ビデオやHDD・DVDの利用動向のいまむかしをグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/03/09 05:21

先行記事【テレビの視聴時間は平日3時間強・休日4時間近く、お年寄りほど長い傾向(2016年)(最新)】などでNHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した2015年国民生活時間調査の報告書をもとに、テレビ(番組)の視聴状況に関して、高齢者以外は大よそ「テレビ離れ」が進んでいる、高齢者もその気配が感じられる動きを示していることを確認した。一方、昨今のテレビ視聴のスタイルでは、放送をそのまま生で観るだけでなく、ひとまず録画しておき、余暇の時間に再生する「後ほど視聴」様式が増えているとの指摘もある。同調査では「録画したテレビ番組の再生」のみの視聴動向項目は無いが、その動きを間接的に知ることが可能な「マスメディア接触中のビデオ・HDD・DVD」について、その昔と今に係わる状況を確認していくことにする(【発表リリース:2015年 国民生活時間調査】)。

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20年で大きく飛躍する利用状況、それでも2割に届かない


今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)】を参照のこと。また今件取り上げる行動の「ビデオ・HDD・DVD」とは、具体的には

ビデオ・HDD・DVDを見る(録画したテレビ番組の再生視聴・ネットで配信されたテレビ番組の視聴も含む)

と説明されている。(生放送による)テレビ視聴時間減退が、録画したテレビ番組の後ほど視聴の増加と関わり合いがあるかを調べるには「録画したテレビ番組の再生視聴」部分のみが必要なのだが、その値は存在しない。あくまでも全体としてのビデオ・HDD・DVDの視聴状況である。昨今ではビデオソフトも廉価となり、むしろインターネット経由で配信されるソフト・番組も多いため、参考値程度のものとなる。

まずは平日と休日それぞれの行為者率。値が取得可能なもっとも古い調査年となる1995年分と、直近分の2015年分を併記する。

↑ ビデオ・HDD・DVDの行為者率(平日)
↑ ビデオ・HDD・DVDの行為者率(平日)

↑ ビデオ・HDD・DVDの行為者率(日曜)
↑ ビデオ・HDD・DVDの行為者率(日曜)

大よその属性でこの20年の間に行為者率は大きく増加しており、ビデオやHDD、DVDが普及浸透し、利用する人が増えていることが分かる。一方で直近でも平日で15%、日曜でも17%でしかなく、利用者は精々2割足らずでしかない現状も把握できる。

属性別の行為者率を見ると、直近では男性は70歳以上以外はほぼ同率で1割強、女性は20代から50代でやや高めの2割前後を示しており、また主婦の値が群を抜いて高いことから、主婦層が自宅に居る際に録画番組やソフトの再生を楽しんでいる様子がうかがえる。

属性別経年変化では、男女とも中堅層以降、主婦や無職での行為者率が大きく伸びている。20年で属性別差異は大きく縮まったようだ。他方、今件項目ではネット配信されたテレビ番組も該当するが、インターネットの動画との距離感を急速に縮めている10代・20代の伸び・絶対値が弱弱しい。彼ら・彼女らはテレビ番組では無く、独自配信動画や自作動画を観ているのだろう。

なお今件で一見すると高い値を示しそうな無職層だが、平日ですら平均値より低く、日曜では職業別で最低値を示している。多分に高齢の年金生活者が該当し、機器の操作に難儀する関係で利用を避ける傾向は、昔も今もさほど変わりないものと思われる。

利用者の利用時間も伸びている


ビデオ・HDD・DVDの行為者率は20年で伸びている。それでは行為者における利用時間はどのような動きを示しているのだろうか。

↑ ビデオ・HDD・DVDの利用時間(行為者限定)(平日)
↑ ビデオ・HDD・DVDの利用時間(行為者限定)(平日)

↑ ビデオ・HDD・DVDの利用時間(行為者限定)(日曜)
↑ ビデオ・HDD・DVDの利用時間(行為者限定)(日曜)

70歳以上で一部減退が生じているものの、大よそ利用時間は伸びている。伸び度合いに何らかの法則性を見出すことは難しいが、あえて言えば平日の女性20代から40代と主婦層における伸び方は、テレビ番組の録画再生によるものと推測しても、あながち的外れでは無い感はある。

一方で全般的に平日よりも日曜の方が利用時間は長く、さらに20年の間で日曜の方が大きく伸びている。テレビ番組に限らず、専用ハードを用いた映像の再生視聴が娯楽の一環として浸透し、利用者においてもより一層長時間利用されるようになったようだ。



繰り返しになるが今件の各値はあくまでもビデオ・HDD・DVDを観る行為全般で、テレビ番組の録画再生だけでなく、録画したテレビ番組の再生視聴・ネットで配信されたテレビ番組の視聴までも含んでいる。テレビをリアルタイムで観る人・時間が減っているのは、録画にシフトしたからとの仮説を裏付ける確かな証拠とは成り得ない。無論、その推論を補強する一つの材料としては十分有効だが。

他方、同じ映像・動画視聴としてはインターネット経由の独自動画が注目を集めている。今調査では該当する項目は趣味・娯楽・教育のインターネット利用だが、それには動画視聴以外にソーシャルメディアの利用やウェブサイト・ブログの利用・作成、さらにはオンラインゲームの利用まで含まれるため、動画視聴の動向を推し量ることは、今調査ではかなわない。

メディアの多様化に伴い、人の映像に係わる娯楽のスタイルは大きな変化を遂げている。過去との比較が難しくなるが、次回調査となる2020年分では何らかの仕切り分けも必要かもしれない。


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