主な音楽を聴く機会、YouTubeがトップでテレビが続く(最新)
2020/04/23 05:16


スポンサードリンク
調査対象母集団の要項は今調査に関して先行する記事【年齢階層別の「音楽との付き合い方」をグラフ化してみる】を参照のこと。
次に示すのは調査対象母集団において主な音楽の聴取手段とされるルート。冒頭で触れた通り日々の生活の中では音楽と接触する場面、機会は多々あるが、今件は回答者が能動的に「音楽を聴きたい」との意志の下で利用する手段であり、無意識のうちに耳に入ってくる機会とは別。先の例なら、テーマソングを聴くために商店街に足を運ぶ人はいないが、音楽が聴きたいためにカーラジオのスイッチを入れる人はいる。
なお「コンサート・ライブなどの生演奏」における「(単数)」「(複数)」とはアーティスト数を意味する。

↑ 音楽聴取手段(複数回答)(2019年)
最上位はYouTube。5割台の人が「音楽を聴きたい時にはYouTubeを使う」と答えている。本来は動画共有のサービスサイトではあるが、今や音楽の取得場としても幅広い認識を集めている。実際、新曲のプロモーションの場としてもYouTubeは大いにその効用を発揮している。
次いで多いのはテレビ。4割台の人が音楽聴取ルートとしてテレビを思い描いている。同じ4マスとしてのAM・FMラジオは第5位で2割台。テレビを観ている人、ラジオを聴いている人は自然に音楽も耳に入るが、あくまでも今件は「音楽を聴く目的でスイッチを入れていると自認している人」に限られる。
次いで多くの人が挙げているのは音楽CD。これは直接購入したもの以外にレンタルCD、他人から借り受けたものも含む。似たような回答に音楽CDからコピーした楽曲ファイルが第4位に入っているが、これは聴きたい対象の曲は同じで、聴くメディアが異なるだけの話。実質的に機動性に高いスマートフォンや携帯音楽再生プレイヤーで聴くためだけに、音楽CDを購入し、データ化したらCDそのものはお蔵入りとの使い方をする人も少なくあるまい。
YouTube以外の無料動画配信サイトは21.3%、定額制優良音楽配信は16.4%、無料音楽配信アプリなどは14.9%。1-2割台ではあるが、これらのサービスで音楽を聴取する人は確実に存在する。しかし同時に、その程度でしかないのも事実。
リアルな体感も楽しめるとの観点で注目を集めているコンサートやライブは、単数が17.3%、複数が7.4%。お目当てのアーティストにターゲットを絞り、足を運ぶ人が多いようだ。
前年に実施された同様調査の結果との差異を算出したのが次のグラフ。上位陣のみを取り上げている。

↑ 音楽聴取手段(複数回答、前年比、ppt)(2019年)
YouTubeや音楽CD、音楽CDからコピーした楽曲ファイルが大きく減り、YouTube以外の無料動画配信サイトが大きく増えている。定額制優良音楽配信なども増えているのと合わせ、インターネットサービスを使った音楽聴取の手立てが多様化したということだろうか。
また、テレビやAM・FMラジオが増加しているのは意外だが、それ以上にコンサート・ライブなどの生演奏(単数)が増えているのは注目に値する。
今件調査がインターネット経由であるのも一因だが、「音楽を聴く」との認識で使っている手段として、すでに物理メディアがデジタルサービスに抜かれている現状は、興味深い話に違いない。また、体験型音楽聴取手段とも表現できるコンサートやライブなどの生演奏が、少なからぬ人にとって「主な音楽の聴取手段」と認識されている点にも、大いに注目すべきだろう。
■関連記事:
【主要国の携帯・スマホでの音楽を聴くスタイルをグラフ化してみる(ICMR2013版)】
【クルマからスマホへ…若者のパートナーの変化】
【ナルホド納得、大学生の自由時間の過ごし方トップは「インターネット閲覧」】
スポンサードリンク
関連記事
