テレビ視聴動向今昔物語、10年前と今を比べてみると(2016年)(最新)

2016/03/08 05:17

テレビ(放送によって提供される番組)は利用ハードルが低く料金もほぼゼロで多数の人が気軽に楽しめる娯楽であり、ながら利用も可能であることから、老若男女を問わず昔から愛されている存在に違いない。しかし昨今では娯楽用に使える新たなツールが多々登場し、選択肢が増え、テレビ利用時間が減退し、人々の日常生活におけるテレビの相対的立ち位置も低下しつつあるとの指摘も多数見受けられる。今回はNHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した2015年国民生活時間調査の報告書などをもとに、日常生活におけるテレビの視聴動向の変化を、平日の夜間の行為者率から確認していくことにする。

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今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)】で記載済みなのでそちらを確認のこと。なお「行為者率」とはその仕切り内時間に該当行為を15分以上連続して行った人の割合、グラフ中の時間帯の区切りに関する表記は「直前区分からその時間まで」を意味する。今件では30分区切りでの精査なので、例えば「19時00分」なら「18時30分-19時00分」である。

【世代・性別で異なる平日夜間のテレビ視聴スタイル(2016年)(最新)】で解説の通り、平日夜間のテレビ(番組視聴)行為者率は、高齢者が早めの時間帯で高い値を示すが就寝も早いため、夜間になると中堅層と値が入れ替わる動きを示している。

↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・男性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2015年)(再録)
↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・男性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2015年)(再録)

↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・女性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2015年)(再録)
↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・女性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2015年)(再録)

「国民生活時間調査」は5年おきの調査が成されているが、現時点で10年前の2005年分までさかのぼる形で公開報告書を取得可能。そこで2005年分に関して同じ状況を確認し、同一の縦軸の仕切り分けで生成したグラフが次の図となる。10年前の平日夜間における、テレビの視聴動向を知ることができる。

↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・男性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2005年)
↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・男性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2005年)

↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・女性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2005年)
↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・女性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2005年)

10年前といえばスマートフォンは当然存在しておらず、従来型携帯電話が7割前後の普及率だった時代。パソコンやインターネットの普及率もほぼ同程度。まだ平日夜間の娯楽はテレビが絶対王政の長的な存在で、若年層における値が直近2015年と比べると随分と高いままで推移していたのが分かる。

とはいえ両年のグラフを見比べるのは少々難儀する。そこで2005年から2015年の各属性・各時間帯の値を比較し、その推移を同様にグラフとして書き起こしたのが次の図。マイナス値が大きいほど、10年間でテレビ離れが進んだことを意味する。

↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・男性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2005年→2015年の変移)
↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・男性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2005年→2015年の変移)

↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・女性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2005年→2015年の変移)
↑ 夜間のテレビの30分毎の平均行為者率(平日・女性・年齢階層別)(記載は終了時刻)(2005年→2015年の変移)

男女で縦軸の仕切り分けを統一しているが、プラスが5%までなのに対しマイナスが25%まで存在していることからも分かる通り、全般的にはテレビ行為者率は減少の動きを示している。そして男性だが、大よそ10代は早い時間帯、20代から40代は食事後で大きく減っている。元々この時間帯のテレビ行為者率が高く、削られうる値が大きいのも一因だが、リラックスのためのツールとしてのテレビの存在が、そのポジションを削られてしまっていることがうかがえる。高齢層でも値こそマイナス5%内外と低めだがほぼ減退しており、プラスを示しているのはやや遅めの時間帯のみ。

女性も傾向としてはさほど変わりはないが、10代は早期、そして男性よりも上の層となる20代から50代までにおいて、食事後の時間で大きく減っているのが分かる。ただし男性よりも食事からその直後における時間帯では、高齢層で一部有意な増加を見せているようだ。もっとも全般的にはマイナス領域にある、つまりテレビ行為者率が減っていることに変わりはない。



例えば携帯電話の影響を考慮しなくても済む1995年の値との比較もできれば良かったのだが、残念ながら(内部的には存在しているはずではあるものの)公開値としてものは取得できず、さかのぼるのは10年前が限界だった。それでも平日夜間における「テレビ離れ」の実情が確認できたのは興味深い。

一部には録画再生の番組を観るスタイルにシフトした可能性はあるが、少なくとも生で放送されてるテレビ番組の視聴は、平日夜間の時間帯において、「それが一番」から「数ある選択肢の一つ」へと、その立ち位置を変えつつあるに違いない。


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