世代で大きく変化する「良く聴く音楽のジャンル」(2016年)(最新)

2016/04/14 05:06

音楽を聴くことは趣味趣向の一つであり、当然自分が好きな曲、アーティストの作品に積極的に耳を傾けるようにするもの。相性的に合わないタイプの曲ならばスイッチを切り、その場を離れ、購入しない選択肢を選ぶ。それでは音楽の好き嫌いの傾向は、年齢階層・世代によって違いがあるのだろうか。日本レコード協会が2016年3月に発表した最新調査の結果「音楽メディアユーザー実態調査 2015年版(公表版)」をもとに、その実状を確認していく(【発表リリース:2015年度「音楽メディアユーザー実態調査」報告書公表】)。

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皆に好かれる和のポップスなど、好き嫌いが分れるクラシックやジャズ


調査対象母集団の要項は今調査に関して先行する記事【「有料音楽離れ」も「音楽離れも」…世代別の「音楽との付き合い方」をグラフ化してみる(2016年)(最新)】を参照のこと。

次に示すのは年齢階層・世代別に回答者を仕切り分けした上で、普段どのようなジャンルの音楽を聴くかについて尋ねた結果。複数回答だが、同時に普段から能動的には音楽を聴かない、つまり今件設問では回答をしないであろう人も含めた結果であることに注意。

↑ 普段よく聴く音楽のジャンル(2015年、複数回答)
↑ 普段よく聴く音楽のジャンル(2015年、複数回答)

幅広い層に聴かれているのは日本のポップスやロック、ダンスミュージック。成人では7割から8割が「よく聴く」と認識しており、60代でも4割強が肯定している。学生でも6割から8割。該当項目のグラフの面積が層の厚みを体現している。他方、海外のポップスやロック、ダンスミュージックは日本のものと比べると半分以下で、未成年層と成人層との差異がやや大きい。日本の曲はともかく、海外のは学生界隈には受け入れられにくいようだ。

学生層ではむしろ、アニメや声優、ゲームやネット、ボカロ系の音楽の方がよく聴取されている。大よそ5割強を維持し、この年齢層では海外のポップスを上回る値となっている。もっともアニメなどは20代社会人までが聴取の対象としての認識で、30代以降は急激に回答率が下落する。アイドル系の音楽も近い動きだが、未成年層の熱狂ぶりは見られない。代わりに成人となってもそれなりによく聴かれている。熱しにくいが醒めにくい、ということか。

アニメや声優などと反する動きを示すのはクラシックやジャズ、そして演歌・歌謡曲など。特に演歌などは40代以降で急激に値を伸ばしていく。

期待市場を類推する


良い機会でもあるので、調査結果の値を基に、ある試算を行うことにする。それぞれの属性の回答率と回答者数(ウェイトバック後)の値と、各属性の「有料聴取層」(調査時点までの半年間に音楽を聴くために対価を支払った経験がある人。つまり音楽への対価支払いが十分に期待できる人)の比率を掛け合わせ、調査対象母集団数全体に対する比率を算出。各ジャンルにおいてそれぞれの属性がどれほど(対価が発生する)お客様となり得るかを指数化した。

例えば日本のポップスやロック、ダンスミュージックでは、中学生が0.012、30代が0.061となっているので、市場規模の上では30代は中学生の5倍ほどの「お客様」の数が見込める計算となる。その年齢階層の人数が多くても、その層で「有料聴取層」率が小さければ、対価が発生する人の数はあまり期待できないことになる。合わせ、すべての年齢階層を足して、それぞれのジャンルの購入期待値も算出した。

↑ 普段よく聴く音楽のジャンルから推計した購入期待値(2015年)(年齢階層別)
↑ 普段よく聴く音楽のジャンルから推計した購入期待値(2015年)(年齢階層別)

↑ 普段よく聴く音楽のジャンルから推計した購入期待値(2015年)(全体)
↑ 普段よく聴く音楽のジャンルから推計した購入期待値(2015年)(全体)

日本のポップスやロック、ダンスミュージックの購入期待値は断トツで0.271。海外物はその半分程度でしかない。アニメや声優などはそれに及ばないが、僅差と表現できるほどまでの値を示している。またクラシックやアイドルミュージックなどと比べれば多分に高い値であるのも事実。

年齢階層別に見ると、全体値で高い値を示す日本のポップスやロック、ダンスミュージックは大学生や20代から40代までが主に支えていることなど、それぞれのジャンルの市場の(売上的)後押しが、どのような世代から強い影響を受けているのかが分かる。

もちろんこの期待値は人数ベースのもの。「有料聴取層」における一人一人の購入性向までは考慮していないので、小さからぬぶれが生じていることは否めない。例えばアニメや声優のファンで「有料聴取層」に該当する人は、年に何曲も楽曲を購入していることは容易に想像できる。

それでもなお、概算的な市場把握、購入層の実情を大まかな形で把握するのには、役立つ値に違いない。


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