嵐の中の騒がしさ…野村證券、2016年2月分の個人投資家動向発表

2016/02/13 05:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2016年2月12日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2016年2月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で下落し、54.6を示すこととなった。株価の先行きに関しては「大規模な上昇」を見込む意見が先月と比べ大きく増加、「中規模な下落」「大規模な下落」を見込む意見も増加しており、回答当時の今後の予想が二分されている状況を示している。

スポンサードリンク


今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2016年2月1日から2月2日に行われたもので、男女比は83.3対16.7。年齢層は60代以上がもっとも多く36.9%、次いで50代が30.2%、40代が23.6%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く31.8%、500-1000万円が16.5%、5000万円以上が14.2%と続いている。回答者の投資経験年数は10-20年未満が最高比率で35.4%、次いで20年以上が32.6%。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で42.5%と4割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が27.9%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は54.6ポイント。前回から0.8ポイントの下落。前月の上昇から転じる方向性の動き。この時期、日経平均株価は前月比で600円近い下落を示していたが、その時点においてさらなる下落を予想する人が増えた形となる。軟調さが継続するとの認識だったのだろう。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で77.3%。前月分の77.7%からは0.4%ポイントの下落。こちらも投資指数同様に減少している。「2000円程度上昇」「1000円程度上昇」の回答率が前月から大きく減り、「2000円以上上昇」がやや大きめ、「2000円程度下落」「2000円以上下落」がそれなりに落ちている。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示した。また「国内金利動向」の値が大きく伸びている。「為替動向」も前月比でプラスに。

・魅力的な業種は「医薬品」「自動車」「資本財・その他」「通信」「運輸・公共」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「消費」「電気機器・精密機器」「素材」「金融」はマイナス圏。「運輸・公共」は先月から続き増加中。「医薬品」も大きく増加。一方で「金融」は大規模な減少を示している。金利政策の影響が「金融」カテゴリ銘柄に関する限りでは、投資家心理にはマイナスとなったのが良くわかる動きではある。

・ドル円相場に対する見通しは大きな変化はないものの、「円高ドル安」派が増え、「円安ドル高」派が減っているいる。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「イギリスポンド」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はマイナス57.5をつけている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値では「国内株式」が増加を計上している。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソニー(6758)
3位……ソフトバンクグループ(9984)
4位……武田薬品工業(4502)
5位……みずほフィナンシャルグループ(8411)

鉄板のトヨタ自動車は別として、武田薬品工業も先月から続く上位入り。他方大手銀行グループは前回月から順位を落としており、みずほがかろうじて上位5位に留まる形。上位常連のイオン(8267)は今回第7位、ソニー(6758)は前回の第12位から大きな上昇を示した。もっとも第2位のソニーは回答数が27でしかなく、数票で順位変動が生じるほどの僅差にあるため、実質的にはトップのトヨタ(139票)以外、2ケタの票を取得した銘柄に関してはほぼ横並びと見た方が良いかもしれない。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月ではその姿は確認できない(7票未満の得票しかない)。安定感の強さが株価にも連動しうる要因ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。



今年に入ってから中国市場の急落、原油市場の低迷、さらに為替市場の急激な円高化と欧州における金融危機の再燃リスクの露呈など、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も大軟調状況が続いている。大よそ外部要因によるところのもので、タチが悪いのも特徴。

次回の調査時期までに市場動向が持ち直しの機運を持つにいたるのか、それともなお低迷が続くのか。無論前者であることが望ましいのだが。


■関連記事:
【定期更新記事:ノムラ個人投資家サーベイ(野村證券投資調査部発表)】(過去記事一覧まとめ)
【原油先物(WTI)価格の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【景気ウォッチャーの指標動向から消費税率改定後の景気行き先を推し量ってみる】
【原油安とロシア、キューバ・アメリカの関係改善のつながり】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー