一人身のシニアは若者よりもコロッケが好き…世代別・単身世帯の揚物や惣菜などの支出比率をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2015年)

2016/03/09 11:00

かつてはスーパーやデパートの食品売り場の花形だった、各種揚げ物などの惣菜。昨今ではコンビニ大手がこぞってフライヤーの機能拡大を図り各種揚げ物をはじめとしたおかず用の惣菜(カウンターフーズ)を充実させ、中食需要をさらに加速化させている。今回は総務省統計局が2015年2月17日にデータ更新(2014年・年次分反映)を行った【家計調査(家計収支編)調査結果】の中から、個人の消費性向が分かりやすい単身世帯にスポットライトを当て、フライ系を中心とした主要な中食系食材の状況を確認していくことにする。

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コロッケは意外にシニアが買っている


家計調査の年次データから「コロッケ」などいくつかの揚げ物、そして惣菜関連についてピックアップし、世代ごとの購入金額をチェックすることで、個々の食材の利用度合いを確認する。それぞれの対象項目について【収支項目分類及びその内容例示(平成22年1月改定)】(現時点で最新版)から説明を抽出すると次の通りとなる。

↑ 主な中食用食材の内部解説

また、家計調査では単身世帯の世代について、34歳以下(若年層)・35-59歳(中堅層)・60歳以上(高齢層)に区分している(65歳以上の特化区分もあるが省略)。そこでこの年齢区分に従い、各種計算をしていく。

まずは月次換算をした、単身世帯・各世代の食費総額。単身世帯なので当然、世帯主本人のための購入になる。今件だけでなく、単身世帯の平均食費代として参考にできそうな値ではある。

↑ 単身世帯世代別・食費(月次)(円)(2012-2014年)
↑ 単身世帯世代別・食費(月次)(円)(2012-2014年)

大体月4万円台。中堅層がやや高めなのは、飲み代などが含まれ、さらに他の食費項目でも他世代と比べ、多少ながらもぜいたくな購入性向によるところが大きい。また2013年の値と比べると、全ての世代で金額が積み増しされている。特に中堅層の上昇度合いが大きい。

続いて月次換算をした、各項目の支出額。世代別の購入性向に随分と違いがあるのが分かる。

↑ 単身世帯世代別・該当食費項目の月次支出(円)(2014年)
↑ 単身世帯世代別・該当食費項目の月次支出(円)(2014年)

今回「揚物」と「惣菜」にスポットライトをあてたのは、冒頭で解説した通り、双方ともコンビニやスーパーなどではお馴染みの「お手頃食材」の代表格であり、自宅に持ち帰って食べる「中食」の商品であること、特にフライ系は「若年層が購入するイメージが強い」のを起因としている。そして単身世帯を対象としたのは、こちらも冒頭で解説の通り、利用性向の対象が明確化出来る点に加え、今後世帯全体比で「単身世帯」の比率が増えること、さらには若年層・高齢層共に「単身世帯」における食生活の動向が、小売各社の店頭展開・食品メーカーの商品開発にも浅からぬ関連・影響があるからに他ならない。

コンビニのレジ前に設置された専用揚げ物棚「フライ系は若年層が購入するイメージが強い」は、そのような油味の強い食品を「若年層が好んでいる」イメージがある。一方、当方(不破)自身、100均ショップやスーパーでお歳を召した方がフライヤーの揚物を注文・購入する場面をしばしば見かけており、「実態はどのような状況」なのか、数字の上から確かめたいとの意図もある。

今データを見る限り、惣菜の棚からの購入・レジ横ケースを見ながらの注文などルートは一つではないものの、「コロッケ」は若年・中堅層より高齢者の方が調達額は上。「カツレツ」も若年層と比べれば大いに購入している。「高齢者は油系の食材を苦手としている」とのイメージは、あくまでも想像上のものでしかない。さらに「カツレツ」より「コロッケ」の方が人気なのは、そのメジャー度合、お手軽さ、そして柔らかさがポイントだと考えられる。

中食の浸透と共に注目を集めている「そうざい材料セット」「他の調理食品のその他」も、シニアの購入額は大きめ。調理そのものの手間をかけたくない高齢者の需要に、惣菜の材料や各種調理済み惣菜は適している。ただし「冷凍調理食品」を使うのには抵抗があるようで、高齢者の利用性向は他世代とさほど変わらない。

食費全体に占める割合は?


各食材の支出額を、各世代の食費全体に占める比率でグラフ化したのが次の図。

↑ 単身世帯世代別・該当食費項目の食費全体比(2014年)
↑ 単身世帯世代別・該当食費項目の食費全体比(2014年)

金額以上に高齢層の利用性向の高さが再認識できる。「他の調理食品のその他」だけで食費全体の4%強。若年層の2倍以上。「天ぷら・フライ」は1%強を示している。



今後単身高齢者が増えることは間違いない。昨今問題視されている「買い物困難者」も、これが一因。そして毎日の食生活を支える存在として、スーパーやコンビニなどの食品販売店は言葉通り「ライフライン」としての立ち位置を強めていく。

各店舗側も今件の揚げ物のように、世間一般のイメージと異なる商品需要も合わせ、多種多様な需要の変化に対応していくに違いない。特にコンビニでは、そのリサーチ能力をフルに活かし、各種対応を逐次行っているように見える。その対応が引き起こすドミノ的影響も合わせ、今後も注視を続けたい。


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