牛乳低迷、コーヒー伸びる…世帯単位での各種飲料の利用性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2015年)

2015/03/06 11:00

食べ物と共に飲み物は人が生き続けるのには欠かせないものであり、日々摂取し消費していく対象でもある。当然、それらの商品は身近な存在に他ならない。普段は改めて意識することもない、これらの飲み物に関して、総務省統計局が2015年2月17日にデータ更新(2014年・年次分反映)を行った【家計調査(家計収支編)調査結果】を基に、総世帯(単身世帯と二人以上世帯を合わせた、全部の世帯)における消費性向の現状や推移などを確認していくことにする。

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牛乳は月に一人当たり433円分買われています


今回検証対象とする飲み物は「飲料」項目中の「茶類」「コーヒー」「コーヒー飲料」「牛乳」「ミネラルウォーター」の計5種類。これらの項目が具体的にどのような食品を示しているかに関しては、【収支項目分類及びその内容例示(平成22年1月改定)】で解説されている。それによると、

↑ 「茶類」「コーヒー」「コーヒー飲料」「牛乳」「ミネラルウォーター」の内訳

となる。

またグラフ中や文中に登場する「購入世帯数」「世帯購入頻度」などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

まずは「購入世帯頻度」と「支出金額」(「総世帯」では「購入世帯数」の結果は掲載されていない)。また「世帯購入頻度」は世帯単位での購入頻度を示している。直近データの2014年分について、主要項目の「購入世帯頻度」と「平均支出額」、さらには「一人当たり」の金額をグラフ化したのが次の図。

↑ 2014年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(各種飲料)(月次換算)
↑ 2014年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(各種飲料)(月次換算)

↑ 2014年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(各種飲料)(月次換算)
↑ 2014年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(各種飲料)(月次換算)

「単身世帯」も「二人以上世帯」も合わせた、老若男女老すべての平均値であることから、「茶類」と「牛乳」の値が比較的高め。特に「茶類」は自宅で飲む以外に缶やペットボトルで外飲みされているのも含むため、購入頻度も額も高くなる。例えば出勤先でお昼のお弁当と共に、ペットボトルのお茶を飲む事例は容易に想起される。

「コーヒー」と「コーヒー飲料」とでは、購入頻度が3倍強も違うものの、平均支出額はほぼ変わらない。逆算すると、缶コーヒーの3本分位の金額で、家で沸かして飲むタイプのコーヒーを買っていることになる(その際の消費量は同じではないことに注意)。

2011年には震災関連で特需的に値が伸びた「ミネラルウォーター」だが、2012年以降は購入頻度・金額共に漸減。しかし2011年で一気に引き上げられた値の余韻は今なお残っており、震災で生じたミネラルウォーターの大規模な特需が、一部はそのまま定着した感はある。

ちなみに数年前に消費量の減退が大きく問題視された牛乳だが、2014年では月間3.56回購入され、消費金額は1世帯当たり1045円。一人頭算出では433円。1リットルサイズの紙パックが1本200円前後とみると、一世帯あたり月に5本位の消費となるのだろう。

時系列で変化を確認


この「購入世帯頻度」「支出額」の推移を、データが収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。なお「ミネラルウォーター」は単独の項目として登場したのが2005年からなので、グラフ上のプロットも当然2005年以降のもののみとなる。

↑ 総世帯の平均購入頻度(各種飲料)(月次)(-2014年)
↑ 総世帯の平均購入頻度(各種飲料)(月次)(-2014年)

↑ 総世帯の平均支出金額(各種飲料)(月次、円)(-2014年)
↑ 総世帯の平均支出金額(各種飲料)(月次、円)(-2014年)

単年では高い頻度と購入金額を誇る「牛乳」。しかし中期的に見ると購入頻度・購入金額共に漸減している。世帯構成人数の減少も一因だが、それをはるかに上回る減少率(本統計上の集計値としての平均世帯人数は、2002年が2.63人・2014年が2.41人。8.4%の減少でしかない。「牛乳」の購入頻度は19.8%も減少している)であることは間違いない。2014年は前年の2013年で生じたいくぶんの増加傾向を打ち消す形で、頻度・支出金額共に大幅な減少が見られ、再び下降トレンドに転じた、底打ち感が打ち消された感は否めない。

一方「茶類」は支出金額こそ漸減しているが、購入頻度は中長期的には漸増トレンドにある。これは健康志向の高まり、さらには上に例で挙げたように、お昼時なども含めコンビニ・自販機ルートで食事のお供に買われているのが大きい。

水は品切れそしてグラフ上に薄い赤丸で囲った2011-2014年の「ミネラルウォーター」だが、2011年は震災特需による需要急増で大幅上昇、2012年以降はその熱がやや醒めた形となり、いくぶん減少のさなかにある。とはいえ、それでも2010年の値と比べれば随分と多い。上記でも言及したように、震災起因で上昇した「ミネラルウォーター」購入の注目がある程度浸透したまま定着しているようだ。

なお「コーヒー」「コーヒー飲料」だが2013年に続き2014年においても購入頻度・支出金額共に大きな上昇を示している。これは先の記事でも言及した通り、大手コンビニで急速に普及しつつあるドリップコーヒーサービス(カウンターコーヒー)で「コーヒー飲料」が底上げされ、それに連動する形でコーヒーそのものの需要が伸び、結果として「コーヒー」そのものも上昇した可能性が高い。



「ミネラルウォーター」については震災時の特需は一時的なもので、すぐに震災前の状態に戻るとの観測もあったが、実際には高レベルのまま購入頻度・支出金額が継続している。水に対する意識の高まりが、世帯に浸透したのだろう。

またコーヒー全体の需要がコンビニにおけるカウンターコーヒーの本格的供給により伸びる動きを示しているのは、興味深い話ではある。コンビニで消費されるので家のみが減るかもしれないとの懸念はあったが、結果としては相乗効果を生み出しているようだ。

他方「牛乳」は2013年で見られた底打ち感から、再び下落に転じてしまった。次年以降の動向を注意深く見守りたい。


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