魚肉ソーセージの生産量の移り変わりをグラフ化してみる(2015年)

2015/03/01 19:00

今やスーパーやコンビニだけでなく、ディスカウントストアやドラッグストアなどでも見かけるようになった魚肉ソーセージ。元々魚肉ソーセージは牛豚肉の代替品的な側面もあったのだが、輸送・保存技術の発達で容易にそれらの食用肉が入手できるようになると共に、魚肉ソーセージの摂取量は減少しているとの話を聞いている。それでは具体的に、魚肉ソーセージの生産量はどのような推移を見せているのか。今回はその実態を確認することにした。

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データ取得元は【日本缶詰協会】の専用解説ページである【「統計データ」】。このページの項目に、そのものずばりのデータ「魚肉ハム・ソーセージの生産数量推移」が用意されている。これをグラフ化したのが次の図。

↑ 魚肉ハム・ソーセージ生産数量推移(トン)
↑ 魚肉ハム・ソーセージ生産数量推移(トン)

【日本缶詰協会の歴史ページ】をひも解くと、元々大正時代から魚肉ソーセージ・ハムの開発は進んでいたが、1938年にはマグロを原材料にしたツナ・ハムの製造がスタート。太平洋戦争中は生産が一時中断していたが、戦後に入り1948年にはツナハム、1952年には魚肉ソーセージの本格的生産が始まっている。グラフのデータが1953年からスタートしているのは、そのころから「魚肉ソーセージ」の量産が開始されたことを示している。

1970年代前半には生産量がピークを迎えるものの、使用していた食品添加物に発がん性などが指摘されて使用禁止となり、魚肉ソーセージの歴史は大きな転機を迎える。歴史ページによれば、1974年には製造法が大幅に変更されている。具体的には問題視された防腐剤の使用を取りやめると共に、

1.高温高圧殺菌(高温殺菌製品)

2.pH、水分活性を調節し過熱殺菌(pH調製品・AW調整品)

3.防腐剤を使用せず 従前同様の加熱殺菌をして10℃以下で流通保存(低温度流通製品)

の3通りによる製造方法が採られるようになった。これは現在に至るまで継続している。

魚肉ソーセージさらにその後材料費の高騰(200海里問題の勃発が要因)、冷蔵庫の普及や輸送・保存技術の進歩で、牛肉や豚肉などの食肉が容易に家庭で食せるようになり、代替品的な意味合いにおける魚肉ソーセージの価値は相対的に低下していく。それと共に生産量も減退。企業努力や突発的な出来事(直近ではBSEによる代替品の需要増加、新型インフルエンザ流行に伴う非常用保存食料としての着目)により生産量がある程度増えた時期もあったが、概して1990年後半以降は年間6万トン前後の生産量を維持しているという次第。ピーク時の生産量は1972年の18万0491トン。直近データの2013年分は5万5506トン。実に1/3以下にまで減少している。

コンビーフなどの缶詰系食品と比べれは劣るもののそれなりに長い保存期間を誇り、そのまますぐに食べることもできれば料理に使っても美味しくいただく事が可能、さらに価格も比較的安めな「魚肉ソーセージ」。積極的に口にする機会は少なくなったかもしれないが、1本単位、あるいは数本まとめた束で気軽に手にいれることができる(むしろ最近では束単位での販売スタイルの方が多いように見受けられる)。今回の記事を機会に、魚肉ソーセージの再評価をしてみてはいかがだろうか。


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