お米とパンとめん類と…世帯単位での主食3品目の購入性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2015年)

2015/03/04 14:00

食事の際に主役的存在となる主食において、日本ではお米で作るご飯が一番食されているというのが定説であり、また日常生活でも実感している人が多い。一方で昨今では手軽さや種類の豊富さからパン類の進出が著しく、特に朝食時にはパンを主食とする人が増加しているとの実態が、複数の調査結果から明らかにされている。今回は総務省統計局が2015年2月17日付で発表した【家計調査報告(家計収支編)における2014年分平均速報結果】の各種データを基に、全部の世帯を意味する「総世帯」(単身世帯と二人以上世帯を合わせたもの)における、主食を代表するお米、パン、めん類の購入性向の推移について、確認をしていくことにする。

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お米よりパンの方が支出額は上!?


次以降のデータは家計調査報告(家計収支編)の「総世帯」から、「米」「パン」「めん類」を選択、該当項目の値を抽出したもの。なお「総世帯」では「購入世帯数」の項目は無いので(単身世帯と二人以上世帯を合わせていることから、数値上の意味は無いと判断しているのだろう)、「購入世帯頻度」と「支出金額」のみを確認していく。またグラフ中などに登場する「購入世帯数」「世帯購入頻度」などの言葉に関しては、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などで解説しているので、そちらを参照のこと。

まずは直近データの2014年分に係わる概要を。主要項目の「購入世帯頻度」と「平均支出額」、さらには「一人当たり」の金額をグラフ化したのが次の図。

↑ 2014年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(主食3項目)(月次換算)
↑ 2014年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(主食3項目)(月次換算)

↑ 2014年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(主食3項目)(月次換算)
↑ 2014年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(主食3項目)(月次換算)

何より最初に目に留まるのは「米」の「購入世帯頻度」の低さ。2014年は世帯当たり月で0.622(回)しか買われていない。「深刻な米離れが発生している!?」と受け止めがちだが、実はこの低値は「お米の購入スタイル」によるもの。「パン」や「めん類」は数食分単位でのまとめ買いが常だが、「米」は一人暮らしでも(自炊する場合)5キロ・10キロの袋単位で購入される。今件は「消費頻度」ではなく「購入頻度」であり、「袋単位での購入頻度」が数字に現れていることになる。

つまりこの値は「月に2/3食分のお米が買われている」ではなく、3か月に2回ほどの割合で、お米屋さんなどで袋に詰められたお米を買う状況を意味する。一方消費金額では、「米」と「パン」に大きな違いは無い。パンの方がいくぶん額が多い程度。「めん」類は米・めん類の6-7割程度。

昨年分2013年の値と比較すると、「米」の購入頻度・消費金額が多少ながらも減り、「パン」が幾分増えている。2012年では「米」の購入額が震災などの影響でややイレギュラー的な上昇を示していたが、2013年以降はそれ以前の傾向である「米が漸減」「パンが漸増」の動きに戻りつつあるようだ。

なお詳しくは後述するが、この結果のみで「主食がご飯からパンに移行した」と完全に断じるのは早計。あくまでもお米とパンの自前による調達に限られ、中食などは考慮外とされているからである。

経年変化でたどる主食動向


この「購入世帯頻度」「支出額」の推移を、データが収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理したのが次のグラフ。

↑ 総世帯の平均購入頻度(主食3項目)(-2014年)(月次)
↑ 総世帯の平均購入頻度(主食3項目)(-2014年)(月次)

↑ 総世帯の平均支出金額(主食3項目)(-2014年)(月次、円)
↑ 総世帯の平均支出金額(主食3項目)(-2014年)(月次、円)

「米」の購入頻度が低い理由は先の説明にある通り、購入時の量による違いによるもの。しかしそれとは別に、経年で少しずつ値を減らしているのが分かる。2002年から2014年までの間に14.4%ポイントもの減少。一方「パン」「めん類」、特に「パン」は2005-2006年の微減期間を除けば一様に上昇し、同時期に140%ポイント強ほど増えている。つまり「月8.5回ほどの購入」が「月10.0回ほどの購入」となり、月1回強分ほど購入頻度が上がったことになる。「めん類」はこの数年横ばいで大きな動きは無い。

支出額から見ると、中期的に生じているお米の小売価格の値下がりも影響し、データがある中では2004年をピークに「米」の購入額が減少。2010年時点でついに「パン」に抜かれることとなった。以降購入価格では「パン>>お米」の状態が続いている。2014年は「パン」の上昇・「米」の下落で両者間では大きな差が開く形となっている。



【朝食は ご飯とパンが ほぼ均衡 二十歳の男性 5割が「ご飯だ!」】などにもある通り、パンは時間と手間があまりかからないのが好まれ、朝食のお供となる場面が多い。やや意外だが高齢者の方がパンを好む傾向がある。今後高齢世帯が増えることから、パンの需要はさらに伸びることは容易に想像ができる。実際、セブン-イレブンの「金の食パン」に始まる高級ブランド志向な食パン類の流行は、中堅層以降が支えている面が大きい。

なお今件記事で主食の定義について「米そのものだけで米食の動向を云々するのは問題ではないか」「中食系のご飯ものを加算すべきだ」との意見をいくつかいただいている。あくまでも今件記事は「内食」としての購入様式から見た検証ではあるのだが、意見内容には一理ある。

今件の「米」「パン」「めん類」それぞれに関連しそうな品目を品目分類から探すと、

・米
おにぎり・その他、すし(弁当)、すし(外食)

・パン
調理パン、ハンバーガー

・めん類
日本そば・うどん(外食)、中華そば(外食)、他のめん類外食

などの中食・外食的品目が、「主食」としてカウントすべき検討対象として挙げられる。一方、例えば「調理食品内、主食的調理食品内の、弁当」は、ご飯もの以外にパンもの、めん類ものなども想定されるため、抽出することはできない。

外食まで含めるか否かも合わせ、これらの項目に関する検証は、後程機会をあらため、じっくりと精査することにしよう。


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