他方、プロモーションなどでよく開催される無料のライブやイベントなどには8.8%が足を運んでいる。

2回以上で限定しても、日本人のアーティストのコンサートには8.6%、海外の人のコンサートは2.4%。コンサート系の関連団体による「ライブコンサートは最近盛況です」との話が実感できる値ではある。

一度も足を運んでいない人も合わせた全体的な平均値でも、日本人のコンサートは年に0.55回。無料のイベントならば0.22回。コンサートに足を運んだことがある人に限定すれば年に2回前後と、それなりに高い頻度での参加が確認できる。ある意味ライブコンサートは音楽好きにとってハレとケの概念におけるハレ的な存在、地域のお祭りのような立ち位置になりつつあるのかもしれない。距離的な問題をある程度解決できるライブビューイングが今後浸透していけば、この傾向はさらに強まることだろう。


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