深夜にラジオはどこまで聴かれているのか…ラジオの聴取動向をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/03/27 11:13

【首都圏ラジオ調査】にもある通り当サイトでは定期的に首都圏における調査結果をもとに、ラジオの聴取動向を確認している。この公開値は朝6時から夜ゼロ時までの聴取を対象としたもので、いわゆる深夜帯の動向は対象外となっている。今件に関して勉強や仕事の合間に、あるいは就寝前に布団の中で深夜ラジオ番組を聴いている人も多分にいるのではとの指摘があった。そこで今回はNHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した2015年国民生活時間調査の報告書などを用い、深夜帯も含めたラジオの聴取動向を確認していくことにする(【発表リリース:2015年 国民生活時間調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)】で記載済みなのでそちらを確認のこと。

「国民生活時間調査」は5年おきに実施・結果の概要などが公開されており、直近となる2015年分と同一基準での調査が行われたのは1995年分以降。しかし現時点では2005年分以降の値に限り、報告書の形で比較的詳細なデータを取得することができる。そこで2005年・2010年・2015年と計3回分の調査結果を元に、各年の全体におけるラジオ(聴取)行為者率(各時点でラジオを聴いている人の割合)の推移を抽出し、ラジオの聴取がいかなる状況なのかと共に、変化が生じているのか否かを精査していく。国民全体、つまり調査対象母集団全体の動向のみの精査となるが、深夜帯の動きも分かる形となっている。

まずは直近分、2015年における平日・土曜・日曜のラジオ行為者率。30分おきの動向となっている。

↑ ラジオ行為者率(2015年、曜日別)
↑ ラジオ行為者率(2015年、曜日別)

意外といえば意外だが、ラジオは土日よりも平日の方が良く聴かれている。これは今件ラジオ聴取の領域が【ラジオを聴く人は約1割、日曜聴取は下げ止まりか】でも説明の通り、物理的なラジオ機器以外に、カーラジオはもちろん、らじる★らじる、radiko(ラジコ)経由からの聴取も該当するため。ラジオの種類別動向までは確認できないものの、男性就業者によるカーラジオ聴取が多分に値を底上げしていると考えられる。

また朝食時は上昇する一方で昼食時は逆に減少する、夕食時の上昇が見られないなど、食事とラジオの関係は、テレビのそれとは随分と違う実態も確認できる。

深夜帯の動向だが、日中よりは低めの値を示し、夕食後の減退からさらに値を落とすものの、一定率で聴取が続けられているのが分かる。平日や土曜より日曜のゼロ時以降における深夜帯の行為者率が高いのは、土曜の夜から日曜の朝にかけて夜更かしをしながらラジオを聴いているものと考えられる。日曜は遅く起きることが可能だからだ。ただしそれでも深夜帯の聴取率は1%を切る程度でしかない。

これをデータ取得が可能な2005年・2010年・2015年分につき、曜日毎にその動向を重ねたのが次のグラフ。

↑ ラジオ行為者率(平日)
↑ ラジオ行為者率(平日)

↑ ラジオ行為者率(土曜)
↑ ラジオ行為者率(土曜)

↑ ラジオ行為者率(日曜)
↑ ラジオ行為者率(日曜)

一部イレギュラーが生じている部分もあるが、大よそ昔ほど聴取率は高く、現代に近づくに連れて聴取率は減少している。平日は通常の人が起床している時間帯の減少が大きく、深夜帯はゼロ時を過ぎるとあまり変わらない。土曜は昼夜を問わず減っている。そして日曜は夕食時やその後の減り方が大きい。特にその日曜の動きに代表されるように、食事時やその後、とりわけ夕食に係わる時間帯の減少が著しく、一家団らんやその後のプライベートな場面におけるラジオの立ち位置が弱くなっていることがうかがえる動きが見えている。

一番古い値となる2005年分を基準とし、2010年と2015年の減退具合を差の%ポイントで示すと、その実情が良くわかる。

↑ ラジオ行為者率(平日)(2005年からの変移)(ppt)
↑ ラジオ行為者率(平日)(2005年からの変移)(ppt)

↑ ラジオ行為者率(土曜)(2005年からの変移)(ppt)
↑ ラジオ行為者率(土曜)(2005年からの変移)(ppt)

↑ ラジオ行為者率(日曜)(2005年からの変移)(ppt)
↑ ラジオ行為者率(日曜)(2005年からの変移)(ppt)

平日は朝食時に大きく下がり、昼食までは減少傾向が続き、夕食時に再び大きく下がる。土曜日はやや波が粗いが朝食時と夕食時前後に大きめの減少、そして日曜は朝食後と夕食時間帯に大きな下げが確認できる。中でも日曜の夕食後の下げ方は注目に値する。

他方、深夜帯の下げ幅はほとんど無い。元々聴いている人が少数なのも一因だが、深夜ラジオを好む人は、この10年ぐらいではさほど変わりがないということになる。

今件はあくまでも10年間・基準年から2回経過したもののみの動向でしかない。傾向だった動きかを判断するのには調査回数の不足は否めないが、調査対象母集団全体≒国民全体におけるラジオの聴取スタイルに、少しずつ変化が生じている、ラジオ離れが進んでいる雰囲気は把握できよう。同時に深夜帯はごく少数ではあるが、ラジオを聴いている人は存在することもまた事実に違いない。


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