日本の常任理事国入り、国内賛成派は約3/4(2014年)

2014/12/23 14:00

内閣府は2014年12月22日、外交に関する世論調査の結果を発表した。それによると調査時点において、日本が「国連の安全保障理事会における常任理事国入りすること」に賛成の意見を持つ人は約3/4の割合であることが分かった。反対派は1割にも満たない。過去からの推移を見ると、イラク戦争とその後の国連平和維持活動(PKO)時においてやや反対派が増加する動きを見せているが、それを除けば全般的に賛成派が増えている。また昨年との比較では分からない派・反対派が増え、賛成派が減っているのが確認できる(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査に関する調査要項などは先行記事【日本のアメリカへの親近感83%、中韓への親近感は過去最低に】を参考のこと。

国連の主要機関の一つである安全保障理事会は、常任理事国5か国と非常任理事国10か国から構成されている。前者はアメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国で不動だが、後者は2年単位で改選が行われる。今件に絡み日本が安保理の常任理事国に加わるか否かについて、どのような考えを持つのかを「日本国内で」尋ねた結果が次のグラフ。賛成が35.2%・どちらかといえば賛成が40.5%となり、合わせて75.7%が賛成派という結果になった。

↑ 国連安全保障理事会の常任理事国入りについて
↑ 国連安全保障理事会の常任理事国入りについて

反対派が少ないのは赤系統の面積が小さいことからも明らかだが、「特に強い意志での反対」を意味する、濃いオレンジ部分がわずか2.2%でしかないことに注目したい。賛成派はその内部では半数近くが強い意思での賛成なのに対し、反対派の強い意志での反対はその内部での1/4にも満たない。

賛成派(賛成+どちらかといえば賛成)・反対派(反対+どちらかといえば反対)・分からない派に区分し、過去のデータの推移を棒グラフにしたのが次の図。

↑ 日本の国連安全保障理事会への常任理事国入りについて(経年推移)
↑ 日本の国連安全保障理事会への常任理事国入りについて(経年推移)

一番古いデータの1994年の時点ですでに賛成派が過半数に達しているが、意思を決めかねる人も3割近くいる。そして年々「賛成派増加」「分からない・反対派が減少」の流れで進んでいくものの、2003年から一時的な「賛成派の減少」「反対派の増加」が確認できる。これは2003年のイラク戦争、そしてその後の平和維持活動によるところが大きい。しかしその流れも数年で収まり、再び「賛成派の増加」で状況は推移しつつある。

調査範囲期間内では2010年でピークを迎えた「賛成派」だが、2011年には大きく減少している。これは2011年3月に発生した東日本大地震・震災に伴い、国内情勢が不安定なものとなり、「常任理事国入りを検討するのは後回し、余裕などない」という思惑が生じた結果の動きと考えられる。しかし復興が進むに連れ、心境的に余裕も出てきたこともあってか、再び「賛成派」は増加の動きを見せている。

直近2014年は「賛成派」が大きく減っているが「反対派」の増加はごくわずかで、「分からない派」が躍進している。国連安全保障理事国同士の外交的対立が目立っていることもあり、常任安保理入りを果たすことへの意義について、再検討を行う人が増えているのだろう。

今後、仮に常任理事国数の定数が増加するにしても、立候補した、あるいは推挙された国自身の意思だけで、増加分の国が決まるわけではない。さまざまな他国の思惑が絡んでくる。常任理事国、そして国連そのものの存在意義が再確認される中、今後国内世論がどのような変化を見せて行くのか、気になるところではある。


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