米中露韓への日本人の親近感の現状を男女別・年齢階層別に検証(最新)

2024/01/31 02:42

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2024-0122先行記事【日本のアメリカ合衆国への親近感87.4%、対中親近感はやや悪化(最新)】で内閣府が2024年1月19日に発表した外交に関する世論調査を基に、日本人が有する諸外国への親近感の現状を確認した。今回は対象国を主要国のアメリカ合衆国、中国、ロシア、韓国の4か国にしぼり、男女別と年齢階層別に、その詳細を見ていくことにする。それらの属性により、親近感に違いはあるのだろうか(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査に関する調査要項などは先行記事「日本のアメリカ合衆国への親近感87.4%、対中親近感はやや悪化(最新)」を参考のこと。その記事の通り、諸外国、あるいは地域毎に親しみを抱いているか否かに関して、「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の4選択肢を提示、その中から自分の心境にもっとも近いもの一つを選んでもらうことで、該当国への親近感を推し量る項目が今調査にはある。

そこでそのうち「親しみを感じる(強)」「どちらかというと親しみを感じる(弱)」の動向を、主要国として今回抽出したアメリカ合衆国、中国、ロシア、韓国について、男女別と年齢階層別にグラフ化したのが次の図。「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」は設問した意図に該当しないまでの話で、単に「親しみの対象にはならない」との意志表示でしかなく、「無関心(「分からない」ではない)」「嫌い」の双方が該当しうるため、比較の意味合いは薄いことから、今回は検証から除外している。

4か国のグラフにおいて縦軸の区分はすべて統一してあるため、個々の国に対し持っている親近感の度合いが容易に比較できるようになっている。

↑ アメリカ合衆国に親近感を持つ人(2023年)
↑ アメリカ合衆国に親近感を持つ人(2023年)

↑ 中国に親近感を持つ人(2023年)
↑ 中国に親近感を持つ人(2023年)

↑ ロシアに親近感を持つ人(2023年)
↑ ロシアに親近感を持つ人(2023年)

↑ 韓国に親近感を持つ人(2023年)
↑ 韓国に親近感を持つ人(2023年)

アメリカ合衆国に親近感を持つ人は属性でさほど違いは無いが、女性よりは男性の方が強度の親しみを覚えているのが確認できる。年齢階層別では40代を底として、若年層と高齢層では強い親近感が生じている。強弱合わせた親近感の合計値が一番低い属性は18-29歳。

中国では男女別では男性の方が親近感の合計は高く、年齢階層別ではおおよそ若年層ほど高い値が出る傾向がある(70歳以上でやや高めな値が出ているが)。

全体値で最低値を示したロシアでは30代でやや高めな値だが、正直なところ誤差の範囲での差異とも解釈できる。18-29歳と30代では強い親近感がゼロ。ここまで低い値となってしまっているのは、ひとえにロシアによるウクライナへの侵略戦争が影響しているのだろう。

韓国では男女別では女性、年齢階層別では18-29歳を筆頭に若年層の親近感が高い。若年層が高めに出るのは他国でも見受けられるが、強度の親近感が18-29歳において突出する形で高い値を示しているのは、数年前までブームだった「韓流」「K-POP」などの影響が、まだこれらの層に残っていることがうかがえる。あるいは現状でもまだブームの類が数字として出ているのかもしれない。

強弱を問わずに親近感を持つ層を合算し、それぞれの国の属性別動向をまとめたのが次のグラフ。

↑ 対象国に親しみを持つ人(強弱合計)(2023年)
↑ 対象国に親しみを持つ人(強弱合計)(2023年)

アメリカ合衆国の安定した高さ、韓国の特異性(女性や若年層における親近感の突出した高さ)などが改めて確認できる。あくまでも総合的な評価として親近感を覚えるか否かではあるが、日本の対外施策や社会的事案の検証の際に、指標の一つとなる動向には違いない。


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